「アパレルスタッフ」と聞くと、その職業にはなやかなイメージを持つ方がいらっしゃるのではないでしょうか。ショップのマネキンとしてそのブランドの商品を着こなす姿にあこがれる方もいらっしゃることでしょう。
夢のアパレル企業への就職によって、人生が激変した女性がいらっしゃいます。今回は、そんな上野蘭子さん(仮名)にアパレル企業への就職から退職まで、そして現在の仕事についてお話をお聞きしたいと思います。
こんな方におすすめ
- アパレル企業に就職したいと思っている人
- 転職しようと考えている人
- 自身の人生設計におけるヒントを見つけたい人
Contents
年齢と性別を教えてください。
31歳、女性です。
どんな業界で働いておられたんですか。また職種についてもお聞かせください。

アパレル業界です。販売員として現場で働いていました。
なぜその会社に入社されたんですか。
アパレルの販売員になりたかったんです。その企業は地元でも1番有名だったのでここなら間違いないかな、と思いました。雇用や福利厚生面などはまったく考えずに申し込みました。
一生勤めるかも知れない会社を選ぶには、あまりに安易な考え方ですよね。
給与とは別に従業員に提供される報酬やサービスのことです。企業は労働力を確保して定着率を上げることを目指し、従業員はこの制度により安心して生活を送ることができるようになります。
福利厚生の制度は2種類に分けられます。
- 法律で実施するよう義務づけられている法定福利厚生(年金保険や医療保険といった社会保険など)
- 各企業が自由に実施できる法定外福利厚生(住宅手当や通勤手当、育児支援など)
その会社に入社してよかったと思うのはどんなことですか。

そうですね。地元の企業でしたからすぐにキャリアアップができたことです。大きい会社ではないのですぐに高い評価を得ることができ、大手の企業ではできないことをすぐに経験させてもらえたのはよかったです。

逆に入社してからどんな不満を持ちましたか。
地元の中小企業でしたから、人事評価などがすべて社長の個人的な感情に左右されていたことです。言い方はよくないかも知れませんが、だれでも社長に気に入られれば昇格できる、といったところでしょうか。
社長の評価において個人の能力があまり重視されていなかったんですよね。大手の企業であれば昇給や昇格の基準がはっきりしていると思うんですけど、そういう基準があいまいでした。
しかも、女性がメインの会社だったにも関わらず組織のトップは男性でした。女性が終身雇用を望める会社ではなかったです。
それに有名な企業でしたけど、あまり経営に余裕がなかったんですね。最初は健康保険や年金も自分で支払っていました。

えっ?健康保険や年金を自分で支払っていたんですか?結構な出費で大変だったと思います。
私は経験したことはほとんど無いですが、中小企業ではあることなんでしょうかね。
確かに多くの大手企業では人事評価における基準が設定されていて、ひとりひとりの能力に応じて公平に評価される仕組みをつくっていますよね。
社会保険が完備されていないというのもまれに聞く話ですね。
- 企業としてどのように人材育成に向き合っているか
- どのような福利厚生制度を導入しているか
入社を後悔したのはどんなときですか。
当初はとんとん拍子にキャリアアップできたので、周囲の同世代の人たちよりもよい環境にいると思っていました。
でも勤続年数が長くなるにつれて普通の企業で働いている友だちの方がボーナスも加わって年収が逆転していき、自分の環境についてかん違いしていることに気がついたんです。
有給や育休面などを比較したときに、とても損した気分になりましたね。最初のキャリアアップが給与と比例してそのまま右肩上がりだったら文句もないですけど、どんどん友だちに追い抜かされていくのがわかってあせりを感じるようになっていきました。

退職するまでに「これをやっていればよかった」と後悔していることはありますか。
少ないお給料でしたけど、やっぱり貯金でしょうか。アパレルの販売員はそのブランドの洋服を着ていますよね。仕事で必要な出費とはいえ毎月のお給料を圧迫していましたから、とても貯金どころではありませんでした。
あとはパソコン教室やコミュニケーション教室に通うべきだったと思います。管理職にいたのでそれなりに仕事ができる人間だと思っていましたが、大手の企業の管理職の人たちに比べたら名乗れるほどの管理スキルを持っていません。名ばかりの管理職で、本当に世間知らずでした。
- 収入が不安定になる前に貯金をする
- 自身のスキルを磨く
貯金のコツについてはこちらを参考にしてみてくださいね。
資格の取得を考えている方はこちらをご覧ください。
その会社を退職した最大の理由はなんですか。
私は管理職として、社長に対して女性の雇用体制の変革を求めていました。産休、育休後に復帰しやすいパートタイムの雇用体制を整え、結婚後も仕事を続けられるような会社というイメージをつくってほしいと伝えていました。
実際は、男性である社長にはそういったことに興味も関心もありませんでした。トレンドを売りにしているアパレル企業にもかかわらず雇用面のトレンドである「働き方改革」にはまったく熱意がなかったんですよね。
今でもあのときのくやしい気持ちを覚えています。結果、管理職また女性のトップに自分自身がいることが部下の未来をつぶすことになるのではないかと考え、退職を決意しました。
2019年4月1日より施行された「働き方改革関連法」で、以下のことをすべての企業に求めるものです。政府が実現に向けて数年前から取り組んできました。
- 長時間労働を規制して労働時間を適正にする
- 従業員が正規雇用、非正規雇用であるかに関係なく評価され扱われる
- ひとりひとりが自身のライフスタイルに合わせて働き方を選択できる
現在はどのような仕事をされているんですか。

退職後は独立し、現在は自身で立ち上げたウエディングの関連事業をしています。

再就職は考えられなかったんでしょうか。

そうですね。会社をやめたら起業するつもりでした。

現在の仕事を始めた理由をお聞かせください。

背景には管理職のときの後悔みたいなものがあったと思います。今、女性をサポートできる仕事ってなんだろうと考えたんですよね。
周りの友だちが経済的な理由で結婚式をあきらめたり結婚式の内容を妥協したりしている姿を多く目にしていたので、人生でもしかしたら1度きりかも知れないことをあきらめないでほしいな、と思って自分でできるウエディングの仕事を始めました。
「あきらめない結婚式」をテーマに活動しています。

仕事選びの基準も、転職の動機も人それぞれですよね。上野さんの経験から、ご自身の人生設計のヒントを見つけていただけたらうれしく思います。
上野さん、ご協力ありがとうございました。


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