私は何度も転職を繰り返してきた中で、実に様々な企業の人と接する機会がありました。
その中には、「どう考えても、この人が働いてるのブラック企業だよなー」なんて思う人もいました。
ブラック企業
思い返してみれば、この単語は2013年に新語・流行語大賞を華々しく受賞しているんですね。
簡単に言えば労働環境が過酷な企業に与えられる称号です。
加えて最近では「ブラック企業大賞」が年末を賑わすトップニュースの一角になっていますよね。2012年に始まったこれも、今やすっかり恒例行事です。
ブラック企業大賞には、以下の2つの定義があるようです。
ブラック企業とは・・・・①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業、②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)。
引用:ブラック企業大賞とは
そうそうこれですよ、私が接していた中にはいわばこのような経験を語る人が少なからずいました。
話を聞いてれば冷静に「そんな会社一発で辞めてしまえ」と思いますよね。
ところがほとんどの人は不満を言い愚痴を言いながらも、こちらこそ何だかんだ我慢してその会社に居続けているんです。
今振り返れば、当時はそのことがよく理解できませんでした。私は決めたら転職に動くのが早かったですからね(笑)
でも、最近改めて調べてみると、ブラック企業の恐るべき実態について、そして分かっているのに転職できない人たちを取り巻く複雑な事情について分かったことがありました。
ブラック企業から転職したいけどできないと思っている方には、一歩踏み出す勇気を持っていただきたいと思います。そしてその前にまず、把握しておくべき事実について知ってください。
順に見ていきましょう。
Contents
ブラック企業とは
一口にブラック企業と言っても、そのような会社にはさまざまなタイプがあります。
コンプライアンスや労働に対する意識など企業体質に起因するブラックから、社員一人一人の意識によるブラックまで、実に多岐に渡ります。
これは大前提ですけど、仕事をしている限り、だれでもやりたくないことをやったり、何らかの精神的、肉体的な負荷がかかることはあるものです。
同時に、一人一人、仕事をできる能力や適性は異なっています。
能力や適性が単に合わない会社にいれば、心身にかかる負荷は当然多くなります。
私の友人の一人もスーパーで働いていましたが、送り込みが止まらず膨れ上がる在庫に埋もれ、体力も精神力も非常に消耗していた時期がありました。彼の場合は慢性的な人手不足も苛酷さに拍車をかけていたようです。
以前は話していてもいろんな話題が出てきてとても面白い人物だったんですが、だんだんと表情が無くなって元気が無くなっていってたのを覚えています。
では、彼が勤めていたのは果たしてブラック企業だったんでしょうか。これについては賛否両論分かれるのではないかと思います。
単に彼の能力が追いつかなかったととれると同時に、慢性的な人員不足という環境も影響しているとも見られるからです。
と、話が逸れましたので戻します。
以下がブラック企業を見分けるための主な指標になるので、あなたの企業ではどのような項目があてはまるのか、確かめてみましょう。
もしも周りにこのような環境で働いているという人がいたら、注意して話を聞いてあげてください。
先ほどの例は、いわば人によって見え方が揺らぐブラックです。しかし、下記の項目は法令やコンプライアンスに関わる正真正銘のブラックです。
【ブラック企業を見極める指標】
●長時間労働
●セクハラ・パワハラ
●いじめ
●長時間過密労働
●低賃金
●コンプライアンス違反
●育休・産休などの制度の不備
●労組への敵対度
●派遣差別
●派遣依存度
●残業代未払い(求人票でウソ)
※ただし多くのブラック企業が上記の問題を複合的に持っているので、判断する際も総合的に判断する。
引用:ブラック企業大賞とは
きっとこの記事をご覧の方はご存知の上お気づきかもしれませんが、引用させていただいた項目は、どれかひとつでも当てはまれば働く人の労働力、やりがい、楽しさ、その他さまざまなものを損なうものになります。
普通の人なら必ず思うはずです。
「そんな会社入りたくもないし、もし入ってしまったら見切りをつけてさっさと辞める。」
要するにその会社には留まらないはずです。
それでも、働いている人にはいろんな事情が壁となって、突破を防いでいるんです。転職市場が大いに盛り上がっていて、非常に転職しやすい状況であってもそうなんです。
それらの壁は、大抵は本人が考え方を変えることで低くなったり、実際のところ存在しなかったりするものだったりします。
実際に何が壁になっているのか、例をご紹介しましょう。
辞められないのはなぜ?転職を阻む壁とは

