毎年ブラック企業大賞の受賞企業がニュースで話題になります。
そのニュースを見るたびに、「こんな企業があるのか」「そんなことするなんて信じられない」と思いますよね。実際に過酷な環境のせいで過労自殺や精神的な病気になってしまう人もいます。
本当にブラック企業というものは恐ろしいものです。






もし今でも勤めていたらと思うと、精神的に疲れプライベートを充実させることなんてできなかったと思います。その時はいつもネガティブで自信がなかったですし。
でも今は新しい職場で元気に働いています。前と違ってポジティブで明るくなったのでそのおかげか、かっこいい彼氏ができてプライベートも充実しています!

それでは、今は輝いているA美さんが以前勤めていた企業の説明も加えながら、2017年までの歴代受賞企業とその後を見ていきましょう。
ブラック企業大賞とは?

みなさん、ブラック企業大賞はご存知でしょうか。
2012年に始まり、パワハラやセクハラ、長時間労働に残業代未払いなど、労働面で問題視されている企業、いわゆるブラック企業のその年の頂点を決める企画です。
そもそもブラック企業とは、次のように説明されます。
ブラック企業とは・・・・①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業、②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)。
引用 ブラック企業大賞
ブラック企業大賞ではこのように説明しており、このような問題がある企業を大賞に選んでいます。そして、ブラック企業という言葉ができたのには様々な理由が言われていますが、バブル崩壊が原因ではないかとも言われています。
バブル崩壊その後
不動産や株に投資していた企業の経営は破たんし、そこに貸し付けられていた資金は不良債権となり銀行の経営を圧迫します。銀行も資産の売却で切り抜けようとしたため、さらに不動産や株式の価格は下がりました。もちろん生き残った企業の経営も厳しくなり、給与面や雇用にも大きな影響が出てきます。そのため消費も急激に冷え込んでしまいました。
バブル崩壊と雇用
バブル崩壊では会社の倒産により失業した人も多く出ました。また、日本では当たり前だった終身雇用の考え方も変化し、リストラによる正社員の解雇、非正規労働者の雇用が行われるようにもなりました。
引用 エン転職
会社の経営が厳しく、リストラなど正社員の解雇に始まり、社員が少ない中「残業するな」と言われても残業しないと仕事が終わらない、この悪い流れからブラック企業が生まれたというわけです。
ブラック企業という言葉自体は、もともと暴力団関係者と関わりがある会社、いわゆる黒い交際をしている企業のことを指していました。今は労働基準法など無視した労働問題がある会社のことも言うようになったというわけです。


これまでの歴代受賞企業を見てみよう

では、これまで受賞された企業を年代順に2017年まで見てみましょう。2018年以降はほかの記事でまとめてありますのでご覧下さい。
2012年 受賞企業
大 賞: 東京電力 株式会社
市民賞: 株式会社 ワタミ
業界賞: 株式会社 富士通ソーシャルサイエンスラボラトリ
株式会社 フォーカスシステムズ
ありえないで賞: 株式会社 ゼンショー
特別賞: 株式会社 ウェザーニューズ
大賞の東京電力は長年にわたり労働者に危険な被ばく労働をさせていたのが大賞の理由です。また、下請け会社に外注しその業者が偽装工作をしていたのが発覚した点も理由の一つです。



2013年 受賞企業
大賞:ワタミフードサービス株式会社
業界賞:アパレル業界:クロスカンパニー株式会社
特別賞:国立大学法人 東北大学
教育的指導賞:株式会社ベネッセコーポレーション
居酒屋チェーンや介護事業を全国展開しているワタミフーズサービス株式会社。入社してわずか2か月で過労自殺に追い込まれてしまったそうです。労災として認められたにもかかわらず、同社は責任を認めず遺族への面談も謝罪もないという。



2014年 受賞企業
大賞: 株式会社ヤマダ電機
WEB投票賞 : 株式会社ヤマダ電機
業界賞:アニメ業界:株式会社 A-1 Pictures
業界賞:エステ業界:株式会社 不二ビューテ(たかの友梨ビューティクリニック)
特別賞 : 東京都議会
要努力賞 : 株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)
株式会社ヤマダ電機は日本の家電量販店大手チェーン。契約社員として入社し正社員として雇用されいきなりフロア長という管理職として扱われ、過労自殺してしまったという。労災認定されたが、ヤマダ電機側は全面的に否定している点や、他にも過労自殺者が出ている点で受賞。

