会社や職場でよく実施されるアンケート。
ある程度の人数の所で働いている方なら一度は調査を求められたことがあると思います。ですがそもそもこうしたアンケートは何のために取るのでしょうか。
それは、みんなにとって働きやすい環境を作ることです。それができれば、従業員のモチベーションも上がり、ゆくゆくは企業の業績がアップすることにもつながります。
たかがアンケート、されどアンケートなのです。効果的なアンケートが取れれば結果が大きく変わります。
アンケートの目的は、つまり
・業務の改善 ・福利厚生の充実 ・人事制度の見直し
を達成するということ。
であれば、ぜひとも効果的なアンケート方法を知っておきたいものです。せっかく手間ひまかけてアンケートを取っているのに、結局何も変わらなかったら残念ですものね。
「とりあえず提出すればいいや」という人であれば、全ての項目の"普通"にマルをつけるだけか、白紙でだって提出してしまうかもしれません。
そんな回答ばかり集まっても、何をどうしたら改善するのか、手のつけようがありません。どうにもならない、また今年も「現状維持」に留まってしまうのでしょうか。


・従業員の生の声を聞き、現状を把握する。
・できるだけ多くの回答を集める。
ぜひとも生の声を聞きたい!でもどれだけの人が正直に答えてくれるのでしょうか。「これ私が書いたって上司にバレたらどう思われるか…」なんて心配していたら、絶対本音は書いてくれませんよね。
でも本音を引き出せなければ、従業員の満足度はアップしません。不満があれば、仕事ぶりにも影響します。
ではまずはこの2つを達成すべく、効果的なアンケート方法を見ていきましょう。
Contents
紙? or Web?
まず、アンケートを取るのに何を使いましょうか。紙ですか?Webですか? それぞれの違いを比較してみましょう。
紙を使う場合
紙のアンケートは直接手渡し、回収するものです。WordまたはExcelで作成します。集まった回答を1件1件チェックし、Excel等に数字やテキストを入力しなければなりません。全てが手作業です。
現時点で何件回収できているかも、その都度アナログでチェックする必要があります。
残念ながら白紙で提出されてしまうこともあります。直接受け取り、その人がちゃんと答えているかのチェックを目の前ですることはできませんから仕方がありません。

Webを使う場合

ではWeb形式のアンケートはどうでしょうか。
・集計が楽。回答結果がアンケートツールに自動でたまっていくので、煩わしい集計作業がなくなります。
・途中経過の確認が楽。回答の傾向をリアルタイムに確認できるので、「今どのくらい回収できているか」「現時点でどんな傾向があるか」を即座に知ることができます。
・回答形式や回答の流れが直感的に分かる。例えば、『 Q1で「はい」と答えた人のみQ2に進む 』や、『Q1は単一回答、Q2は複数回答』などをシステム側で制御するので、間違えずに回答できます。
また、状況に応じてグレーアウトして入力できないようにしたり、不必要な部分を非表示にすることもできます。このようにして回答者をスムーズに誘導できるのです。
・回答もれ、白紙回答を減らせる。紙のアンケート用紙では答えにくい質問をとばしたり、筆記する部分には何も書かずに提出してしまう可能性がありますが、Webなら回答必須の設定ができるので、必要な回答を確実に集めることができます。

記名?無記名?
無記名の方が特定されにくい分、正直に答えてもらいやすいメリットがあります。
しかし、何か気になる意見が書かれていた場合、どの部門の誰が回答したものかが分からないと、事実確認をしたり、改善案を提示するのが難しくなります。
その場合無記名でも部門・勤続年数・年齢・性別を記入してもらうようにすれば、ある程度個人を特定でき、直接話を聞いたりして、さらに情報を得ることができるでしょう。
しかし、個人を特定する場合には、その人がどんな回答をしたのかが他の人には知られないよう十分気をつけてください。それが職場での孤立やいじめに決して繋がらないよう注意しましょう。

