皆さん日々のお仕事お疲れ様です。
働き方改革が実施され、まさに今労働のあり方を問われていますが、とあるツイッターでこんな一言がありました。
定時で終わる仕事なんてないよなー。
日本人は時間に厳しいくせに退勤時間にはルーズなのよ、、働き方改革!とかプレミアムフライデーとか言って定時で仕事終わらせる日とか作ってるけど、そんなことしてもその日出来なかった仕事が他の日に回るだけ、、— たちゃん// (@hrHAaMid0QvySIx) May 29, 2019
「日本人は時間に厳しいのに退勤時間はルーズである」。このつぶやきに共感している方、かなりいらっしゃるかと思います。
できれば残業なんてしたくなはないものですが、とはいえどうしても緊急を要するような、残業せざるを得ない状況ってありますよね。
そんな時に気になるのが「残業手当」です。皆さんは自分の会社が残業手当をつけているか、把握してますか。もしチェックしていない、もしくは残業なんてザラであるのに残業手当がないというのであれば、とても損をしている可能性もあるんです。


今回はその残業手当について詳しくご紹介したいと思います。
Contents
残業手当が出ない、法律的にどうなの?

残業手当がない、いわゆるサービス残業しているというあなた。ズバリ言いましょう。それは法律違反です。
なぜなら労働基準法で労働時間を設定するときには1日8時間以内、週40時間以内に収めるよう、どの会社でも決められているのです。もし就業時間を超えて仕事をするときには残業扱いとなり、会社側はその残業代を支払わなければなりません。
最近のニュースでも実際に残業の未払いが問題となったニュースもあります。
宅配最大手ヤマト運輸(東京)で宅配ドライバーをしている50代の男性社員が、長時間の時間外労働をしたのに残業代が一部しか支払われていないとして、同社に未払い分など計約360万円を求める訴えを21日、大阪地裁に起こした。
訴状によると、男性は1996年から、ドライバーとして大阪府豊中市や兵庫県尼崎市の営業所で勤務。運転前の荷物の仕分け作業で午前6時台に出勤してもタイムカードを朝8時に押すよう上司に指示されたほか、忙しくて休憩時間がないことが常態化していたという。
引用:朝日新聞


残業手当未払いの企業は増えている!?

引用:厚生労働省
残業未払いで問題になっているのはヤマトだけではありません。
上のグラフをご覧ください。これは平成29年度に時間外労働などによる割増賃金、つまり残業した分の賃金を支払っていない企業に対し、労働基準法により是正指導を行った企業の数をグラフ化したものです。
この年に是正した企業の数は1870企業となっておりますが、なんと前年度に比べ521企業増えているという結果が出ているのです。
しかしここであげられている企業数は、全国の労働基準監督署が労働者からの申し出や、その企業の情報に基づいて企業へ指導を行った結果、平成29年4月から平成30年3月までの期間に不払いだった残業分を労働者に支払った額が1企業で合計100万円以上となった事案を対象にまとめたものになります。
ですので中にはこのグラフに含まれていない残業未払いの企業も存在しているといえます。


残業手当が出ない?それ勘違いの可能性があります!

