現在の日本では昔に比べて、多くの女性が社会に出て働くことが当たり前になってきました。しかしそうなってきていても、ほとんどの女性は大切なパートナーとの間に子供を授かりたいとお考えだと思います。
そうすると心配になってくるのが、「仕事」と「子育て」の両立ではないでしょうか。
- 妊娠しているときや出産後は仕事をどうしますか。
- 1歳に満たない子供がいるのに朝から晩まで働きますか。
- このご時世に稼ぎは全部旦那様に任せて専業主婦で大丈夫ですか。
- もし子供が急な体調不良になってしまったとき仕事中だったらどうしますか。
ここに挙げた状況は、「仕事」と「子育て」の両立を目指す上で考えられる心配事のほんの一部に過ぎません。仕事を続けながらの育児は、皆様の想像以上に大変なことです。
ならもう「仕事」と「子育て」の両立は不可能なのでしょうか。仕事が好きで続けていきたいのであれば子供を諦め、逆に子供を授かれば仕事は辞めるしかないのでしょうか。

実は意外と、子育てをしながら仕事を続けていきたいママたちを支援してくれる制度は、様々な状況やニーズに合わせていろいろな種類があるんです。
そんな、子育てをしながら仕事を続けていきたいママたちを支援してくれる制度を今回はいくつか紹介していきたいと思います。
こんな方におすすめ
- 子供は欲しいけど、仕事も続けていきたい人
- 今現在、子育てをしながら仕事をしているけど、支援制度を利用していなくて苦労している人
Contents
これから出産を控えている女性には

今まさに妊娠中であったり、これからお子様を授かりたく妊活中の女性はまず妊娠中から出産直後まではどのような支援があるのか知っておくべきでしょう。
産前産後休業
産前産後休業(以下、産休)は、労働基準法にて定められた制度です。こちらは、正社員はもちろんアルバイトやパート、派遣の方でも無条件で取ることができます。
産前休業は、出産予定日の6週間以内(双子以上の場合は14週間)の日数を取ることができ、こちらは本人の申請が必要となっております。もし出産予定日が遅れた場合は、その遅れた日数分も産前休業に含まれます。
産後休業は、産後8週間は就業してはならない、となっているだけあって申請の有無に関係なく産後8週間以内の方は働くことがそもそもできません。
ただし、本人の申請があり医師の方が承認した場合は6週間経過後から働き始めることが可能です。
産休中のお金は?
産休で休んでいたとしても、生活はしていかなくてはいけないわけで無収入では生きていけないですよね。
産休中の給料に関しては、まずお勤め先の就業規則を確認しましょう。そちらに、産前産後休業中の給与を支払うと明記されていればもちろん給与をいただくことはできますが、産前産後休業中は給与を支払わない、と明記されていれば給与はいただけません。

と思われるかもしれませんが、もちろんそんな時のためのサポートもあります。
こちらは健康保険の保険給付として、出産手当金というものを支給してもらえます。出産手当金は産前6週間から産後8週間の間に休んだ分、つまり産休を取った分だけの期間支給してもらえます。
支給してもらえる金額ですが、
支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額÷30日×2/3
の金額が1日あたりの金額となります。もし継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額がない場合、つまりは働き始めて1年に満たない場合は、下記のどちらか低い方を使用して計算した金額を支給してもらえます。
- 支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額
- 30万円(2019年度の前年度9月30日における被保険者の同月の標準報酬月額を平均した金額)
仮に毎月35万円の固定給をもらっている方でしたら、
35万円÷30日×2/3となるので、支給してもらえる日額は7,780円となります。
毎月もらっていた給料に比べたら低くはなってしまいますが、出産に向けて仕事を休んでいるときにお金を支給してもらえるのは非常に助かりますね。
産後休暇後の女性には