質問を決める:具体例と例文付き

では質問を準備します。難しい言いまわしや専門用語が出てくると、答えにくいものです。まずは全ての人が答えやすいよう、分かりやすい言い方を意識しましょう。
また次のような構成にすると、より答えやすくなります。
選択式 8~9割
自由記入式 1~2割
良い・普通・悪いという3段階評価、あるいは1~5の数字で表す5段階評価で答えられる質問を8割以上にすると答えやすいんですね。
確かに記入式だとあれこれ考えるので時間がかかってしまいます。時間が取られると思うと、後回しにしたくなりますよね。
具体的にする
では答えやすい選択式で、しかもより本音が分かる質問を見てみましょう。
例えば、従業員の満足度チェックに使われる質問です。二通りの質問の違いに注目してください。1~5の5段階評価にします。1は低い、5は高いです。
①社内の人間関係は良好だと思いますか。
②あなたは職場での孤立感をどれだけ感じていますか。
違いにお気づきでしょうか。①はよくある質問です。でもちょっと漠然としていて、「まあまあかな」という答えが返ってきそうですね。ほとんどの場合、評価3に〇がつくでしょう。
②はどうでしょうか。「結構感じてるかも」と、もっと明確に、その人の感情が浮き彫りになってきますね。職場環境の実態がより明らかになりそうです。
もう一つの例を見てみましょう。
①評価制度に納得感がありますか。
②周囲の人間が自分に対して目をかけていると感じることがありますか。
この違いも興味深いですね。①はやはりよくある質問であり、あいまいで「まあまあ」という答えが返ってきそうです。これも恐らく評価3を選ぶ人が多いでしょう。
しかし②はどうでしょう。これはかなり明確にその人の感情を引き出せます。これは特に上司が部下をどう扱っているかを知る手掛かりになりますね。部下の働きを評価しているか、人事にも影響しそうです。
このように、より具体的にすることで本音を引き出すことができます。そうすれば、回答結果と回答者の実際の感情とのギャップが少なくなり、本当の改善点が見えてくるのです。
中立的にする
さらに、質問自体が回答を誘導してしまわないよう、できるだけ中立的にする必要があります。例えば次のような例があります。
質問A 予想を上回る経費がかかっているため、無料コーヒーマシーンの稼働を来月で終了したいと思います。この案に賛成ですか?(1.賛成/2.反対)
質問B 当社の福利厚生の一環である無料コーヒーマシーンは、先月も多くの社員の皆さまにご利用いただき、合計ドリップ数は1,462杯でした!今後もこの取り組みを続けるべきだと思いますか?(1.続けるべき/2.続ける必要はない)
いかがでしょうか。質問Aでは「経費のことを優先に考えるべき」、質問Bでは「社員の満足度を優先に考えるべき」という、作成者側の意図が垣間見えていることがおわかりいただけるかと思います。この質問をできるだけ中立的な文章にするとしたら、たとえば以下のような修正案が考えられます。
当社では、福利厚生の一環として無料コーヒーマシーンを設置しています。先月は、合計ドリップ数が1,462杯になるなど多くの皆さまにご利用いただきましたが、当初の予想よりも経費が多くかかっています。経費削減のためにこの取り組みを中止すべきか、それとも福利厚生の充実のために継続すべきか、あなたのご意見をお聞かせください。(1.中止すべき/2.継続すべき/3.その他のアイデア)
「3.その他のアイデア」を選んだ方は、具体的なアイデアをご記入ください。
引用:WEBCAS
この例のように、答えを誘導するのではなく、自分で考えて決められる尋ね方は中立的でいいですね。
YesかNoかだけでなく、他の意見も求めているので、もしかしたら意外な良いアイデアが提案されるかもしれません。これこそ、アンケートを取る時に、最も欲しい回答ですよね。
どんなフォームにしたら良いかは以下の例をご覧下さい。
引用:desknets NEO
これらを参考にしつつ、より具体的な質問で本音を引き出していきましょう。
情報漏えい対策
特に記名式アンケートの場合、個人情報が漏えいしないよう注意が必要です。給与や待遇などのデリケートな質問があるかもしれません。
また、「部下に集計を頼みたいが、閲覧権限は与えたくない」という時には、個人情報の閲覧を制限できる機能を使うようにしましょう。
引用:WEBCAS
アンケートフォーム作成システム:WEBCAS formulator
このあたりもしっかりチェックしておきましょう。
アンケートの告知

アンケートを行うときは前もって告知が必要です。いつ、どのように、何のために行うのかを事前に知らせましょう。
アンケートの概要とフォームへのURLをメールで知らせる
このメールで、上記の点を知らせます。しかし、他の業務のメールに埋もれてしまったり、迷惑メールに入ってしまう可能性もあるので、朝礼などで従業員が集まるときに、口頭でも知らせてもらいましょう。
アンケートの目的、回収したらどう使うか、どの様に結果を伝え、改善案を提示するか等を明確に伝えておくことで、協力してくれる人が増え、回収率も高くなります。
締切日も必ず入れておきましょう。また、回答に何分くらいかかるかを示しておくのもキーポイントです。「そのくらいで終わるのなら、今やっちゃおう」と早めに手をつけてもらえるからです。
以下がその例です。
皆さんお疲れ様です。〇〇部の田中です。社内アンケートにご協力をお願い致します。
※回答締切は5/30(木)です。
※回答にかかる時間は5分程度です。
以下URLにアクセスしてご回答ください。
https://……

リマインドメールの配信
リマインドメールとは、思い出してもらうためのメールです。みんな忙しい業務をこなしているのですから、優先順位が低ければ忘れてしまいますよね。
そこで、締切一週間前と前日に「回答期限が近づいてきました」とお知らせして、思い出してもらいましょう。「現在の回答率は70%です。まだ20人の方に回答頂いていません」など、具体的な数字を入れながら、提出を促しましょう。
まとめ

ここでポイントをまとめておきましょう。
・アンケートの目的は働きやすい環境づくりを実現すること
・アンケート方法は紙よりウェブが簡単!
・本音を引き出す質問は「分かりやすい言葉で」「より具体的に」「誘導ではなく中立的」
・告知は計画的に、念入りに
たてまえではない従業員の本音を引き出せたら、そしてそれを改善のために本当に活用したら、あなたの会社は変わります。みんなのアイデアで快適な職場を目指しましょう。


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