「あれ、なんか自分の会社も残業代出していないんじゃないか」と疑いを持った方もいらっしゃるかと思いますが、その前にあらかじめ注意しておかなくてはいけないことがあります。それは制度の内容からして残業手当が出ないケースが表面上はあるということ。
しかしながら、そのケースにが自分が該当してるからといって必ずしも残業手当が出ないかというとそうとも限らないのです。
そのケースが大きく分けて3つありますので、自分の会社の就業規則や労働時間、自分の職種など仕事環境を振り返ってチェックしてみてください。
みなし労働時間制
みなし労働時間制とは、実際に労働した時間にかかわらず、一定の決められた時間を労働時間とみなして算出することをいいます。
みなし労働時間制を適用するには2つの条件があります。
- 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事したこと
- 労働時間を算定し難いこと
例えば、外回りの営業職の方ですと普段は外にいることが必然的に多くなるので、会社側が労働時間を管理するのは難しくなりますよね。専門的な職業の方もまた労働時間の管理は難しくなります。
そういった時のために、実際に働いた時間とは関係なく労働時間や業務を行うために必要となる時間を働いたものとみなしてお給料を支払う、という制度です。
つまり「この職種では○時間の労働時間が必要」と会社が基準を定めた場合、その時間より長く働こうが短く働こうが、支払われるお給料は同じになります。
早く仕事を終えられれば良いのですが、基準の時間を常にオーバーして仕事をしていると、その分の残業手当は出ません。
しかしながら、法律で定めている労働時間(8時間)以上の時間をみなし労働時間制に定めている場合は、その分の残業手当は出さなければなりませんし、深夜・休日労働となった場合は深夜手当や休日手当として適用されます。
・8時間以上のみなし労働時間制を適用している。
・深夜・休日労働がある。
固定残業制
固定残業制は、残業代が毎月のお給料にあらかじめ含まれている制度のことです。「みなし残業代」「定額残業代」とも呼ばれます。
この固定残業制もまた法律にのっとって適用するには、会社側は以下のことをクリアしなければなりません。
- 基本給と残業代が明確に分けられているか(固定残業制の金額が妥当か判断できるようにするため)
- 固定残業制が就業規則に記載され、労働者に明示しているか
残業代は本来残業した時間分だけ残業代を支払うので金額が変わるものなのですが、あらかじめ時間外労働となることを想定して、会社側が毎月固定の金額で基本給にプラスして支払うというものです。
つまり会社側が「毎月20時間分の残業代を含む」とみなして基本給にプラスして支払うと定めた場合、実際にその月の残業時間が20時間以下であれば残業代は支払われません。
ですが、もしその月の残業時間が20時間以上であった場合はその分の残業代が出ますので、毎月勤務時間をしっかり確認してみましょう。
・会社が定めた固定残業制以上の残業がある。
役職手当がある
労働基準法には管理監督者については残業代を支払わなくても良いと定められています。
管理監督者までの身分となれば、ある程度自分の裁量で仕事ができるようになり、経済面にもそれなりの待遇を受けているため、法律によって労働条件を定めてまであえて保護する必要はないと考えられているためです。
しかし監督管理者=部長や係長などの役職を指しているわけでもなければ、管理職を指しているというわけではありません。厚生労働省労働基準局によると、監督管理者かどうか判断する基準として4つあります。
- 労働管理や方針の決定など、経営者と一体的な立場で職務を遂行しているか
- 労働条件の決定や採用など責任や権限を与えられているか
- 出社、退社時間を自分の裁量で決められるかどうか
- 地位にふさわしい待遇がなされているか
もし役職がありながらもこれらの条件に当てはまっていない、つまり「名ばかり管理職」である場合にはたとえ役職がついていても残業手当を支払わなければならない可能性があるのです。
・法律上の監督管理者の判断基準にあった役職であるか(名ばかり管理職になっていないか)