実は、ヤマダ電機は、12年だけでも、244億円の広告費を投入している大スポンサーなのだ。この規模は「単独決算の企業別ランキング」の7位に入っており(日経広告研究所「有力企業の広告宣伝費」/12年)、事実上、広告費が主な収入源であるマスコミにとって、批判することはタブーとなっているのだ。
引用 LITERA
大賞になるとよくメディアに取り上げられますが、マスコミにとって広告費の収入減がなくなるのは厳しいため、取り上げられなかった可能性があると言います。


2015年 受賞企業
大賞: 株式会社セブンイレブンジャパン
WEB投票賞 : 株式会社引越社関東(アリさんマークの引越社)
ブラックバイト賞 : 株式会社明光ネットワークジャパン(明光義塾)
特別賞 : 暁産業株式会社
アリ得ないで賞 : 株式会社引越社関東(アリさんマークの引越社)
株式会社セブンイレブンや株式会社明光ネットワークジャパンのどちらも、学生アルバイトに低待遇で正社員並みの労働をさせていた点で受賞となった。セブンイレブンの場合フランチャイズの店舗がほとんどで本社が利益を過酷な搾取したため、そのしわ寄せが学生アルバイトにきたという。


こちらのイラストのとおり、フランチャイズとはフランチャイズ本部から、お店の看板、確立されたサービスや商品を使う権利をもらい、その対価をフランチャイズ本部に支払うという仕組みのことを言います。
上記のロイヤリティというのは本部からノウハウを享受する代わりに、フランチャイズ加盟店が本部に対して支払うお金のことです。例えば利益の何%など支払い形態を決めて支払います。
セブンイレブンの場合だと最大76%もとられてしまうらしいため、そのため従業員が汗水流して様々な仕事をしたとしても、給料は低い状態のままとなってしまうのです。
参考 フランチャイズ007

2016年 受賞企業
大賞:株式会社 電通
業界賞:ディスグランデ介護株式会社(「茶話本舗」FC企業)
業界賞:株式会社プリントパック
ブラックバイト賞:DWE JAPAN株式会社(「しゃぶしゃぶ温野菜」FC企業)
特別賞:日本郵便株式会社
ウェブ投票賞:日本郵便株式会社
大賞の株式会社電通は日本最大の広告代理店で、広告代理店グループとして世界5位の規模の企業。ここでも時間外労働が月105時間という超長時間労働に加えて、上司からのパワハラによって精神的に追い込まれ、過労自殺者が出てしまい、その改善が放置された点での受賞。



他にも保険や貯金のノルマもあったりほかにも投資信託やカタログ物販など、ノルマだらけで局長自体もストレスがたまっており、そのイライラが社員に向かうパワハラみたいなこともあって私は嫌になって辞めました。
でもこれらの問題は局によって違いますけどね。

2017年 受賞企業
大賞: 株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
特別賞:大成建設株式会社・三信建設工業株式会社
業界賞:新潟市民病院
ブラック研修賞 ゼリア新薬工業株式会社
ウェブ投票賞 日本放送協会(NHK)
株式会社引越社は、引越業務を専門とする日本の運送会社。男性営業社員をシュレッダー係に配転し懲戒解雇。不当労働行為と東京都労働委員会は認定し解雇撤回したが、その後もシュレッダー業務を強いるなどの行為が続いたという。


