
このような悩みをお持ちの方、いらっしゃいますよね。労働者の身からすれば労働に関する法律は気になりますね。
理由はいろいろありましたが、概ね以下の3つに絞ることができます。
転職の主な理由3選
体の不調によるドクターストップ
会社の人間関係が合わずうつ状態に
仕事の内容に面白みを感じなかった自分の飽きっぽい性格が原因で長く続けることができなかったことが最大の原因です。
— 木佐貫@30歳までに8回転職した男 (@tensyokumarche) August 11, 2019
以前こんなツイートをしました。
私は仕事でドクターストップを受けたくらいの人間です。この記事を読んでくださった方々が、私みたいな極端な働き方をしていないことを祈ります。
実は、働き方改革で変わったのは残業時間に関するルールだけではありません。労働者を守ってくれるお医者さんの権限も強化されたのです。
「えっどういうこと?」と頭にはてなマークが浮かんだ方のために、残業に関するルールから解説していきます。
この記事でわかること
- 時間外労働の上限
- 産業医の権限について
- 医者の残業について
Contents
時間外労働の上限規制

2019年4月から長時間労働に歯止めをかけるべく、時間外労働に上限が設定されました。今までは特定条項付き36協定で働かせ放題だったのですが、法律上では制限ができました。
大企業には2019年4月から、中小企業には2020年4月から適用されます。
ここでは、その変更点についてざっくり解説します。変更点を先に3つ上げたあと、その変更点を深堀していきます。
変更点は3つです
①大臣の「告示」だったものが条文に明記された
今まで厚生労働省の大臣が「36協定を結んでても残業はこの程度までね」と言っていただけだったのが法律になったということです。
②特定条項付き36協定に上限ができた
2019年4月以前の特定条項付き36協定では、臨時的・突発的な事情があれば労働時間をいくらでも延長できました。
臨時的・突発的な事情というのは残業しないと納期に間に合わないとか、機械のトラブルが発生したとかいう場合です。
この特定条項付き36協定には残業時間の上限がなかったのです。特定条項付き36協定のせいで死ぬかと思うくらい働いた人もたくさんいると思います。
そこで、働き方改革で政府が上記の状況を問題視して、特定条項付き36協定にも上限を設定したのです。
③上限規制に違反すると罰則がある
違反した場合の罰則も設けられました。
ただ、違反した場合は必ず罰則が適用されるわけではありません。
実際は書類で「残業を減らしてくださいね」と通達されるくらいが多いので、今後適用されるようになるかはなんとも言い難いです。
原則:月45時間、年360時間まで
36協定を締結していれば残業してもOKになるというのは多くの方が知っていると思います。
2019年4月以前は、厚生労働省の大臣が「36協定を締結している場合は月45時間、年360時間まで」と決めていただけで法律にはなっていませんでした。これには法的な拘束力がなかったので、上限を超えたところで「月45時間、年360時間まで」を何としてでも守る理由はありませんでした。
しかし、労働基準法の改正で、「月45時間、年360時間まで」と条文に明記されました。
例外:臨時的な事情があったとき
問題は特定条項付き36協定ですよね。上限なしはいくらなんでもヤバすぎるということで、規制がかかりました。規制の内容は以下です。
- 年720時間まで(休日労働を含まない)
- 複数月(2か月~6か月)で平均月80時間
- 1か月で100時間未満(休日労働を含む)
「月80時間」や「100時間」というのは政府が「過労死ライン」といって危機感を抱いている数字です。この数字を見て、「死ぬ寸前まで働かせていいのかよ」という印象を抱く人もいます。
複数月で80時間はさすがにきつすぎではないかと私も思います。80時間なんて1か月だけでも危ない感じがしますが。
違反すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
上限規制に違反すると、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課されます。
労働力をガンガン搾取したくせに刑罰が軽いような気がします。この刑罰で企業は本当に変わってくれるのでしょうか。
適用が先延ばしにされる職種もあります
2024年から残業の規制が適用される職種があります。
- 建設事業
- 自動車運転の業務
- 医師
- 鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業
砂糖製造業が異彩を放っている感じがします。急ピッチで砂糖を作りたいのでしょうか。
時間外労働の上限規制については、詳しく解説した記事があります。その記事も参照していただけると幸いです。
変わったのは上限だけではありません

