


女性の社会進出が進みつつありますが、出産のタイミングで退職を選択する女性は多く、就業中の女性の半数以上が仕事を辞めています。働く女性たちはなぜ仕事を辞めてしまうのでしょうか。そこにはどのような問題があるのでしょうか。具体的な数字や女性たちの声を聞きながら考察していきましょう。
Contents
出産を機に仕事を辞める女性たち
労働力のM字カーブ

引用:内閣府男女共同参画局
日本における女性の労働力率、簡単に言えば働いている人の割合ですが、上記のグラフの通りM字のカーブを描いています。男性のグラフと比較するとその違いがよく分かりますね。
男性は20代から50代の終わりまで大きな変化はなくずっと高い労働力率を維持しています。それに対して女性は20代後半から30代の前半にかけていったん減少したあと、40代ごろまで盛りかえしてまた減少していきます。正規雇用に限ってみれば30代で減少した後は上昇することなくゆるやかに下がっていくのが特徴です。
なぜこのような違いがあるのでしょうか。
出産を機に仕事を辞める女性たち

引用:国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」第14回報告書
こちらのグラフは一人目の子供を出産した後の妻の働き方の変化を表したものです。出産後も仕事を続ける女性は3割を下回り、出産を機に退職する女性は4割近くいるのが現状です。
このグラフには出産前から無職の女性も含まれていますので、それを除いて就労している女性だけで考えた場合、実に半分以上の女性が出産のタイミングで退職する選択をしているのです。

仕事と子育ての両立の難しさ
出産を機に仕事を辞める女性たちの中には「子供といる時間を長くとりたい」と自ら希望して退職する女性がいる一方で、やむを得ず辞めていく女性たちもいます。彼女たちは仕事と子育てを両立することが難しいと考え辞めるのです。
職場環境の問題
最近は大臣が育休をとるのとらないのと話題になっていますね。これは男性の育休取得が焦点になっていますが、女性のなかにも育休をとりづらい環境にある人たちがまだまだいるのが現状です。
出産で育休をとりたいと考えてます。現在、産休中です。
ただ、このご時世‥復帰は難しいと会社から難色を示されており、退職勧奨されています。
引用:Yahoo!知恵袋
育休の問題だけでなく復職後、時短勤務で働いても帰りづらい雰囲気だったり、子供の体調不良で欠勤や早退が増えることをよく思わない、理解してもらえない環境で働き続けることは働く女性にとってとても辛いことです。
https://twitter.com/NYchanlvforever/status/1205486582880333824
そのようなストレスを抱えながら子育てをするならいっそ…というのが退職していく女性たちの本音かもしれませんね。
家庭環境の問題
現代では男女共同参画社会、つまり男性も女性も同じように社会で活躍する社会が理想とされながら、家庭内では性別による役割分担意識が抜けきれていないのも事実です。つまり、家事や育児は女性の仕事であるという考え方が根強く残っているのです。
主婦の私は年中無休で家事育児があって、生理だろうと腹が痛かろうと息子の風呂は入れなきゃいけないし命を育てる苦労を毎日ひしひしと感じてるのに、夫ときたらゴロゴロして一日中ゲームして休み満喫してて(精子出すだけで父親名乗れていいな)ってとても思う。
— もなこ (@karoushi_nk) January 18, 2020
また、夫が残業が多い、単身赴任といった業務内容や労働時間の問題から、分担したくてもできないということもあります。仕事、家事、育児をすべて一人でこなさなくてはいけないことから「ワンオペ育児」と言われ、女性にとって大きな負担となっています。
男性の育児休暇取得が話題なのでワンオペ育児をしていた時の話を描きました。一番頼りたい人に頼れないのはキツかったし現状母親への負担が大きすぎるので男性の育休取得が沢山広まって父親も積極的に育児参加出来ればと思います。 #育児日記 #育児漫画 #やっぱり家が好き #育児 #日記 #育休取得 pic.twitter.com/vd2ykGXm5y
— 渋谷さえら (@voxxx) January 15, 2020
家庭の中では昔とかわらず家事や育児をすることを求められ、社会からは周囲と同じように働くことを求められ、どちらもこなせるスーパーマンのような女性はごくわずかです。
仕事やキャリアへの思い入れがそこまでではなかったり、夫婦での家庭内の役割分担が難しいのであれば退職の道を選ぶものやむをえないことなのではないでしょうか。

