セクハラ(セクシュアルハラスメント)、アルハラ(アルコールハラスメント)、モラハラ(モラルハラスメント)など、近年急激に「○○ハラスメント」というワードを耳にすることが増えましたよね。
それらの被害が増えた、というよりかは、「これは○○ハラスメントだ!」と明確に声をあげることができる時代になりつつあるのかな、と個人的には思います。
とはいえ、ハラスメント被害にはあわないことが1番。しかしセクハラやアルハラは、職場などで比較的あいやすいハラスメントといえるでしょう。
そしてもうひとつ、職場で起こりうるハラスメントがマタハラ(マタニティハラスメント)です。
本記事では、職場でのマタハラにはどのような事例があるのか、万が一、マタハラにあってしまった場合はどのような対処をすべきなのか、そして自分自身の何気ない言動が、マタハラになってしまっていないかのチェックリストをご用意しました。
Contents
そもそもマタハラって?
マタハラとは、職場における妊婦への嫌がらせを指す言葉です。妊娠による体調不良で業務を通常通り進めるのが難しくなってしまったり、産休などで人員が少なくなってしまった際に、その不満が妊婦本人に向けられてしまう、というケースが多いようです。
妊娠を理由に降格させられた、などといったようなひどいケースもあり、近年ではセクハラよりも被害件数が多いともいわれています。
具体的にはどういうこと?
では、具体的に職場でのマタハラの事例にはどのようなものがあるのでしょう。今回は妊娠中にマタハラにあってしまった事例と、産休後にマタハラにあってしまった事例のふたつに分けてご紹介します。
①妊娠中のマタハラ~妊娠6ヶ月、30代女性の事例~
先日、職場で妊娠のことを話しました。すでに上司には話しており、体調を大変気遣っていただいていました。同僚などに話したところ、後日、私のいないところで、「産休育休って給料もらえるんだよね?いいよね、何にもしなくてももらえるなんて」と何人にも話している同僚がいました。
②産休から復職後のマタハラ~一人目出産後、復職した女性の事例~
仕事復帰後、「子供がいるからいつ休むかわからない」「以前やっていた仕事はほとんど他の人が担当」という理由で、私に任されたのはみんなの補佐のような仕事ばかりでした。最初は仕方ないと思いやっていましたが、時間が余るほどの少ない仕事量…。上司にも言いましたが、とても適当な人で聞いても「そうかぁ」のような解答。他の上司に相談しても、「今は子育てを一所懸命やるときだよ」と何も改善しません。
引用:マタハラnet
妊娠中に同僚の心無い一言で傷ついてしまったケースと、産休からの復職後、思うように仕事をさせてもらえずつらい思いをしてしまったケースですね。
1つ目のケースのように、何気ない一言がマタハラにつながってしまう場合もあります。また、2つ目のケースは直接的に傷つくような言葉を浴びせられてはいないものの、業務時間が苦痛になってしまうような状況に置かれていると言えますよね。
このようなマタハラを受けてしまった場合、どのように対処すべきなのでしょうか。
マタハラ被害、どこに相談すればいい?
万が一マタハラを受けてしまった場合、誰に相談すればいいのか、相談をする前に準備しておくべきことはあるのか、いろいろと不安になってしまいますよね。しかし、相談できる場所は意外とたくさんあります。ご自身の状況に合わせて、相談しやすい場所を選んでみてくださいね。
マタハラを受けてしまったら、ここに相談!
①会社の人事部
マタハラに限らず、ハラスメント被害を受けてしまったらまずは人事部に相談するのがいいでしょう。1番身近な相談相手であるだけでなく、社内でハラスメントがあったとなると、人事部は早急に対処をする義務があります。
きちんとした会社であれば、改善に向けて動いてくれるはずですよ。
②ホットライン
マタハラを受けたけど、会社の人に話すのは不安。何か対処をしてほしいわけではないけれど、とにかく誰かに話を聞いてほしい。そんなときは、ホットラインに相談することをおすすめします。
人に話すことで、傷ついてしまった心が少しだけ楽になるかもしれません。また、自分の気持ちをアウトプットすることで頭の中の整理ができ、解決の糸口が見つかることもあります。
③弁護士
マタハラを受けたことが原因で心療内科への通院しなければならなくなった、するべき仕事を割り振ってもらえず働けなくなった、などの損害が生じた場合は、弁護士に相談することも考えた方がいいでしょう。
裁判や慰謝料の請求には気力がいりますし、なかなか勇気が出ないかもしれません。けれども、被害を受けたことをそういった場で主張するのも、あなた自身の権利です。
マタハラによって通常どおり働けなくなってしまった、といった場合には、勇気を出して弁護士に相談してみましょう。
相談する前に準備しておくべきこと
いずれの場所で相談をするにせよ、マタハラを受けたという証拠を残しておく必要があります。
ボイスレコーダーを準備して録音する、というような証拠づくりができればベターですが、いつ、誰に、どこで、どのようにマタハラをされたのか、をノートに書き留めておくだけでも、十分な証拠になりますよ。
また、マタハラによって精神的ダメージを負ってしまった、といったような自身への影響や、「今後、このように改善してほしい!」といった要望なども伝えられるようにしておきましょう。そうすることで、よりスムーズな対応を期待できますよ。
大丈夫?あなたの言動
ここまでは、いわばマタハラの「被害者」目線でお話を進めてきましたが、ここからはこの記事を読んでくださっているあなた自身が「加害者」になってしまわないよう、どういったことを心がければいいのかをまとめたチェックリストをご用意しました。
①職場の妊婦さんに向かって「早く仕事やめて家庭に入ればいいのに~」と「女は家庭に入るべき」という価値観を押しつけている
②パートタイマーには育休・産休は必要ない、と思っている
③「体調崩されたりするとフォローが大変……」と、職場で愚痴をこぼしている
④「お子さんが小さいうちは責任ある仕事は任せられないよね……」と、話し合いもせず決めつけている
⑤「正社員のまま働くのは厳しいだろうし、この際パートになればいいじゃん」と提案をする
⑥「一人目はともかく、二人目、三人目の出産のときも休暇を取られて正直迷惑……」と思っている
いかがでしょうか。④、⑤に関しては「良かれと思ってしているのに!」と思われるかもしれませんが、妊娠・出産を理由にキャリアアップの機会を奪ってしまうのは立派なマタハラにあたります。
きちんと本人との意思のすり合わせを行い、その人がこれからもバリバリ働きたいと思っているのか、それとも業務を軽くしてほしいと思っているのかをきちんと確認したうえで対応することが大切です。
まとめ
- マタハラ=職場における妊婦への嫌がらせ
- 精神的に傷ついてしまったり、思うように仕事をできなくなってしまったり……マタハラの事例は幅広い。
- ハラスメント被害を相談できる場所は会社の外にもある!
- 何気ない言動、良かれと思ってしたことがマタハラになる可能性も!
妊娠中は心身ともに不安定になりがちだということもあり、マタハラを受けても声をあげるだけの気力がなく、泣き寝入りをしてしまう人も多いというのが現状です。
けれども、「こんなに相談できる場所があるんだ」ということを覚えておくだけでも備えにはなりますし、「こういった言動もマタハラになるんだな」と知っておけば、マタハラ自体を未然に防ぐことができます。
誰もが直面しうる問題であるからこそ、ひとりひとりがきちんと知識をつけておきたいですよね。


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