何らかの事情で失業してしまった場合、真っ先に行うべきなのが失業保険の給付手続き。失業保険を受け取っていれば、万が一就職活動が長引いて収入がない状態がつづいてしまっても、無一文になることはまずありません。
失業保険を受け取れる期間は、失業前に勤めていた会社での勤続年数や失業時の年齢などによってまちまちです。しかし、失業保険の受給が決定すれば、最低でも90日間は失業手当を受け取ることができます。
つまり、90日間は働かなくてもお金が入ってくるということ。
「せっかくだし最初の30日くらいは就職活動もせずにのんびりしようかな~」と思ったそこのあなた。

たしかに、せっかく「働かなくてもお金がもらえる期間」が90日間もあるのなら、しばらくは就職活動もせずにのんびりしたい……という気持ちになるのは当然かもしれません。
しかし、失業保険には「早く転職先を見つけた人が得をする」制度があるのです。

Contents
そもそも失業保険とは
そんなお得な制度の説明をする前に、まずは「そもそも失業保険とは何なのか?」をざっと復習しておきましょう。
生活資金を稼ぐ必要があるからと、失業後にアルバイトに明け暮れてしまっては就職活動に集中できませんよね。
失業保険とは、いわば仕事をなくしてしまった人に就職活動に集中してもらうための「応援金給付制度」なのです。
お祝い金ってなに?
失業手当を受給しながら就職活動をして、見事就職を果たした人には「お祝い金」が給付されることがあります。
会社都合でお祝い金を受け取れる条件とは?
お祝い金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 失業保険の受給手続き後、7日間の待機期間を満了している
- 失業保険の給付期間が1/3以上残っている
- 就職先が退職前に勤めていた会社ではない
- 待機期間満了後1ヶ月以内に就職した場合、ハローワークor厚労省認定の職業紹介所を経由している
- 確実に1年以上勤務できる
- 雇用保険に入っている
- 過去3年以内にお祝い金をもらっていない
- 失業保険の受給が認められる以前から内定をもらっていない
なんだかいろいろと条件があってわかりづらいですよね。ひとつひとつ確認していきましょう。
①失業保険の受給手続き後、7日間の待機期間を満了している
失業保険の受給手続きを行ってから、7日間は失業保険を受け取ることができません。この7日間のことを「待機期間」と呼びます。
お祝い金をもらえるのは「失業保険を受給しながら就職活動を成功させた人」のみになりますから、待機期間中に「再就職できたからお祝い金ください!」と言っても、「いやいや、あなたまだ失業保険を受給してないですよね」と却下されてしまうわけですね。
②失業保険の給付期間が1/3以上残っている
「てことは、やっぱりのんびり就職活動した方がいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
お祝い金をもらえるのは、「失業保険の給付期間が1/3以上残っている人」に限定されているからです。
また、給付期間が2/3以上残っている人はさらに多くお祝い金を受け取ることができます。少しでも早く就職先を決めた方がお得ですよね。
③就職先が退職前に勤めていた会社ではない
再就職先が失業前に勤めていたのと同じ会社だと、お祝い金をもらうことができません。

④待機期間満了後1ヶ月以内に就職した場合、ハローワークor厚労省認定の職業紹介所を経由している
こちらが少しややこしいところ。きちんと待機期間を満了して見事1ヶ月以内に再就職を果たしたとしても、ハローワークや職業紹介所以外のもの(転職サイトやエージェントなど)を経由して就職した場合は、お祝い金がもらえないんですね。
しかし、待機期間を満了して1ヶ月以上経過していれば、何を経由して再就職先を見つけたとしてもお祝い金を受け取ることができます。
⑤確実に1年以上勤務できる
再就職先で1年以上勤務できるかどうか、というのもお祝い金を受け取るのに重要な条件となっています。

