『仕事に行きたくない』『働きたくない』そこまでなら、大部分の人が経験したことのある思いでしょう。でも、それが『働くくらいなら生きたくない』『助けて』のレベルまで来てしまうと、それはあなたの心身が真っ赤な赤信号を出しているサインです。
あなたの心身を守れるのはあなたしかいません。限界が来たあなたが、今すぐ取るべき行動と、心身の回復のさせ方をまとめました。
精神科に行こう

半日でいいので、仕事を投げ捨てて精神科に行ってください。心療内科でもいいですが、精神科を同時にやっているところでないとだめです。理由は下の方に書きます。
ただ、精神科は初診の患者だと予約必須であることが多いです。いくつか目星をつけておいて、片端から電話して、最速でかかれる精神科に行きましょう。
良い医師の基準は?
受診する際は少しでも早く回復できるよう良い医師であるかどうかも非常に大事なことです。ご自身で判断するときは以下のことをチェックしてみてください。
- 症状の話をじっくり聞いてくれる(初診で30分くらい)
- 最初から大量の薬を出さない(必要な薬を吟味してくれる)
- 『精神保健指定医』あるいは『日本精神神経学会認定専門医』の資格がある
その3点をクリアした医師であれば、まず信用していいでしょう。
抗うつ剤の効果が出るまで2週間はかかる

大抵の場合、メンタル向けの薬が処方されます。気分の落ち込みがメインの症状なら、たいてい抗うつ剤が出されます。しかし、抗うつ剤は効くまでに時間のかかるものが多いです。
現在主流の抗うつ剤は毎日飲み続けても、効くまでに2週間はかかります。眠気などの副作用はすぐに出るので、気持ちがくじけそうになりますが、それでもきちんと飲み続けましょう。
『どうしても早くこの気持をなんとかしたい!』という場合は、抗不安薬が併用されることもあります。抗不安薬は飲んですぐ効果が出るためです。
漢方薬の飲み方
漢方薬は体質に合えばかなりの効果が期待できるため、出されることが意外と多いです。ただ、気をつけなければいけないのが、大体の漢方薬は『食間』に飲むこと問われている点です。『食間』とは、食事と食事の間、胃が空のときのことを指します。
漢方薬は胃が空のときに飲むと効果が出やすいと言われているため、できれば食間に飲んでください。けれど、飲み忘れてしまうよりは、食後でも飲んだほうがいいです。
単なるうつ病ではない可能性も視野に
調子のいいときと悪い時の波が激しければ、それはうつ病ではなく双極性障害(躁うつ病)の可能性もあります。大体、うつ病で来院する10人に1人が双極性障害のうつの時期だと言われています。
うつ病と双極性障害のうつの時期は、病院でも区別が付きません。けれど、うつ病か双極性障害かで、治療法は大きく異なってきます。病院で自分の症状をよく説明し、医師の判断材料を増やしましょう。
また、下に詳しく書きますが、うつ病と似たような症状が出る内科的な病気もあります。
実はメンタルのクリニックではない神経内科&心療内科
神経内科:頭痛や神経の病気が主
神経内科は、神経に関わる病気を診るところです。脳の病気や神経痛、パーキンソン病などを見ます。めまいなども神経内科です。
心療内科:ストレスが身体症状になる病気が主
心療内科は、内科の一分野で、心身症を診るところです。心理的な要因が大きい体の病気、例えば胃潰瘍、過敏性腸症候群、高血圧、円形脱毛症などがこれに該当します。内科専門の医師が心療内科を名乗ることがあるため、そういう心療内科にかかってしまうと、メンタルの病気に適切に対処してもらえない場合があります。
内科にも行っておこう

