時は人生100年時代と言われ、年金開始は65歳に引き下げられていく世の中。
何十年も一生懸命働いてきた方が60歳を迎えます。
ひと昔では60歳=定年退職。「お疲れ様!あとはごゆっくり!」と、誰もが定年退職する人をねぎらい「60歳まで働いてえらい!もう十分頑張った!」と称賛してくれたことでしょう。
しかし今は、年金受給開始引き下げの中、平均寿命は延び、60歳退職後最低でも20年は維持できるお金が必要となりました。政府も「ニッポン一億総活躍プラン」を打ち出す昨今。60歳まで働くなんて当たり前。それどころか65歳でも70歳でも元気ならば働いて当たり前、という世の中になってしまいました。
そして社会からも家族からも、「元気なうちは働いて!」「60歳で退職だなんてとんでもない!」と言われるようになりました。
何より一番つらいのは、これまで自分の頑張りや苦労を一番そばで見て、一番分かってくれていたと思っていた奥さんに、「なんで60歳で退職するの!?」「まだまだ働いてよ!」と言われることではないでしょうか。
父親が退職後、働かない事に母が切れまくっています。母親は生活費を稼がない夫に文句たらたらです。いつも実家にかえるとその話ばかりされてまいっています。父親は定年したんだから働く気はないといっており、仕事を探す気は全くありません。
引用:yahoo知恵袋
結局は、自分はATMのようにお金を稼いで家に出すだけの存在なのか、お金を稼がない自分には価値がないのか。これまでの結婚生活の信頼、愛情を覆すような奥さんの反応に、自分たち夫婦の関係はこんなものだったのかとショックを受けるかもしれません。
しかしちょっと待ってください。奥さんに絶望する前に、奥さんには奥さんなりに反対する理由があるのです。そしてその反対する理由が解決できたら。その時は心から「定年退職お疲れさま!」と笑顔で言ってくれることでしょう。
Contents
奥さんが反対するには理由がある
老後のお金が不安

ずばり「お金」。これを言われると、奥さんにとって自分は、人生の趣味や充実を考えてはいけない、働き稼ぎ続けるしか存在価値のない、機械のような存在なのか!と空しくなる人もいるでしょう。
しかし現実問題、医療が発達したことによる自分達自身の長生きリスク、そして高齢の親の長生きリスクと介護問題、その中での年金受給開始引き下げと、今後お金がとにかくたくさんかかることだけは想像できる世の中です。
ましてや夫の企業年金の金額など分からない奥さんには、夫が口で「大丈夫」と言っても、その不安が解消することはありません。
平成28年度に、生命保険文化センターが行った意識調査によると、自分の老後生活について「不安感あり」の割合は85.7%と、9割近くの人が老後生活に対して不安を抱えていることが分かります。また、この「不安感あり」を性別で見ると、男性82.1%・女性88.4%と、女性の方が6.3ポイント上回っています。
不安なのは、あなたの奥さんだけではないのです。
<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>
老後生活に対する不安の有無

引用:生命保険文化センター
昼食を作ったり家事が増える
これまで自分一人ならば好きな時間に適当に食べていた昼食が、夫の分も作るとなると、やはり少しは手をかけて作ったり、夫の時間に合わせて食べることになります。
男性は「お昼は適当でいいよ」というかもしれませんが、そもそも女性と男性、食べる量も好みも違う場合が多いです。気を使ってないように見えて奥さんはやはり気を使うものです。
自分はあまり気乗りがしなくても、夫が好むラーメンやチャーハンなど油っ気があるものを昼から作ったり、そうめんだけでは夫は足りないかな、もう一品何かあったほうがいいかな、と気持ちも、時間も使ったりします。
そして自分一人だと大して散らからなかった部屋が、夫が家に居ることでいつも以上に散らかります。そしてそれを片付ける家事が増えてしまうのです。
一日中家でゴロゴロされるのが嫌
掃除機をかけたいなと思っても、夫がまだ寝てる、テレビを見て寛いでいる、となると、かけたいタイミングでかけられず意外とストレスになります。ずっとリビングに居る、ずっとテレビを見てるとなると、したい掃除もできず、今まで自由だった自分の行動の妨げとなり、思わず「邪魔だな」と心の中で思ってしまいます。
夫が退職して、一年です
私はパートをしています
お昼ご飯も自分で作らず一日中ソファでゴロゴロしてテレビを見ています。ほとんど家から出ません
最近そういうのを見ていてイライラしますどうしたら、優しく接することができるのか悩んています
誰か助言お願いします
引用:yahoo知恵袋
心と体の健康が心配
仕事は納期や責任があり、ストレスになる分、気持ちに張りも作ってくれます。自分は頼りにされている、社会に役立つ人間だという自尊心も満たしてくれます。
ところが仕事を辞めるとどうなるのか。奥さんは夫が燃え尽き症候群のように虚しさを感じ、一気に気持ちが老いていかないか心配です。また、毎日会社への通勤や仕事で使っていた体力を使わず家でのんびりしだすことで、不健康な生活にならないか、生活習慣病などの病気にならないか心配なのです。
奥さんから今まで何も言われたことはないかもしれませんが、奥さんは一生懸命働いている夫の姿を、誇らしく、カッコよく思っているものです。その夫が一気に心も体も落ち込み老けていくのではないか、そんな姿は見たくない、というのが奥さんの本音でもあります。
退職後、夫が知らない世界に行ってしまうのが不安
これは趣味があり、友達も多く活動的な夫の場合です。退職後は自分でお店を始めよう、社交ダンスを習いだそう、写真教室に通おうと、楽しそうに夢を描く夫。その夢に自分はおらず、入れず、付いていけず、寂しさと焦りを感じます。女性友達でもできそうなら、ヤキモチも焼きます。
やはり結婚何十年たっても、夫は大事な夫なのです。その夫が、生き生きと自分の知らない世界へ行ってしまう、そのことへの不安なのです。
ですのでご主人、奥さんを含めてそれぞれ自分の時間を確保して充実した生活ができるようにすることが大切であるといえます。以下の記事から自分がどのような生き方をしたいのか、再確認してみるのも良いかもしれません。
奥さんの怒りを治め、退職反対をくつがえす方法

