先日、何気なくネットのニュースを読み漁っていたらこんな記事を見つけました。
朝日新聞DIGITAL「パワハラ防止策、企業に義務化 法改正案を閣議決定」
記事の内容をいい加減な性格の私が超ザックリまとめると、
- 企業のパワハラ防止対策が義務化されるかも
- 早ければ2020年4月から実施されるかも
- 中身はまだ決まってないけど、企業は相談窓口を作ったり、社内の調査体制を整備したりしないといけなくなる可能性が
- 言うこと聞かない企業は企業名が公表されることもあるから注意してね
と、こんな感じです。ざっくりすぎてすいません。
詳しく知りたい人はリンクを踏んでもらうとして、国もようやくパワハラ対策に本腰を入れ始めたって感じがしますね。
なんでこの記事を取り上げたかっていうと、これには私も思うところがありましてね。
じつは昔、パワハラを受けたことがあって相当悔しい思いをしたんですよ。
あの時は本当に地獄の日々でした。
仕事に行くのが嫌で嫌で、職場での私は死んだ魚のような目をしていたと思います。
毎日のように胃がキリキリ痛むわ、心臓が締め付けられるような嫌な緊張感で冷や汗が噴き出るわ、毎朝吐き気がするわで散々でした。
それで、様々な紆余曲折を経て、労働局っていう国の機関に相談したんですが、これが功を奏しましてね。
労働局のアドバイスのおかげでパワハラから逃れられた経験があるんです。
もしあのままパワハラが続いていたら、私はきっと精神を病んでいたでしょう。
そしたら、仕事も続けられなくなって、こうして普通の暮らしを送っていることもなかったかもしれません。
ニュースを見て、そんな苦い過去を思い出したついでに、あの時私がどうやってパワハラから逃れることができたのかを、みなさんにご紹介したいと思います。
もし、今もパワハラで悩んでいる人がいたら、私の体験が役に立つかもしれません。
パワハラはじっと耐え忍んでいても解決しません。
自分からアクションを起こすことで事態が大きく動き出し、運命が変わることだってあるのです。
それでは、私がパワハラに遭った体験と、それをどうやって乗り越えたかのお話をどうぞ。
Contents
パワハラを受けた体験談

今から3年ほど前の春、私は食品加工工場の仕事を始めました。契約社員でした。
いわゆる単純労働ってやつで、事務仕事もそれなりにあるのですが、メインは工場で食材を加工したり出来上った商品をパッキングしたり、パートやアルバイトの人でもできる簡単なお仕事でした。
仕事自体はぶっちゃけ楽で、給料が安くても我慢ができるレベルでした。
その時は楽な仕事で安定した収入があれば良いと思っていたので待遇に不満はありませんでした。
が、その職場ではどうしても我慢のならないことがありました。
それが、記事の冒頭でもお伝えしましたが、パワハラを受けていたことです。
加害者は工場の現場責任者で、私の上司にあたる人物です。
年齢は40代後半~50代くらい、いつもタバコのニオイをまとわせた、見た目はどこにでもいる冴えないおじさんって感じの人でした。この上司がクセモノで、職場内で誰か一人にターゲットロックオンして、ネチネチいじめるのが好きな性格の悪い人でした。
自分で言うのも恥ずかしいのですが、穏やかで気が弱そうな私が彼に目をつけられるのはごく自然な成り行きでした。
というのも、その上司は自分より弱い者や言い返せない者には滅法強気なタイプだったからです。
私に対しての上司の態度は、まるで私の主人にでもなったかのようでした。
私を呼ぶときは名前ではなく「オイ!」「お前」。
入社したばかりでわからないことも多いため、上司に何かを質問したら「ハァ?そんなことも分からないのか~?」「自分で考えろアホ!」
昼休憩にはいつも私にパンや弁当を買いに行かせる(しかもお金を払わないことも)
なかでも私が一番嫌だったのが、四六時中私のことを監視してくることでした。
私のやることなすこと全部監視、一挙手一投足の細かいところまでしつこく観察してきます。
そして、ほんの些細なものでもミスが見つかろうものなら、鬼の首を取ったように得意になって私を責め立てたのです。工場仕事なので手を止めて説教を食らうことはほとんどなかったですが、ネチネチネチネチ、短い時でも30分、長い時には一日中小言を言われ続けました。
そんな日が何日も何日も続くと、普段なら「ハイハイ、勝手に言っててくださいね~」と心の中で流せることでも、まるでボディブローのようにじわじわと心にダメージが蓄積されていきます。
じっと目立たぬように耐えていればいつかは嵐も過ぎ去る。
最初はそんな風に考えていた私も、とうとう我慢の限界が近づいてきてしまいました。
こうして、私は重い腰を上げパワハラを相談するため動き始めたのです。
パワハラの相談はどうすれば?必死に調べました。
当時の私は、何日も続く執拗なイジメにとうとう耐え切れず、現状をどうにかしたい一心で、パワハラを相談できる窓口を必死に調べました。労働に関するトラブルは労基署でしょ!くらいにしか思っていませんでしたが、調べてみるとそれ以外にも窓口ってあるんですよね。
ここでは、私が調べて分かったパワハラの相談窓口をまとめました。
窓口のある機関によって取り扱う相談やできることも違ってくるので、自分に合った窓口を利用することがスムーズな問題解決のポイントになります。
労働基準監督署はパワハラ相談を受け付けてくれる?