⑥雇用保険に入っている
再就職先で雇用保険に加入することも、お祝い金を受け取るのに必要な条件となっています。
正社員採用であれば基本的に雇用保険には加入するので、このあたりはあまり心配する必要はありません。
⑦過去3年以内にお祝い金をもらっていない
以上の条件を満たしていても、過去3年以内にお祝い金を受け取っていることが判明すると、お祝い金をもらうことはできません。

⑧失業保険の受給が認められる以前から内定をもらっていない
失業保険の受給前から内定をもらっていて、待機期間を満了したとたんに「再就職決まりました!」と申し出てもお祝い金をもらうことはできません。

お祝い金を受け取る方法
では、見事以上の条件を満たした人は、どこでどのようにお祝い金を受け取ればいいのでしょうか。
お祝い金の受給手続きはハローワークで行います。転職先から「採用証明書」をもらい、ハローワークに提出すると、「再就職手当支給申請書」または「常用就職支度手当支給申請書」を受け取ることができます。
受け取った書類を転職先に提出し、証明を受けたものを「雇用保険受給資格証」と一緒にふたたびハローワークに提出すれば、お祝い金の受給手続きは完了となります。
お祝い金はどれくらいもらえるの?
受け取れるお祝い金の額は、「失業保険の支給残日数×基本手当日額×給付率」で計算することができます。
失業保険の支給残日数と基本手当日額は、失業保険の受給説明会で受け取る「雇用保険受給資格者証」で確認することができます。

(引用:ハローワーク利用案内)
給付率は、失業保険の給付期間を2/3以上残して再就職をした場合は70%、1/3以上残して再就職をした場合は60%となります。

ネット上では、「再就職が決まってお祝い金がもらえた!」という喜びの声もあがっています。
お給料と失業保険のお祝い金が入ったぜいええぇい!!お金無かったから助かった…
— ゆうひ@キャンパス教 (@Yu_hi_0813) December 28, 2012
とりあえず通帳にあれして分かったけど失業保険のお祝い金とやらで80万ほど入ってた。ブーストアップとマフラー交換とセミバケと車高調とホイール替えます。
— kiro (@migitamanashi) February 11, 2017
会社都合退職ならお祝い金をもらいやすい?
また、退職の理由が会社都合退職であった場合、自己都合退職よりも簡単にお祝い金の受給条件を満たすことができます。
- 自己都合退職…引っ越し、結婚、妊娠・出産、家庭の都合などから、労働者が自分の意思で退職を申し出ること
- 会社都合退職…会社の経営不振や倒産、リストラなど、会社側の都合でやむをえず退職すること
お祝い金の受給条件の中に「待機期間満了後1ヶ月以内に就職した場合、ハローワークor厚労省認定の職業紹介所を経由している」というものがありましたが、会社都合退職であれば例外です。
待機期間を満了して1ヶ月以内にハローワークや職業紹介所以外のものを経由して就職先を見つけても、会社都合退職であればお祝い金をうけとることができます。
また、会社都合退職の方が自己都合退職よりも失業保険の受給期間が長くなるので、単純に「給付期間が1/3以上残っている」という条件を満たしやすくなります。
まとめ
- 失業保険を受け取りながら再就職を決めた場合、お祝い金をもらえる場合がある
- お祝い金を受け取るためには8つの条件を満たす必要がある
- 早く再就職を決めれば受け取れるお祝い金の金額もUP!
- 会社都合退職なら、よりお祝い金を簡単に&多く受け取れる
今回は、失業保険のお祝い金を受け取る条件や、自己都合退職と会社都合退職のお祝い金制度のちがいについてをまとめました。
「再就職は早い方がお得!」と何度もお伝えしましたが、焦って就職活動を進めるあまり自分の希望とはちがう会社に就職を決めてしまったり、プレッシャーで心身を壊してしまっては本末転倒です。
「お祝い金をもらえたらラッキー!」くらいの気持ちで、肩ひじ張らずに就職活動を進めてくださいね。


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