老後のキャッシュフローを作る
老後にいくらお金が必要なのか、100歳まで生きてしまっても足りるのか足りないのか。漠然としすぎているから、漠然と不安になり怒って反対するのです。
そこでまず、60歳から100歳まで生きてもお金が足りるかどうかを知ることができるキャッシュフローを作りましょう。まずは退職金、企業年金、公的年金の情報を持ち寄り、現預貯金と、今後可能性のある親の介護や子供や孫への出費を考えてお金の流れを整理してみるのです。
無料で老後のキャッシュフロー表が作れるサイトもあります。
細かい作業が苦手な方や、老後資金の相談もしたい方は、プロにお願いする方法もあります。相場で1万円~5万円の費用が掛かりますが、ファイナンシャルプランナーと面談したり、パソコンを通じてのチャット形式で、キャッシュフローを作成してもらったり、老後資金のアドバイスや相談が受けられます。
参考:日本FP協会
参考:ココナラ
キャッシュフロー表により、60歳で退職しても老後資金は大丈夫と分かれば、奥さんは反対しません。そしてもし足りないとなった場合は、あと何年、どれくらいのお給料で働けば老後資金が大丈夫かを更に計算し、その歳まで働く覚悟を決めるか、奥さんにも共に働いてもらう提案をするのも良いかと思います。
家事を分担する
こんな男性の意見がありました。
甘えては夫は自立できません。
私は朝昼自分で作ってたべていますよ。
夕食は妻がつくりますが、お茶碗は私が洗いますね。
引用: yahoo知恵袋
定年退職になるとほとんどが家事を負担するようになりますよ?
奥さんが仕事から帰って来て夕飯ができていない、掃除ができていない、洗濯物が干しっぱなしなんてあり得ないです。
私の周りにも似たような夫婦がいましたが、夫が先に定年退職した場合、やることがなくて家事をしなきゃ妻に申し訳なく感じるようになるもんです。
わりと料理教室に行ったりしていますよ?
思いやりの無い夫は間違いなくミジメな老後を過ごすか熟年離婚になります。皆さんそれが分かるので頑張っておられます!
引用: yahoo知恵袋
退職して家に居る以上、やはり家事を男性も行ったほうが良いでしょう。「自分が汚したものは自分で掃除する」小学校の掃除の時間に先生からそう教わりました。
これまで仕事をバリバリこなし、家を建て、家族を養ってきた。だから好きなだけのんびりしてもいいじゃないか。なぜ家事なんてしないといけない。そう思われるのも当然ですが、昔と違い、あと20年や30年、もしくは40年も生きる時代です。
奥さんにとったら、のんびりした夫を横目に自分だけに家事がのしかかる悪夢のような長い長い日々の始まりです。それは「退職しないで!」「働きに出て!」と言いたくもなります。
そこで男性も料理は難しくても掃除機をかける、洗濯物を干す、お風呂掃除をする、などできそうな所だけでもする努力と、その気持ちを奥さんに伝えてみてください。
やり方は奥さんのこだわりもありますから最初に教わり、その通りにできたら更にベストです。
前向きな生活を送る
バリバリとかっこよく働いていた夫が、社会的地位もなくなり、気持ちの張りもなくなり、家でダラっとくたびれた人になっている。それは奥さんにとっても寂しいものです。一日家にいてもせめてパジャマから清潔感のある服装に着替え、ひげも反り、寝ぐせも直し、爽やかでいてほしいです。
奥さんだけでなく、人は人の笑顔を見ると幸せになります。無気力な顔を見ると不安や不快な気持ちになります。なので退職前から休日も爽やかに過ごし、この人なら退職しても無気力になったりしないな、前向きに過ごしてくれるな、と分かったら奥さんは安心します。
趣味を見つけ、できるだけ体を動かす
家にずっといると体力は衰え、運動不足から不健康な生活になっていきます。
厚生労働省によりますと、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は、2016年で男性72.14歳、女性74.79歳だそうです。平均寿命男性80.21歳、女性86.61歳(2016年時点)に比べると元気に過ごせる老後は短いということが分かります。
夫も自分も健康に長生きしたいという気持ちから、家にずっとゴロゴロしている夫を見ると心配になります。そこで地域のボランティアや趣味のサークル活動などを見つけ、こんな活動を退職したらしてみたい、という気持ちを伝えると、奥さんは安心してくれると思います。
趣味は奥さんにも声をかけ、愛情表現をする
夫が定年退職して毎日家にいたら嫌じゃないですか?
という質問に対して、
私も前はそう…思ってました。。が
今は..一緒に何をしようかと
ワクワク((o(^∇^)o))しています//
その為に、お互いに健康でないと…ね//
何でも自由にさせてくれるし手のかからない人なので、今と気持ちはあまり変わらないと思います。
取りあえず退職したら、数週間の旅行に2人で行きたいと思います。
引用:yahoo知恵袋
なんとも仲の良い素敵な夫婦です。これは退職前から忙しくても夫が奥さんに要所要所で言葉や心をかけてきた証拠でしょう。無関心な態度の夫にはとてもこうなりません。
「退職したら一緒に何かできるね」と奥さんにワクワクしてもらえたら、奥さんも退職を心待ちにしてくれたら、こんなに嬉しいことはありません。
その為には、退職前から感謝の気持ちを表したり、心をかけてあげることが大切です。そして退職後も、自分だけで外を飛び回って楽しむのではなく、奥さんを誘ってみたり、せめてお土産を買っていったり、今日の出来事を伝えて楽しみや発見を共有したりしてみてください。きっと奥さんは喜び、安心すると思います。
奥さんが普段どんなことを考えて、日々家事をしているのか、奥さんのことをしっかりみてあげるためにも以下の記事も是非参考にしてみてください。
まとめ