仕事関係でトラブルが起こったらまず最初に頭に浮かぶのが、労働基準監督署ではないでしょうか。
調べて初めてわかったのですが、労働基準監督署ってパワハラの相談は受け付けてないみたいなんですよね。
これ、当時はすごく驚きました。
というのも、労働基準監督署は企業が労働基準法をきちんと守るように監督する機関のため、労働基準法に定められている労働条件や安全衛生、労災保険以外については基本的にノータッチなんですって。
そのため、労働基準監督署に相談できる内容というのは明確な労働違反が認められるケース、例えば、賃金の未払いや違法な長時間労働、有給休暇を取らせてもらえない、不当解雇などです。
パワハラやセクハラは労働基準法に定められていないため、労働基準監督署の管轄外になるんです。なんとなく「労働基準監督署=労働者の味方」みたいな印象があったので、パワハラが相談できないと知ってショックを受けたのを覚えています。
労基がパワハラを受け付けてくれないとなれば、いったいどこの誰に相談したら良いのでしょう。
途方に暮れていた時、ヤフー知恵袋で親切な人に「労働局ならパワハラの相談を受けてくれるよ」と聞きました。
パワハラが相談できるのは労働局(の総合労働相談コーナー)
労働局
「労働局?労働基準監督署と何が違うんだよ?同じだろ?」という声が聞こえてきそうなので、説明しておきますね。
労働局とは、各都道府県に置かれる厚生労働省の出先機関で、その役割は企業と労働者の間に入り、
様々なトラブルを解決することです。
企業が労働基準法を守れているかを監督する労働基準監督署は、この労働局の下部機関です。
つまり、労働局は労働基準監督署の上位機関ということなんです。
だから、労働基準法違反に関する相談しか乗れない労働基準監督署と違って、労働局は労働に関する相談ならほとんどなんでも乗ってもらえると考えて間違いないと思います。
労働局の仕事は企業と労働者の間に入り、様々なトラブルを解決すること。
そのため、労働局では労働基準監督署の専門外であるパワハラについての相談にも乗ってもらうことができるんです。
総合労働相談コーナーとは
googleを使って「パワハラ 相談」と検索すると、労働基準監督署や労働局と同かそれ以上に目につくのが総合労働相談コーナーです。私も調べた当初は似たような言葉がズラッと並んでいてかなり混乱したのを覚えています。
厚生労働省によると、
総合労働相談コーナーでは・・・
解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどのあらゆる分野の労働問題を対象としています。
と書かれてあり、総合労働相談コーナーでもパワハラの相談ができることがわかります。
ですが、同じくパワハラを相談できる労働局と総合労働相談コーナーは別の機関ではありません。
少しややこしいのですが、労働局や労働基準監督署と違って、総合労働相談コーナーはあくまでコーナーのことです。
つまりは、相談窓口。労働に関することで困ったことがあればなんでも話を聞くよ!という便利な相談窓口が総合労働相談コーナーなのです。
総合労働相談コーナーは全国の労働局や労働基準監督署の中に設置されていることが多く、事実上、労働局や労働基準監督署での相談窓口みたいな役割を果たしています。
先ほど、労働基準監督署ではパワハラの相談を聞いてもらえないと書きましたが、もし労働基準監督署内に総合労働相談コーナーがあれば、パワハラでもセクハラでも労働に関する相談はなんでも乗ってもらえます。
近くに労働基準監督署しかないけどパワハラの相談がしたい、という人は、中に総合労働相談コーナーがあるか確認してみることをおススメします。
で、私が実際に利用したのも労働局内にある総合労働相談コーナーでした。
相談したことが会社にバレないか心配
当時の私も心配していました。
度重なるパワハラで神経が過敏になっていると、ほんの些細なことが心配に度重なるパワハラで神経が過敏になっていると、ほんの些細になりますよね。
でも大丈夫。
普通に考えれば守秘義務があるため、本人の同意もなしに「あんたのとこの○○って奴がパワハラを受けたって相談してきましたぜ」なんて絶対に会社に言うわけがありません。そんなことをすれば大問題です。裁判沙汰になってもおかしくない。
まったくの杞憂です。なんなら、匿名でも相談できます。
実際、私は「とりあえず話だけでも」と、匿名で電話相談したことがあります。
とくに名前を向こうから聞いてくる感じもなかったので、多くの人が匿名で相談しているのではないでしょうか。
相談の前の下準備