出産が無事に終わり、産後休暇で8週間仕事を休んで、さあこれから仕事をバリバリしていくぞ!とはなかなかいかないものです。
今の時代、専業主婦というのはなかなか難しくほとんどのご家庭が共働きだと思います。そうなるとお互いが今まで通り働いていると誰が大事なお子様の世話をするの、という話になってきます。
近くにどちらかの親御様や親戚の方がいれば、その人たちを頼ることもできますがそうもいかない人たちもいるでしょう。そんな方達にもちゃんと、産後休暇後のサポートがあります。
育児休業
育児休業、通称「育休」と呼ばれるものが育児・介護休業法という法律のもと存在しています。育休はその名の通り、子供の育児をするための休業です。
産前産後休業は誰しもが取ることができましたが、育児休業にはちょっとした条件があります。
- 原則として1歳に満たない子供を養育する方
- 1年以上、同じ雇用主に雇われている
- お子様が1歳6ヶ月になるまでに契約が満了することが明らかになっていない
この3点に該当すれば、正社員だろうとアルバイトだろうと派遣だろうと育休を取ることは可能です。ただ、日雇いの方は取れませんので注意が必要です。
また派遣の方は注意が必要で、1年以上同じ雇用主に雇われているというのは雇用先に1年勤めている必要があるわけではなく、派遣元の会社に1年勤めている必要があります。
なので今の派遣先は勤めてから1年経過していなくても登録している派遣元の会社に1年以上勤めていれば取れますし、逆に今の派遣先に1年以上勤めていても登録している派遣元の会社を変えている場合は育休は取れません。
育休の取得可能期間は、基本的にお子様が1歳の誕生日を迎える前日までの原則1度だけとなっています。しかし下記の条件に当てはまる方はお子様が1歳6ヶ月を迎える前日まで延長可能です。
- 認可の保育園への入園が決まらない場合
- 配偶者の方が亡くなられた時
- 病気や怪我の事情で子育てが困難な場合
- 離婚などをしてしまった時
- 第2子を6週間以内に出産予定、もしくは産後8週間経過していない場合
さらに1歳6ヶ月を迎えるタイミングで同じ条件に当てはまれば最長2歳の誕生日の前日まで延長が可能です。
とはいえ上記の条件は、できることなら避けたい状況ですよね。そんな方のために「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用すれば最長1歳2ヶ月まで延長することもできます。そのためには旦那様も育休を取る必要がありますが、もし臨機応変に、少しでも長い期間育休を取りたい方は参考にしてみてください。
育休中のお金は?
もちろん育休中も基本的には、勤めている会社からのお給料は出ません。ですが育休中も生活はしていかなくてはいけない訳で、育休中も金銭面での心配はついて回ります。
そんな皆様の心配を解消してくれるのが、「育児休業給付金」です。こちらは雇用保険からの支給になります。育児休業給付金をもらうためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。
- 雇用保険に加入していること
- 育休を取る前の2年間に、11日間以上働いた月が12ヶ月以上あること
- 育休中の就業日数が10日間以下であること
- 育休中に、育休前の給料の8割以上が支給されていないこと
上記の条件全てに当てはまる方は、育児休業給付金を受給することができます。ただ、有期雇用労働者の方は育休取得のための条件と同じ追加の条件があります。
- 1年以上、同じ会社に勤めている
- お子様が1歳6ヶ月になるまでに契約が満了することが明らかになっていない
受給できる期間は、もちろん育休中になるので基本的には最長1年間です。もし育休の期間を延長していれば、その延長期間中も受給することができます。
そして皆様が1番気になるのは、一体どれぐらいの金額がもらえるのかだと思います。
ざっくり説明すると、
育休取得から半年間(6ヶ月間)=育休を取る前の月給の67%
育休取得から半年後(7ヶ月目以降)=育休を取る前の月給の50%
上記の金額がもらえます。出産手当金のときもそうでしたが、休みながらお金をもらえるのは非常にありがたいことですが確実に今までのもらっていたお給料よりは低くなってしまうので、育休中の資金繰りには気をつけたほうが良さそうですね。
子育てをしながら仕事も継続していきたい女性には

