「定年後は働かない」と決める年齢は、早いほうがずっといい

「『定年後も働き続けますか』と聞かれても、いまはまだピンとこない」

社会人になって間もない頃の私の率直な思いでした。いまの若い会社員の皆さんもおなじ思いではないですか。「意識していなくても、いずれ来るもの」。それが会社員の皆さんの「定年」だという気がします。

もちろん「定年」はいずれやって来ます。そして、その後どう生きるかは皆さん自身の判断に任されます。

働いてもいい、働かなくてもいい。そういう選択が可能な年齢になるのです。けれどもその年齢が、今後65歳になるのか、70歳になるのか、いまはまだ分かりません。

政府は「多くの人が働くことが、将来にわたる社会保障を維持することにつながる」と難しいことをいいますが、これは単に「公的年金の支給をさらに先に延ばしたい」ということに他なりません。

これに対して「定年後は働かない」と、意志を固めるのは早いほうがよさそうです。どういうことか。分かりやすくみていきたいと思います。

いまどきの定年って?

ご存知のように、「定年」とは会社と交わした雇用契約が切れる年齢です。現在(2019年)は多くの会社で60歳を定年と定めていますが、60歳でなければいけないというわけではありません。定年を何歳にするかは会社の判断で決めています。ただし「60歳未満は認めません」と、こちらは法で定められています。

「定年」を設けるかどうか、これも「会社で決めなさい」ということになっています。世の中には、社員の功績を定年でひと区切りにしておきたい会社と年齢にとらわれず社員の功績をみてみたい会社、ふたつの会社があるようです。会社の規模や業種が異なるように、雇用のかたちもひと揃えではないからです。

60歳を「定年」と決めている会社でも、続けて働くことを希望する方がいらっしゃいます。「公的年金」を満額で受け取るには65歳まで待たなければなりません。そのため60歳以降も延長して会社に留まりたいと希望する方々です。そういった方々に対して、会社でも勤務延長や再雇用の条件を提示します。

けれども、条件を聞いて会社を去る方がいらっしゃいます。分かってはいたけれど、会社が提示する定年後の処遇に驚いた。そういった事情のようです。

引き続き会社へ残る方は、それまでの肩書を会社へ戻します。定年前にはあったいくつかの手当てがなくなり、給料も定年前の待遇ではありません。格差を実感します。しかもその後、給料が増える見込みはありません。仮に契約社員、準社員ともなれば、さらなる減額も見込んでおかなければなりません。

 

定年を過ぎてから、なぜ働くの?

お金が足りないから

若い会社員の方にはまだ先の話になりますが、定年を間近に控えると、「定年後」の暮らしは目にみえてリアルになってくるようです。もちろん先を見越して、貯蓄が今いくらだとか、退職金はいくらになりそうだとか、不安材料が増えてくることもあるようです。あたり前ですが、暮らしにお金は必要です。無ければ働かなくてはなりません。そういった「定年後のお金の不足感」が定年後も会社に残る理由になるようです。

退職すると月々の給料は入りませんよね。ボーナスもありません。そう気づくと、かつては口にしたかもしれない「定年後は働かない」という思いがどこかへ飛んで行ってしまいます。「それどころじゃないよ」と、気持ちの切り替えのほうが加速してくるに違いないのです。

いまの制度では、会社員は「定年後」すぐに年金生活に入れず、5年間待たなければなりません。「年金生活」を夢見る会社員にとって、いまこの5年間の収支が課題だといわれています。

健康を維持したいから

心の健康は体の健康と一体ですよね。カゼのひき始めと治りかけには誰でもそのことを実感するかと思います。風邪をひかないことや無理をしないことは大切ですが、身体の機能を維持して健康でいることはもっと大切です。足腰が丈夫で、胃腸の調子がいい。心臓も元気。さらに五官も衰えていない。こんなあたり前なことが年齢を重ねると宝物になるようです。

イチロー選手をひき合いに出すまでもなく、プロスポーツ界では体力の衰えが選手の引退を促します。会社員もそうです。身体の不調を感じて勤務を続けることはおよそ不可能です。不調を招く前に中高年の方々がスポーツジムへ通い、土手を走り、公園を歩くのはそのためです。会社へ通っているから健康でいられるのか、健康だから会社へ通うのか。いずれにしても会社がスポーツジムのような存在になっている。会社勤めはそれこそ願ったり叶ったりなのです。

仕事が好きだから

会社が嫌いな人がいる反面で、会社が大好きな人がいます。会社で仕事をしている時間が楽しくて仕方がないのだとその人はいいます。そもそも人間関係が好きなので、社内で議論をしていても、また顧客から無理難題を吹きかけられても、苦い顔をしつつ楽しんでいます。そういった性格であれば、会社にはいい条件ばかりがそろっています。