もしあなたがパワハラの相談で正確かつ効果的なアドバイスが欲しいと思っているなら、パワハラの証拠を集めておくことをおススメします。
私も相談にあたって、メモを用意していました。
このメモは、上司からパワハラの言動を受けた時にすぐにつけるようにしていたもので、いつ、どこで、だれから、どんな時に、どんなハラスメントを受けたのかといった詳細が書き込んであります。
毎日同じようなパワハラを受け続けていると、正直なところ「いつ、どんなパワハラを受けたか?」なんていちいち覚えていられませんよ。
「詳しくは覚えていませんが、毎日毎日同じようなパワハラを受けています」と言いたいところですが、そしたら、証拠としてみた時に信憑性が落ちてしまいます。
相談員の方は現状について正しい理解をするためにも、証拠はできるだけ残しておきましょう。
無料の相談窓口へ

まずは電話で話を聞いてみた
当時は精神的にも肉体的にもとても参っていて、あまり期待していなかったのもあって、いきなり窓口へ相談に行く気にはなれませんでした。
そこで、とりあえずお試し感覚と言いますか、パワハラ相談ってどんな感じだろうってことが知りたかったので、電話してみることに。
こういう電話ってすごく待たされる印象があったのですが、全然そんなこともなくあっさり繋がりました。
電話に出たのは女性の声でした。
始めてのパワハラ相談ということもあってテンパっていたためか、正直この時のやり取りはあまり覚えていません。
ですが、恐らくあたふたして何が言いたいのか分からない私の話でも、思いのほか親身になって聞いてもらった覚えがあります。
どんな扱いを受けているとか、どんなことがツライとか、とにかくこんな話を他人にする機会って滅多になかったので、一度に勢いよく喋ってしまった気がします。なにより一番嬉しかったのが、私が受けている扱いが「パワハラですね。受けている本人がパワハラと思ったらパワハラなんです」と言ってもらえたことでした。
胸の奥につっかえていたことを人に初めて話した解放感や、それが仕事とは言えツライ思いを共有してもらえたことで気持ちがスーッと楽になったのをよく覚えています。
私がテンパっていたのと匿名の電話だったので、電話相談で解決というわけにはいきませんでしたが、パワハラを相談することのハードルが下がったことや、ただただ話を聞いてもらえたという事実が前に進む力になったのだと思います。
数日の後、私はとうとう労働局へ相談に乗り込みました。
いざ、労働局へ
初めての窓口相談です。
総合労働相談コーナーに案内されました。3~4人くらいしか入れない小さな部署だったと記憶しています。
平日の夕方だったためか、他に相談を受けている人は見えず、すぐに個室へ案内されました。相談を受けてくれたのは、50代くらいのベテラン男性相談員さんでした。
私は持参したメモを広げて、今までどんな目に遭ってきたか、そのためにどんなに苦しんでいるかを訴えました。相談員さんは強面な印象とは違って、まるで聞き上手な女性のように私の話を聞いてくれました。
「大変な思いをされていますね。これは間違いなくパワハラです」
やはりここでもパワハラは揺るぎない事実のようです。
相談員:「それで、現状を変えるには、やはりあなたに動いてもらうのが一番でしょう」
私:「私が動くって、具体的には?」
相談員:「会社の上の方へは訴えましたか?相談窓口は?お勤めの会社の規模なら、あるかもしれませんよきちんと会社へ話をしてみてはいかがでしょう?上司の方とシフトをずらしてもらうとか、部署移動させてもらうとか」
かなりうろ覚えですが、こんなやり取りがあったと思います。
私がハッキリ覚えているのは、やはり現状を変えるにはまずは自分が動くしかないと理解したことでした。
全部で30~40分くらいでしょうか、結構しっかり話を聞いてもらえた感じがしています。
相談して得たものは
実際に相談してみて、誰にも相談できないパワハラという深刻な悩みをプロの方に聞いてもらうことで、自分の頭と気持ちが整理され、次に取るべき行動がハッキリしてきました。
パワハラを受けているという特殊な状況下では、身も心も疲労困憊してしまって正常な判断力が機能していない可能性があります。
私もそんなモヤモヤした状態だったのだろうと思います。
上司一人が嫌な人間だっただけなのに、会社=嫌な場所と勝手に思い込んで、誰かに助けを求めることを諦めてしまっていました。相談員の方から言われたように、まずは現状を変えるためにできることから行動しなければ。
次に取るべき行動がはっきりしたこと、そして、行動のための勇気が湧いたことが私にとっての収穫でした。
ついに決着!アドバイスに従い社内窓口へ訴えてみた結果

見事部署移動を勝ち取る!