出産も無事に終わり、育休を取って子供が1歳になるまでは育児に専念してきましたが、それが終われば次はそのまま専業主婦になるのか、また社会復帰をするのか悩ましいところだと思います。
先述した通り、今現在の日本で専業主婦はなかなか厳しいことも多いのではないでしょうか。これからも夫婦の生活費はもちろんのこと、子供の養育費なども考えると共働きを続けていくのが現実的です。
しかし育休が終わっても、子供はまだまだ1歳やそこらで手が掛かる歳です。そんな子供のお世話もしながら、自分は仕事に戻って働くなんてことが可能なのでしょうか。
まだ浸透しきっているとは言い難いですが、そんな働きながら子育てもしていくママのためのサポートもあるのでご紹介していきたいと思います。
育児短時間勤務
こちらは読んで字のごとく、育児のために就業時間を短くできるものです。こちらも育休と同様、改正後の育児・介護休業法で定められた制度です。
こちらの制度を利用するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 1日の所定労働時間が6時間以下ではない
- 日々雇用される労働者ではない
- 短時間勤務制度が適用となる期間に育休を取得していない
- 労使協定による適用除外者ではない
「労使協定による適用除外者ではない」とは、
- 継続した雇用期間が1年未満
- 週の所定労働日数が2日以下
- 業務の性質、または実施体制に照らして制度の適用が困難な業務に就いている
上記の労働者の方は、事業主の方から育児短時間勤務の適用外とされてしまう可能性があります
こちらの条件を満たしていれば、原則子供が3歳になるまで育児短時間勤務として働くことができます。
法律上は「子供3歳に達するまで」となっていますが、会社側にも子供が3歳以降になっても従業員が働きやすいようにする努力義務があるので、会社によっては小学校に上がるまで育児時短勤務が適用となる場合もあります。
実際にどれぐらい時短になるかというと、1日6時間での勤務となります。なので9時〜18時までフルタイムで働いていた方は、少し遅めに10時に出社をして、16時には退社をすることができます。
この1時間遅く出社して、1時間早く退社できるのはとてもありがたいですよね。
子供の保育園の送り迎えや家事、自分の準備などでバタバタしてしまいがちな朝に余裕が持てて、早めに退社することによって子供を早めに保育園に迎えに行けば、自宅に帰ってからの育児や家事にも余裕ができます。
お給料については、それぞれの企業によって違いがでてきますが短くなった分の減給をされても問題はありません。逆に時短になってもフルタイムの人と同じ給料をもらっていると、不公平になってしまい別の問題が起きそうなので基本的には短くなった分に準じたお給料になると思っておきましょう。
リモートワーク
一般的な働き方では決められた時間に決められた場所で仕事をするかと思いますが、リモートワークとは場所や時間に縛られない働き方のことを言います。ですがここでは、主に在宅ワークとしてお伝えしていきます。
リモートワークは特に国から法律などで定められた制度ではありません。しかし国からは企業に対して推奨をしております。
理由としては、昔に比べてそれぞれの人たちや職種の働き方が多様化してきているからということや、企業にとっても出産や様々な理由で今まで通り働くのが難しくなってしまった優秀な人材を手放さずに済むことなどが挙げられます。
そんなリモートワークですが、どこの企業でも導入されているかというとそうでもありません。職種などによっては、現場にいかなければ仕事にならない場合もありますもんね。
しかし、意外と無理だと思っていても企業としても長期で休まれたり辞められたりするぐらいならリモートワークでも仕事を続けて欲しい、なんてこともあるので一度勤め先に相談してみることをお勧めします。
リモートワークをすることのメリットは、
- 自宅で仕事ができるので、子供の世話をしながら仕事を続けられる
- 育休などの長期休暇から、少しづつ慣れながら仕事への復帰を目指せる
などが挙げられるかと思います。ここで1番注目していただきたいのは、子供の世話をしながら仕事を続けられる、ということです。
もしあなたの仕事が育休を取得して完全に長期休業をするのが難しい場合、育休を取りながら最低限の仕事も続けていくことが可能です。
育児休業法では、育休取得中は80時間以上働いてはならない、と定められていますが逆にいうと月に80時間までは働くことができます。
なので育休を取って休業中の身だとしても、大事な会議にはテレビ電話などで参加したり、自分にしかできない書類の作成やチェック作業などを自宅ですることができます。
そうすると本人にとっても長期休業をすることによって大事な仕事を滞らせることも避けられ、企業にとっても完全に休まれるわけではないので助かりますよね。
しかも先ほどお伝えしたように、育休中は育児給付金という助成金を受給することができます。
なので育休中と言えども、リモートワーク+育児短時間勤務+育児休業という合わせ技を活用すれば金銭面でも仕事面でも、非常に有効的と言えるでしょう。
所定外労働の制限
所定外労働の制限とは、わかりやすく言うと残業を免除してもらえる制度です。
こちらは3歳未満の子供を養育する必要のある労働者であれば、申請をすることで誰でも取得することができます。しかし日々雇いの方、そして以下の条件に当てはまる労使協定を結んでいる方は、取得することができないので注意しましょう。
- 同じ雇用主に継続して1年間雇用されていない方
- 1週間の所定労働日数が2日以下の方
こちらを原則1ヶ月前までに申請すれば、子供が3歳になるまでであれば何回でも申請することが可能です。ただ1回につき1ヶ月以上1年未満までの期限が設けられているので注意しましょう。
こちらの申請をしておけば、