女性が働きやすい環境をつくるために

長時間労働などの労働環境の改善
育休がとれることは大前提として、残業が少なく定時で帰りやすい、有給がとりやすいなど、いわゆるワークライフバランスに配慮し仕事一辺倒にならずに済む労働環境づくりが必要です。
そのためには、人に付いている仕事、つまり「その人でなければできない仕事」を減らし、チーム全体で仕事を共有することも大切です。これは「誰でもできる仕事」とは違います。
育休にしても病休にしても、「その人にしかできない仕事」の方が職場的にはむしろリスキーで、ほとんど「他の誰かでもできる」ことなんだけど(少なくとも自分の職場はそう)、それと「あなた自身の持つ魅力、個人にしか持ち得ない価値」みたいなものを切り離さずごっちゃにしてる人がそこそこいそう
— タビトラ (@tabitora1013) January 15, 2020
マミートラックって、復職して簡単な(誰でもできる)仕事を与えられてキャリア形成できないだけじゃなくて、マインドが「この質問をしたらおかしいかもしれない」とか、時間が無いことによる「わからない事を聞けない」といった固定概念がさらに固まることもあると思うの。
— メイコさん with 2 kids (@mama_intokyo) August 22, 2019
男性が家庭のことに積極的に参加していくためにもこのような労働環境の改善は必須といえるでしょう。
子育ては家族の仕事
いままで男性があまり家事や子育てをしなくても問題にならなかったのは、それらを親や親せき、あるいは地域の人たちがサポートしていてくれたからという背景があります。
時代が進むにつれ、自分が生まれ育った場所とは離れたところに生活の基盤を持つ人が増え、そのような人たちは親の支援を受けることが難しくなり、地域の人たちとの関わりも希薄になってきました。
そのようなサポートを受けることができない以上、ほかの誰かがその役割を担う必要があり、それは父親である男性の役割に他なりません。女性の働き方を変えるためには男性自身にも変化を求められているのです。
全く乳幼児の育児をしたことが無いんだろうな、ということが如実に判る発言。
2歳まででも、寝かしつけ・ミルク・おむつ交換等、父親がやることはそれこそたくさんある。
というか、母親ができて父親ができないことなんて、母乳出すことくらいだ。 https://t.co/9uQ8a9fNhe
— 駒崎弘樹 ( Hiroki Komazaki )@ふるさと納税寄付者に大感謝! (@Hiroki_Komazaki) January 15, 2020
正社員を続けたいなら仕事はやめない方が得策



これは「労働力のM字カーブ」でもふれたグラフです。女性の労働力全体はM字カーブを描いているものの、正規雇用に限って言えば20代をピークに上昇せずに下がっていきます。子育てを経て、会社を辞めた女性がもう一度正社員として復職するのは難しいというのが現状であり、これもまた大きな問題です。
これは、子育ての事情からある程度フレキシブルに働きたいという女性と、長時間働いてほしいという企業の思いがマッチングしないのが原因です。この問題の解決にも、先ほど述べたような労働環境の改善が必要といえるでしょう。
とはいえ、この問題は解決されるにはまだまだ長い時間が必要です。やりがいやキャリアアップ、収入といった観点からすれば会社を辞めずに働き続けるのがベターな選択ではないでしょうか。

結婚して半年。毎日仕事から帰ってきて食器洗いと洗濯畳むのとお風呂掃除してくれる旦那。「家事は妻の仕事って言わずにやってくれてありがとう」って伝えたら「そんな時代もう終わったよ」って。
この人と結婚して良かった。#結婚 #旦那 #感謝 #共働き— ぽんす (@poooooooooons) January 14, 2020
まとめ


労働力不足や少子化など、さまざまな社会問題が取りざたされていますが、女性が働きづらい環境にあることがその要因の一つになっています。女性が働きやすい環境づくりは現代の大きな課題といえるでしょう。
「女性」と銘打って入るものの、女性だけの問題ではなく、男性の主体的な行動が必要とされています。むしろ男性、女性と区別することなく全員が考えるべき課題です。
また、社会なのか家庭なのか、政府なのか企業なのかといった「誰が」解決するのかという考え方ではなく、「自分が」できることは何かという考え方が一人一人に求められているのではないでしょうか。


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