上に書きましたが、うつ病に症状が似ている内科の病気もいくつかあります。それをうつ病だと勘違いして治療しても、全く何も改善しないので、内科で血液検査くらいはしておきましょう。
うつと似た症状の病気一覧
甲状腺機能低下症、パーキンソン病、認知症、慢性疲労症候群、脳梗塞、更年期障害など
疲れやすくなる内科の病気の一覧
肝硬変、糖尿病、甲状腺機能低下症、貧血、腎臓病、関節リウマチ、更年期障害など
休職しよう
希死念慮(生きたくないという気持ち)が出るくらい辛いなら、まとまった期間の休養を取ることを考えるべきです。休職できる期間は会社によりますが、休職制度はかならずあるはずです。医師の診断書が必要ですが、数カ月単位で休めます。
普段の勤務態度によっては休職期間を延長してもらえることもあります。休職のやり方については、下でまた詳しく書きます。
何もかも投げ捨てて休もう
生きたくなくなるくらい辛いあなたは、雪山で遭難している人間と同じです。まず生き延びることを考えてください。ビバークして自分の身を守ってください。
時間があるからと言って資格の勉強をしたり転職活動したり、心身に負担をかけることをしてはいけません。今のあなたは記憶力も決断に必要な能力も低下しています。何もしないをしてください。
家事も食事もとことん手抜きしよう

何日も掃除しなくても死にはしません。流しにお皿がたまりまくっても死にはしません。いっそのこと、Amazonで紙皿を買い込んで使い捨てにしてしまえば楽です。徹底的にサボりましょう。
けれど、栄養は取らないと心身が回復しません。具合の悪い脳にはタンパク質が必要です。できるなら炭水化物ばかりでなく、意識してタンパク質を取りましょう。
栄養を考えた食事をする気力がないなら、プロテインに頼ってもいいです。ビタミン類やミネラル類もサプリメントに頼ればなんとかなります。
療養中おすすめインスタント&レトルト
ある程度美味しいものが食べたい人向け
- レトルトおかゆ(飲むおにぎりも可)
- インスタント味噌汁(野菜が多いカップ味噌汁がオススメ)
- サバ缶を始めとした缶詰類
- SAVASホエイプロテイン
- マルチビタミン&ミネラルサプリメント
開けてすぐ食べられるか、お湯を注げば食べられるものばかりです。食器や箸は使い捨てのものをガンガン使って徹底的に手間を省きましょう、レトルトおかゆは口を切ってゼリー飲料のように摂取することも可能です。
栄養さえ取れれば後はどうでもいい人向け
- BASE BREAD
- COMP
どちらも日本製で、ビタミン・ミネラル・タンパク質・脂質・糖質をバランス良く混ぜた完全食です。COMPは飲み物に溶かす手間が、BASE BREADは解凍する手間が必要ですが、それさえすればすぐ食べられます。
入浴できない時の対策
入浴する気力すらわかなくなる人もいますが、何日か入浴しなくても死にはしません。頭も5日くらいまでなら洗わなくても問題ありません。シャンプーが一般的でなかった時代の人は、女性でも5日に1度しか頭を洗いませんでした。
入浴できないけれど、どうしても不潔な感じがして気になるなら、顔と耳の後ろと脇の下を濡れタオルで拭うだけでもだいぶさっぱりします。
周りへの相談は休んだ後でも大丈夫

動けないなら会社の方から訪ねてくる
本当に調子が悪くて、会社に行って求職の手続きや今後の相談ができなくても、大丈夫です。その旨を会社に伝えましょう。よほどのブラック企業でなければ、総務の人間などの方からあなたのところへ来てくれるはずです。医師の診断書さえもらっておけば、手続きはどうにかなります。
休んだ時点で暴言や脅しを使ってくる会社だったら、スマホの録音アプリなどを使って録音しておきましょう。そういう会社なら、休職を申し出るより、退職代行でも何でも使って速やかに辞めて、労働基準監督署などに相談すべきです。
仕事量を見直そう
自分でやるほうが早いからといって、自分から仕事を背負い込んでいませんか? 自分にしかできないからと言って、自分から仕事を背負い込んでいませんか?
会社員は、人に仕事を投げられるようになってはじめて一人前です。担当が1人しかいなくて、その1人がいなくなったら回らない仕事は、すでにその時点で仕事の管理が失敗しています。是正しましょう。是正させましょう。
仕事の種類を見直してもらおう
自分に合わない仕事はそれだけでメンタルを削ります。知り合いの話ですが、職人肌の技術畑の人がが出世して管理職になって、仕事が合わず成果を挙げられないのを何例も見たそうです。
退職・転職は元気になってから決めよう
生きたくないくらい疲れている、今のあなたの判断能力はゼロです。人生における重要な決定をしてはいけません。まずは休んでください。元気になってはじめて、退職すべきか転職すべきかを考えましょう。
傷病手当を活用しよう
休職中は会社から給料は出ませんが、入っている健康保険協会などから給料の2/3がもらえます。活用しましょう。規定の書類に自分で記入して、医者にも規定の書類に記入してもらう必要がありますが、後はそれを会社に郵送するだけです。書類は会社に言えばもらえます。
復帰は段階を踏んで行おう