その後、ほどなくして私は上司のパワハラを社内窓口へ訴えることに決めました。
実は私のいた会社にはハラスメントの相談窓口がありました。私も存在自体は知っていたのですが、利用しようとは思いませんでした。上司のようなパワハラ人間がのうのうと何年も働いている職場に信用が持てなかったのです。
それでも、労働局の相談員さんのアドバイスに従って、とりあえず相談してみることにしました。
するとどうでしょう。
担当の人事部の方はとても深刻に受け取ってくれ、あれよあれよと言う間に私は県内の別の工場に勤務が決まったのです。何とも言えない解放感。それはもう、本当に嬉しかったです。
もうあのネチネチした説教を聞かずに済む、四六時中監視されずに済むと思うと嬉しくてたまりませんでした。
勇気を出して社内窓口に相談して良かった。すべては労働局で受けたカウンセリングと相談員さんにもらったアドバイスのおかげです。
もし自力で解決が難しいなら、労働局が介入することも
私は労働局の相談員のアドバイスに従って社内窓口に訴えてみた結果、部署移動させてもらえパワハラから逃れることができました。
ですが、みんながみんな上手くいくとは限りません。
中には、勇気を出して社内の人に訴えたことがパワハラ加害者の耳に入り、悲惨な目に遭った人もいるのではないでしょうか。
もしパワハラ解決のために動き出そうと考えている人がいたら、私はこうアドバイスします。
まずは労働局(総合労働相談コーナー)に相談してみてください、と。
労働局の窓口に相談に行くと相談実績を作ることができます。
もし、そのあとで会社と揉めることがあっても、過去に相談に来た実績があるなら、その後の対応もスムーズになるはずです。
労働局は必要とあればパワハラを是正・改善するよう事業主に指導したり、労働者と企業の間で問題が起こった時に、間に入り調整したりする役割があります。
場合によっては自分が取った行動が思わぬ事態を招いて、紛争の火種になることも。
そうなった場合に備えて、「今私はこんな問題を抱えています」というのをあらかじめ相談しておくことで、いざという時に有利に働くことになるかもしれませんよ。
世間はあなたの味方です~パワハラ防止義務化に思うこと~
私は労働局にパワハラを相談して解決しました。
少し遠回りになりましたが、私が勇気を出して社内窓口に相談できたのは、労働局の人に話を聞いてもらえたことと、適切なアドバイスをもらえたことがとても大きいように思います。
労働局は労働のプロ集団です。プロにパワハラを相談することでこんなメリットがあります。
- 心が軽くなる
- 解決のための適切なアドバイスがもらえる
- いざという時、会社に指導してくれたり、間に入ってくれる
2020年には、すべての企業でパワハラ防止対策が義務化されます。(中小企業では2022年までは努力義務ですが)
昔はどうだったか知りませんが、いくら仕事の上下関係があると言っても、暴力や暴言はもちろん、
大声で怒鳴りつけたり、あえて人前で説教したり、わざと仕事を与えなかったりはますますリスクのある行為になるでしょう。
企業も企業名公表などのペナルティは受けたくないはずです。
パワハラへの世間の風当たりはずっと強くなります。
今、パワハラで悩んでいるあなた。
加害者がどんな理屈をつけてパワハラを正当化しようと、世間はあなたの味方です。
勇気を出して行動してみてください。
必ず行動は実を結びます。私のように。
決して負けないでください。世間はあなたの味方なのですから。


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