残業手当を請求したい、でもその前に

さて、ここまでのチェックポイントを見て「どうも自分の会社は残業手当を支払っていないんじゃないか」と疑問を持ったあなた。いざ残業手当を請求する前に注意しなければならないことがあります。それが請求の期限です。
実は残業手当は時効があり2年で消滅してしまいます。ですから請求するのであれば速やかに請求しなければなりません。
そして請求するためには証拠集めを徹底的にしておく必要があります。ここからは残業手当を請求するときに有効な証拠についてご紹介しますので、事前に集められるよう入念に準備をしておきましょう。
雇用時に渡される書面
皆さんが今の会社に入社する際、雇用契約書や労働契約書など署名が必要となるような書面を交付されているかと思います。これは労働基準法で会社側は労働者を雇用するときは必ず書面を交付しなければならない旨が記載されているためです。
この書面の中に労働条件に関する記載がありますので大切に保管のうえ、確認してみてください。
就業規則
会社の就業規則にはその会社の労働時間や、公休や有給などの休日に関すること、時間外労働に関することなど会社絵働くにあたってのルールをまとめてあります。
この就業規則もまた労働基準法で、従業員が10人以上いる会社では就業規則を作成して、それを社員に周知させる義務があるのです。
そのため会社側がしっかり管理しているのであれば、誰でも閲覧できるような状態になっているはずなのです。
この就業規則はコピーでOKですので、証拠としてとっておきましょう。
タイムカード
その日の出社時間、退社時間の記録となるタイムカードのコピーをしておく必要があります。
最近では勤怠管理をシステム上で管理するところもありますから、そういった場合にはその記録データを証拠としてとっておきましょう。
もし勤務先でタイムカードがないところでしたら、業務日誌や日報があれば上司のサインや印鑑などが残されているものでしたらより有効な証拠になります。
とはいえウソの記録を残してしまうと立派な改ざんとなりますので、正確に、具体的に記録をしておいてください。
メール
もし仕事上で自分専用のメールアドレスでやり取りをしている方は、ノートパソコンのように社外で使っていないものであればメールの履歴が大きな証拠になります。
なぜならメールを送信した際に勤務時間外に送信されているものであれば、会社のパソコンからメールを送るということはその時間にあなたが会社にいることをはっきりと証明することができるからです。
残業証明できるアプリがある!?
引用:ザンレコ
とはいえこれらの証拠を集めるのには手間がかかるものです。そこで皆さんに知っておいてほしいのが残業証明できるアプリがあるということ。
特におすすめとされているのが「ザンレコ」というアプリです。残業の証拠としてご自身でメモを取って記録しておくのも有効な証拠となるのですが、記録するのも手間がかかって面倒くさいですよね。
しかしこれを使えばGPSを使って職場にいるかどうか記録を残せますので、今後裁判となったとしても改ざんできるものではありませんから立派な証拠となります。
さらに嬉しい機能として、ご自身の情報や勤務先情報、給料等を登録しておくと残業代を自動的に計算もしてくれますので、今後弁護士を通して相談するときもスムーズにできます。
完全無料で利用できますので、もし残業手当を請求するのに有効な証拠が集まらないという方は是非スマホにダウンロードしておくことをお勧めします。


いざ!残業手当の請求を・・・!

すべての証拠を整えたらいよいよ残業手当の請求です。具体的にどこに請求をすればよいのか、ここでは手順を追ってご紹介したいと思います。
まずは会社へ相談
まずは会社の方で直接話し合いをして交渉を行います。もしコンプライアンスにきちんとのっとっているような会社であれば、直接交渉して円満に解決できる可能性があるためです。
もし、交渉しても解決の糸口が見えそうになということであれば内容証明を作成しましょう。内容証明とはいつ、誰が、どのような内容をどこに送ったのか郵便局側が証明する制度のことをいいます。
交渉だけでは形に残る証拠がないため「言った」、「言わない」で後にもめ事に発展しかねません。ですので、きちんと形として残すためにも内容証明を郵送しましょう。もし書き方が分からないという方はこちらを参考にしてみてください。
参考:残業代バンク
労働基準監督署
残業手当を支払われていないとなると労働環境の問題として労働基準監督署も動かざるを得ません。匿名での申告もできますので、後で会社で申告したことがばれたらどうしようという心配なく安心して相談できます。
とはいえ労働基準監督署はきちんとした証拠が完璧にそろっていなければ動くことができないため、証拠をそろえてあるというのが条件となります。
ですが相談の費用もかからないうえに、証拠を基に残業代をいくら請求すればよいのか計算までしてくれますので、会社がかけあってくれないようであれば相談してみるのも手です。
それでもダメなら弁護士への相談も
会社も労働基準監督署でも交渉が進まないということでしたら、交渉のプロである弁護士への相談をしてみましょう。
弁護士に相談してしまえば、残業代の請求に必要な手続きを弁護士がかわって手続きしてくれるので手間がかかりませんし、会社との交渉も弁護士がしてくれますので、精神的負担も軽くなりますよ。
また、なぜその企業が残業代を支払わないのか理由もきちんと分析してくれます。まずはお近くの弁護士を探して相談してみてましょう。
まとめ:働き方を見直してみよう

残業手当についての現状と解決策についてご紹介しましたがいかがでしたか。
今サービス残業状態になっている方も、残業に関する制度がすでに決められている方も、一度は働き方を含めて正しく勤務管理されているのか自分で把握しておくことが大事です。自分の会社の就業規則がどうなっているのか確認しておきましょう。




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