休んで、少し良くなったと思ってもすぐに復帰してはいけません。生きたくないとまで思いつめてしまったあなたは相当疲れています。そして、何もしないをして休んだ後の体は、かなり体力が落ちています。体力を戻すことからはじめてください。
通勤訓練からはじめよう
通勤は意外と体を動かしています。体力を戻すなら、まず、会社への行き帰りを想定して始めてください。駅まで歩いて、満員電車に乗って、駅から会社のある建物まで歩いて、それだけでかなり疲れるはずです。
実際に会社まで行く必要はなくて、会社に行く想定で往復するだけでいいです。最初は途中で休憩してもかまいません。まず体を動かすことに慣らしていきましょう。
次に半日勤務をしよう
往復ができるようになって、余力が出てきたら、短時間勤務(できれば午前半日勤務)から慣らしをできないか会社に相談しましょう。書類上はまだ休職扱いでいい、と言えば会社も受け入れてくれることが多いです。
半日だけと言っても、座って何かをするのはまた別の体力がいります。こういうところも慣らしていきましょう。週3回のフルタイム勤務から慣らしていくこともありますが、半日でいいから毎日行くほうが生活リズムが整います。
最後に定時勤務に挑戦しよう
毎日勤務することに慣れたら、はじめて定時まで働くことにしましょう。定時まででも最初は意外ときついはずです。定時で終わる仕事量ではない、という人は、事前に会社とよくよく相談して仕事量を調整してください。前と同じ働き方ではまた生きていくのが辛くなるだけです。元の木阿弥です。
リワーク利用のススメ
精神科や公的機関には、メンタルを壊した人が職場へ復帰する訓練をする『リワーク』という施設があることが多いです。こういう施設を利用することもおすすめです。毎日決まった時間に外に出る体力と、座って作業をする体力を戻すことができます。
ただ、リワークによって質がかなり異なるので、いくつか見学させてもらって、その上で決めましょう。リワークによってはメンタルの健康を保つ上で有効な、認知行動療法のやり方を教えてくれたりもします。
退職するならおさえておきたいこと

休職できる期間が過ぎても、どうしても治らないこともあります。そういうときのために知っておきたいことをまとめておきます。
傷病手当は最長1.5年もらえる
働けない状態であれば、傷病手当はもらい始めた日から一年半もらえます。給料の2/3ではありますが、ないのに比べたら大いに助かります。
失業保険は最大300日分もらえる
働ける程度に治っていて傷病手当がもらえない場合でも、うつ病などのメンタルの病気がもとで退職したのなら『就職困難者』扱いで、通常は90日しかもらえない失業保険(雇用保険)が最大300日分もらえる可能性があります。雇用保険の加入期間によっても日数は異なるので、詳しくはハローワークで確認してください。
自立支援医療制度で医療費を1割負担にしよう
しばらくは病院に通う必要があると思います。普通は医療費は3割負担ですが、医師の診断書を持って役所に申請すれば、1割負担にできます。それが自立支援医療制度です。
これは休職中でもできて、申請が通るまで2ヶ月ほどかかるので、早めに申請してもいいでしょう。
まとめ

今回の内容を簡単にまとめますと以下の通りです。
- 休む間は『何もしない』をしてください
- 仕事の量と種類を見直してください
- 復帰は段階を踏んでゆっくりしてください
- 退職せざるを得なくても、経済的援助はしばらく受けられます
いちばん大事なのはあなたの心身です。生きたくなくなったら、それはあなたの心身がエラーを起こしている証拠です。まずは自分を守ってください。


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