ここまでのお話を読んでいただき「36協定に上限ができたんだな」と分かっていただけたら嬉しいです。
しかし、変わったのはルールだけではありません。
産業医の権限が強化されたのです。「産業医とは何ぞや?」という方もいらっしゃると思いますので、丁寧に解説していきます。
産業医とは
産業医とは、企業で働く人の健康管理を行うお医者さんです。工場の安全管理や長時間労働のチェックも行います。
企業内の医者だと考えてくれたら良いと思います。
産業医の権限が強化された目的は、長時間労働や精神の不調で健康リスクが高まっている労働者を見逃さないようにするためです。
産業医の権限内容
産業医の権限は、労働安全衛生法という法律に示されています。
権限の内容をまとめると以下の通りです。
- 事業者は産業医に具体的な対策を報告しなければならない
- 健康リスクが高いと判断した場合、従業員の負担が軽くなるような措置を指示できる
- 産業医の勧告に対して対応するかしないかは自由だが、対応しなかった場合は企業に説明義務あり
条文を読んでも理解しにくいと思いますので、産業医が実際にどういう権限を持っているのか、雰囲気だけでもつかんでいただければと思います。



労働者との面談終了後、事業所では……

うわ、しかも労働者の氏名や業務に関する情報、80時間を超えた時間についてまで事細かに聞いてきやがった。めんどくせぇ。そんなこといきなり言われてもなぁ……こっちだって忙しいんだよ
数日後……








私が勧告した内容と実際に行った措置または措置を行わなかった場合はその理由を必ず記録し、3年間保存してください。そして、衛生委員会と安全衛生委員会に報告をお願いします。
吹き出しにしてみるとこんな感じの流れです。
このように、事業者は、産業医の意見を尊重して職場環境を改善していかないと相当めんどくさいことになります。
労働安全衛生法第13条と14条で産業医が持っている権限や事業者が産業医に対して負う義務などが書かれています。難しく言うと、産業医の発言が法的な拘束力を持つようになったというのが大きなポイントです。
労働者の命や健康を守るため、産業医さんが今まで以上に頑張ってくれる未来になったらいいですね。
ちなみに:医師の時間外労働も変わります

お医者さんってめっちゃ働いているイメージがあると思います。2024年からですが、お医者さんの労働時間にも上限ができます。
厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」を実施し、22回にわたる議論を経てようやく結論が出ました。
原則:年960時間まで
例外:“B水準”、“C水準”に該当する医療機関は年1860時間まで
B水準、C水準というのは報告書の中に記されている文言です。
B水準は、地域の医療を確保するのに必要で、国が優良だと認めた医療機関です。救急救命や在宅医療などに優秀な実績を持っている機関のようですね。
C水準は、高度な医療技術を獲得するための医療機関です。短時間で集中的に経験を積むことによっていち早く戦力になる人材を育てようということです。
お医者さんの長時間労働によって私たちが助けられている面もありますが、やっぱり人間である以上は人間らしく働いてほしいですね。
まとめ

働き方改革について、多少なりとも理解していただけたらOKです。
おさらいしておくと、この記事で取り扱った改正点は以下です。
- 厚生労働省の大臣の告示だったものが条文に明記された
- 特定条項付き36協定に上限ができた
- 産業医さんの発言力が高まった
- 2024年から医者の労働時間にも上限ができる
国はどんどん残業をなくしていこうとしていて必死ですね。ここまで語っておいて申し訳ありませんが、私は働き方改革には否定的です。
働き方改革ほどブラックな制度は無いです。早く帰ること、有給消化を義務化してもなんにも変わらないですよ。無理やり休みとって、結局残業が必要になって、でも定時退社が推奨されてて、つまりサービス残業を死ぬほど生むというわけですわ
— 木佐貫@30歳までに8回転職した男 (@tensyokumarche) August 11, 2019
私の考えに共感してくれる人がいれば嬉しいです。


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