大賞を受賞した企業のその後

アリさんマークの引越社でおなじみの株式会社引越社は二度も受賞されてしまっています。では、大賞を授与された企業はその後しっかり改善しているのか、ここが一番気になりますよね。
それでは、実際に働いたことのある方の声を見てみましょう。
2012年大賞 東京電力株式会社
出向先だが、勤務時間は平均的。残業もほとんどなく、働きやすかった。本社も残業は極力減らす方向と聞いている。
50代 / 男性 / 元社員(正社員) / 企画・事務・管理系 / 東京電力ホールディングス株式会社
口コミ投稿日:2018年06月23日事故後の復旧要員として、月2回宿直が当たっていた。宿直手当はつくものの、時間外勤務とは見なされない。
免震棟から外には出られず、夜中も緊急事態に備えている必要があり、明らかに休憩時間とは異なる性質のものであるのに、生産性のない時間として見なされていた。
40代 / 男性 / 元社員(正社員) / 電気・電子・機械系エンジニア / 東京電力ホールディングス株式会社
口コミ投稿日:2018年06月23日
引用 カイシャの評判
本社や管理部で働く人にとって改革はされているようですが、現場のほうは未だに改善は難しそうに思えます。しかし、本社から残業を減らす方向にしているあたり、改善に向かっているようですね。
2013年大賞 ワタミフードサービス株式会社
社名変更や吸収等あったため、株式会社ワタミの評判となります。
良くも悪くも会社として、現在は残業が出来ない仕組みを作ろうとしています。研修なども激減しましたし、それらも就業時間として全て反映されます。そのため、体力面で辞めてしまわれる方はほとんどいません。他の外食企業に比べるとかなり労務環境は良いと思います。
30代 / 男性 / 現社員(正社員) / 営業系 / 株式会社ワタミ
口コミ投稿日:2016年04月24日労務環境を会社として整えようとしており、かなり改善されましたが、社員全員の意識改革まで至っていないところがあるため、社歴の長い上司だと部下を集めて休日にミーティングを開催するような方も稀ですが存在します。
30代 / 男性 / 現社員(正社員) / 営業系 / 株式会社ワタミ
口コミ投稿日:2016年04月24日社員は月140時間以上残業をつけられないので皆タダ働きをしていた。社員の手取りはアルバイトより少なく、これが理由でアルバイトに甘んじるベテランもいた。社員は、休日に植林(企業の環境活動)に駆り出されたり、社長の自著を読んで感想文を書かされる。家に帰る暇もない店長など店舗最寄りのシャワー付きネカフェで寝泊まりしていた。社員寮はあるが古くて狭い(場所にもよるかもしれない)。人の出入りが激しいので送別会が多い。監査が入るため店舗を大掃除する「シップ」という日があり、掃除の間はアルバイトも時給が出ない。店舗会議(頻回)も時給が出ない。すべて店舗での話で、エリアマネージャー以上になると待遇が変わるかもしれない。
20代 / 女性 / 元社員(非正社員) / 販売・サービス系 / 株式会社ワタミ
口コミ投稿日:2018年03月13日
引用 カイシャの評判
こちらも本社や営業の人は改善されてきているようですが、現場はまだ労働環境に問題があるようですね。サービス業界は人手不足など問題になりがちですので、現場の声をしっかりと本社に届くようなシステムを作り、それにより改善してほしいです。


2014年大賞 株式会社ヤマダ電機
月に必ず9日間、休みを取れます。プラスで年間3連休と4連休というのが取れるので休みを取れないなどのことはありません。今年からは必ず年に5日間は有給を使わないといけないので、少しだけ休みが増えます
20代 / 男性 / 現社員(正社員) / 営業系 / 株式会社ヤマダ電機
口コミ投稿日:2019年04月17日営業時間が決まっているためダラダラとお客様が居座ることはない。自分のタイミングや流れで仕事ができるので、勤務時間も頑張ればそこまで拘束されず帰ることができる
30代 / 女性 / 元社員(非正社員) / 営業系 / 株式会社ヤマダ電機
口コミ投稿日:2019年03月17日勤務時間はとにかく長い。営業時間が10時~22時まででお客様が帰ったあとにも色々やることがあり拘束時間が長い
30代 / 女性 / 元社員(非正社員) / 営業系 / 株式会社ヤマダ電機
口コミ投稿日:2019年03月17日
引用 カイシャの評判
口コミを見てみると、店舗によって拘束時間が長くなってしまう場合もあるようですが、休日がしっかりとるような仕組みが作られているように見えます。
大賞に受賞されてしまってから、このように少しずつ改善されています。ヤマダ電機も土日が稼ぎ時のサービス業に含まれるので飲食店はぜひ見習ってほしいと思います。
2015年大賞 株式会社セブンイレブンジャパン
アルバイトなのでちゃんと休憩があり、6時間以上は45分、8時間以上は1時間の休憩がちゃんとあります。
20代 / 女性 / 現社員(非正社員) / 販売・サービス系 / 株式会社セブンイレブンジャパン
口コミ投稿日:2018年05月20日残業改善に取り組んでいるが、仕事内容の見直しが追い付かず、隠れ残業が発生しています。
一概に言えないが、上の人の裁量に仕事量が依存しているため、人によって仕事量が爆発的に増える傾向にあります。仕事の進め方も個人裁量の傾向が強いため、属人化しやすい傾向が強い
30代 / 男性 / 現社員(正社員) / 販売・サービス系 / 株式会社セブンイレブンジャパン
口コミ投稿日:2017年02月25日
引用 カイシャの評判
口コミ自体が少なかったため、すべてが改善されているのかは断定できませんが、悪い口コミは少なかった印象があります。
しかし最近ニュースで、セブンイレブンでは24時間営業を19時間営業にしたオーナーに違約金として1700万円を請求したトラブルがあり、それに伴い時短営業するのか実証実験していますよね。