社会の荒波の中、これまで辞めたいと思ったことも、つらいと思ったことも何度もあったことでしょう。もう十分頑張りましたよね。それなのに一番身近で自分の頑張りを見てくれていたはずの奥さんから「まだまだ働いて!」「定年で退職するなんて!」と反対されると何よりつらいですよね。
でも奥さんも、お金を稼がないことだけに怒って反対している訳ではありません。心の中にいろんな不安があるのです。その不安を解決してあげると、奥さんはもう怒ったり、反対したりしなくなります。
それでも奥さんが退職を反対したら。まずは理由をゆっくり聞き、解決できる問題でしたら2人で解決しましょう。そして、それでも奥さんが「働かざるもの食うべからず!働け!」と言うならば、奥さんにも働いてもらいましょう。
一緒に働いてみると、よりお互いを労わり合うことができます。夫のこれまでの何十年の大変さ、苦労が奥さんにもよく分かると思います。老後、夫婦二人でてんやわんや支え合って仕事をする。それも一つの老後を楽しむ方法です。
一度しかない人生を共に楽しめるよう、奥さんと自分が納得できる老後を準備し、「定年退職お疲れ様!」と気持ちよく奥さんにねぎらってもらえたら最高です。


- 1年で年間1万3000社以上の求人が出る、中小から大手まで幅広い求人、外資系企業も1400社以上
- 累積45万名以上が転職に成功、転職決定者は年間約2万3000名以上
- 62.7%の人が年収アップを経験

- 公開求人数/非公開求人数 約6万6千件/約13万6千件
- 業界№2の大手
- スポーツキャリア、ウーマンキャリアなどdoda独自の働き方を提案
- 「年収査定」「キャリアタイプ診断」「レジュメビルダー」など転職に役立つ無料セミナーが好評。

- 公開求人数 50,000件以上
- 求人の特徴 80%が非公開求人
- 2019年オリコン顧客満足度1位、年収アップ率67.1%以上
コメントを残す