なんて状況を回避することができます。もちろん時間通りに仕事を済ませて、定時にちゃんと帰れるに越したことはありませんがいつもそうできるかと言うと、なかなか難しいですよね。
普段であれば、仕事が終わっていないのに帰るのは気が引けるかもしれませんが、この申請をしておけば何も後ろめたさを感じることはありません。
とは言え、残業をする必要がなくなるだけで仕事をしなくていい訳ではないので、いくら申請が通っていたとしても定時までに仕事を追えられるようには勤めたいですね。
子の看護休暇
こちらは、子供が怪我や病気になってしまった時、他にも通院や予防接種にいく時などに取得することができる制度です。
こちらの制度も、男女問わず、正社員に限らずアルバイトやパート、契約社員の方でも取得することができます。ただこちらも日々雇いの方、労使協定で以下の条件に当てはまる労使協定を結んでいる方は取得することができないので注意が必要です。
- 同じ雇用主に継続して1年間雇用されていない方
- 1週間の所定労働日数が2日以下の方
何歳までの子供に適用になるかと言うと、小学校に入学するまでの子供と定められています。しかしそれは最低ラインなので、企業によっては小学校に入学した子供も対象になる場合もあるので、詳しくはお勤め先に相談してみましょう。
期間は年間5日間まで、と定められています。こちらは1日単位でも、半日単位でも取得することは可能です。企業によっては1時間単位でも取得することができるところもあるそうです。
申請は他の制度と違い、口頭や電話でも可能です。また他の制度は基本的に事前に申請をする必要がありますが、企業側が申請手続き書類を義務付けている場合でも後日の提出が可能です。
この制度を知っていれば、何かと怪我や体調面に心配事の絶えない小さな子供に何かあったときにも慌てずに対応ができそうですね。
ただ、この休暇を有給とするのか無給とするのかは企業判断に委ねられているので、そこは予め調べておいた方がいいでしょう。もし無給扱いになるのであれば、年次有給を先に利用した方が良さそうですね。
まとめ

- 出産前から出産後までは「産前産後休暇」
- 産後休暇後は「育児休業」
- 子供の保育園の送迎などのために「育児短時間勤務」
- 会社に行かず、自宅で仕事をしながら育児ができる「リモートワーク」
- 決められた時間にちゃんと帰れる「所定外労働の制限」
- 子供に何かあったときにも安心「子の看護休暇」
ここまで働きながら子育てをする女性のための制度をご紹介してきましたが、それらの制度を利用するのかしないかは皆様次第です。(ただ、産後休暇だけは無条件で皆様働けなくなってしまいます。)
職種や仕事内容、職種によってはこういった制度を利用するのが難しかったり、そもそも子供ができても両親にサポートしてもらいながら仕事はバリバリ続けていく、なんて人もいるかもしれません。
しかし、こういった制度を知っていれば何かあったときに臨機応変に対応することができますよね。「備えあれば憂いなし」という言葉もありますし、こういった知識があっても損ではありません。
この記事が、子育てをしながらでも仕事も続けていきたい全国のママたちの手助けに少しでもなれば幸いです


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