さらに申し分のないことに、会社では毎月給料を振り込んでくれます。定年で収入が減ってもかまいません。会社へ行くことがストレスの発散になるからです。退職などしたら病気になってしまいます。高齢でいよいよ会社を去る時にはごく控えめな「不定愁訴」にもなりますが、いずれ地域の自治会役員などの適所をみつけて働く喜びに浸るでしょう。

社会と関わっていたいから

とにかく社会との関わりが好きなのです。「定年後」の給料などはあまり気にしません。手当も交通費が出れば「御の字」です。会社に勤めているかぎり、所得の申告や健康保険料の支払いなど、面倒を会社が代わってみてくれます。会社にはいろいろな専門職の方がいらっしゃいます。分からないことがあればその場で訊ねます。大抵のばあい、納得するまで教えてくれます。

社会に出ていると、違う世代の人と往来があります。また、直接他人と情報を共有することができます。会社帰りには評判の店へ立ち寄ります。どこへ行くにも、着替えをしてわざわざ出かける必要がありません。いつも、ついでに足を向けるのです。会社帰りは楽しく過ごすのが好きな人たちと時間を自由にやり繰りしています。

 

定年後に働かないとどうなるの?

お金が入ってこない

会社員の魅力は何といっても毎月の収入が約束されていることです。「定年後」にはそれが無くなります。この違いを認識しておかないと、のちのち後悔が募り、苦労を負うことになってしまいます。

定年後に仕事をしないと決めた人なら、まずはそのための資産計画が必要です。「年金定期便」を開いてみた収入だけに限定してみてください。するとその生活ぶりが見えてきます。それで満足か、将来の自分に問いかけてみてください。

一方で、貯蓄や個人年金、不動産投資など、一定の不労所得がある方は、収入を年金だけに頼る場合と違ってゆとりが生まれます。それでもやはり生活に支障が出ないかどうか、日頃から金融商品の動向と比較検討が求められています。

自由な時間が生まれる

資金面以外の暮らしぶりを考えておくことも大切です。今、あなたは朝何時に起きていますか。今はまだ会社へ通っているから毎朝決まった時間に起きていますよね。

では、日曜日はどうでしょう。ついついルーズになってしまいますよね。「日曜日くらい」と一日中家でゴロゴロする日もあるでしょう。今はかまいません。けれども退職後は毎日が日曜日です。

私には趣味がある。それは素晴らしいことです。でも、お金のかかる趣味の場合には、あらかじめ資金計画が必要です。一方ではお金のかからない趣味がありますので、いくつかの趣味を日頃身近に置いておくと、定年後の暮らしがより充実してくるのではないでしょうか。

家族との関わりが増えてくる

会社員を辞めるということは、家庭の一員に戻るということです。今まで昼間家を留守にしていた人が一日中家の中にいる生活を想像してみてください。慣れない環境の変化に家族ともども戸惑うに違いありません。家族はすでに家庭でのスケジュールを持っています。無理に割り込んで邪魔することがあってはなりません。

まずは進んで家族との触れ合いを持ち、意識して自分の居場所を求めていくことです。家族間でストレスを抱え込んでしまっては長い定年後の暮らしそのものが悲観材料になってしまいます。家族と笑顔で触れ合えば、しぜんと豊かな暮らしぶりが訪れてくるはずです。

家族と何かひとつでも趣味を共有できるなら、「定年」はさらに意味のあるものになってきます。ひとつ屋根の下で家族と思いをともにし、ひとつのものを作り上げていく。これが家庭です。家族との触れ合いが増えたおかげで、「ああ、会社を辞めてよかったなぁ」と思え、定年後のこれからがひとしお味わい深いものになってくるはずです。

 

おわりに

「いまはまだ早い」。でも早くから考えておくと楽しい結果がでる。それが会社員にとっての「定年」です。

会社員に「定年」はかならず訪れます。年を重ねたあなたにではなく、今のあなたの延長に訪れる出来事だと考えてみてください。

社会的には、「定年」から自由の身です。変ないい方ですね。でも働くも働かないも、もう強制されることはありません。あなたの思いひとつで道が敷かれます。

そこまでは、長くて待てませんか?自由を謳歌できるのが定年過ぎだなんて。

でも「毎日楽しそうでいいですね」と声がします。「そうですね」と、あなたの声がします。「定年後は働かない」と早くから決めておいてよかった。そう思う日がいずれ来ます。

思いつくままランダムに記載しましたが、これからまだ先に控えるあなたの「定年」に何か一助となれば幸いです。

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