退職を切り出すのが怖い
ブラック企業と呼ばれる会社は、たしかにこの特徴をもっています。普通の会社とは違い、ありとあらゆる手段を使って引き留めようとするんです。
脅迫ともとれる、感情的な攻撃をしかけてくることは十分に考えられます。
しかし、本当に会社側が退職を阻むことはできるんでしょうか。
答えは、ノーです。
そもそも、人生の中で辞められない仕事なんて存在しません。
ブラック企業からの脱出を達成するために必要なものは、あなたの「退職したい」という決意と、適切な対処法、この二つです。とてもシンプルです。
だから、絶対に無理だということはありません。
職歴に傷がつかないか心配
たしかに、その気持ちとてもよく分かります。
何たって私は、8回も転職しているからです。
しかしこんなに職歴だけ見れば不利な私が、現在でもちゃんと仕事をしています。ウソではありませんよ。
それを踏まえさらに別の角度からも考えてみてください。
あなたの職歴と、あなたの今と将来の体やメンタル、どっちが大事ですか。
答えは簡単ですよね。
なので結局のところこの種類の壁も、あなたの決意さえあれば、あとは適切な対処法をとることで乗り切ることができます。
金銭的に余裕がない
今の仕事がそれなりに良い給料で、手放してしまうと次の仕事ではぐっと下がってしまうのではないか、そうなったらちゃんと生活していけるだろうかとは、誰しも思うもの。
その気持ちも、とてもよく分かります。実際私が転職している中で収入の変動はありましたから。
しかしながら私も、転職先を決めることなく短期間の行き当たりばったりで退職することはお勧めしません。
なぜなら、転職にはどの程度の時間がかかるか分からないからです。もしも退職した後に転職先がなかなか見つからなかったら、本当に経済的に苦しくなるのはご想像通りですよね。
なのでまずは、転職先を探すことにとりかかりましょう。
しかしながら、転職先が確保できていない場合でも、これだけは比較してください。
自分の心身を削りながらそれなりのお金をもらうことと、生活が不便になっても人間らしさを取り戻していくこと、どっちを取りますか。
今のあなたはこの判断も誤ってしまうくらい消耗してしまっていますか。
「会社ではなく、自分が悪い」
これは、本当にそうなんでしょうか。
自分の能力や適性と会社が噛み合わなければ即すべてがブラック企業と言えるわけではないという見解を、この記事の前の部分で示しました。
仕事によっては、浅い経験では対応するのは難しく、厳しい訓練によって成長に時間を要するものがあるのはたしかに事実ですよね。
しかしながら、この記事で考えているように、法令やコンプライアンスを無視して労働者に不当な環境を与えている会社は、確実に区別しないといけません。
そういった会社には、どんなに長い期間いようが労働者にとっては不利益なんです。
しっかり見極めて、自分がこれからも居続けるべきなのかどうか考えてみてください。
転職にあてる時間や体力がない
その気持ちも、よく分かります。前述の彼もその辛さはよく口に出していました。
たしかに、この項目までで考えたように、ブラック企業から脱出する前に、次の仕事を確保しておくことはかなり重要です。
しかしながら、最悪それができなくても、意外となんとかなります。
大抵の企業は、雇用保険の加入が義務付けられているので、ましてやブラック企業で勤めていた人であれば、失業給付金を受給するという選択肢があるんです。
参考:厚生労働省 雇用保険制度
このように、法制度を正しく理解することで、転職や退職という選択肢を阻む壁が、少し小さく見えてきませんか。
ブラック企業からうまく脱出するには

では、ブラック企業と決別するのをためらう理由がなくなったところで、前項までの対処法についてまとめておきます。
要は、人間関係と同じで、順番を間違えるとすこし厄介なことになります。
- 退職日を余裕をもって決める
- 転職先を探す
- 退職までに転職先の確保が難しいならば、失業保険受給の手続きをする
- 1〜3カ月前程度を目安に、退職の意思表示をする
退職日を決める際には、転職先の都合、有給休暇の消化などを考慮に入れましょう。詳しい退職の仕方については、他の記事でまとめているのでご覧ください。
さらに、転職先を探すためには、転職サイト、求人情報誌に加え、転職エージェントを使うのがお勧めです。よく選べば、転職に関するアドバイスから転職先との折衝まで、きっと強力な味方になってくれることは間違いないでしょう。
転職エージェントの比較については下記のリンクからご参照ください。
まとめ

いかがでしたか。あなたやあなたの周りにいる人が、ブラック企業から脱出するのを阻むいくつかの要素についてまとめました。
ブラック企業に就職してしまい、心身共に疲弊しきってしまうと、この記事で考察したように筋道立てて正常な判断を下して行動するということができなくなってしまいます。
その結果、「転職なんてできない」という、根拠のない不安が大きな壁となってしまう。
生きている楽しさがなくなり、最悪の場合、死んだ方がマシだと思うほどです。決して大袈裟ではありません。
そのような状況に陥ってもなお、周りの人が仕事を変えるよういくら説得しても、本人が納得してくれないこともあります。
だからこそ、そうならないうちに手を打って行動しなければならないんです。すべては人生の中で限りある時間と自分を守るためです。
ですから、仕事の選択肢の幅を広げるという観点から、まずは転職について真剣に考えてみることをお勧めします。
思い立ったその時が、最速の決断のタイミングですよ。


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