2016年大賞 株式会社 電通
22時で退館の規則があるので、それまでになるべく終わらせようと頑張れます。
30代 / 女性 / 現社員(非正社員) / 営業系 / 株式会社電通
口コミ投稿日:2019年04月07日部署によって、会社が違うかと思えるほどに雰囲気やルールが違うため、一概に会社単位でこうだとは言い切れない。
30代 / 女性 / 現社員(非正社員) / 企画・事務・管理系 / 株式会社電通
口コミ投稿日:2019年02月11日
引用 カイシャの評判
労働時間に対しては22時退館規則があるため、改善はされてきています。しかしパワハラ問題に関しては、上記の口コミのように部署によって違いの差が大きく、改善の判断は難しそうですね。
パワハラやセクハラの問題は表沙汰にされにくく口コミサイトでさえ判断が難しいので、転職を考えている方は転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
2017年大賞 株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
和解内容
1年半以上続いた裁判は、和解という形で決着した。
その結果、Aさんは今年6月1日から、営業専任職に復帰することになった。
給与は営業職だったときの水準に戻された。さらに引越社関東は、配置転換についての謝罪と、さらに懲戒解雇と「罪状ペーパー」についての謝罪もすることになった。
引用 BuzzFeedNews
企業側は認め、被害者の方にしっかり謝罪し復帰という形となり、被害者の方はこれまで本当につらかったであろうと思います。このような社員は二度と出してほしくないですね。
A美さんが働いていた会社の受賞後
郵便局では年賀状の自腹購入やA美さん曰くパワハラもあるとのことでした。実際に今も働いている方の声を見てみましょう。
小泉改革のあおりで、郵政民営化が実行され、すっかり営業営業の会社になりかわってしまった。JPグループ商品は、他社より時代遅れでちょきん、保険もライバル社に大きく水をあけられている。年賀、かもめーるも自爆でノルマで苦しみ、何のための民営化かよくわからない。
50代 / 男性 / 現社員(正社員) / 営業系 / 日本郵便株式会社
口コミ投稿日:2019年03月31日良くも悪くも局長次第、民営化されたといってもやはり「個人商店」局長が気にしてくれればこちらが訴えると直ぐに動いてくれますが、その逆もあります。50代 / 女性 / 現社員(非正社員) / その他 / 日本郵便株式会社
口コミ投稿日:2019年03月17日
引用 カイシャの評判
全然改善されているようには見えないですね。また、A美さんが言っていた通り局によって違いがあるようですね。民営化されたことがこのような悲劇を招いているのかもしれません。


まとめ
ブラック企業大賞2017以前の歴代受賞企業を見てきました。
どの企業も様々な労働問題がありましたが、すべての問題が働いている人の人生、その周りの人の人生も狂わせてしまうものです。
A美さんはそうなる前に辞めることができ、今は明るくプライベートも充実させています。転職を考えている方は、ブラック企業大賞を受賞してしまうようなブラック企業に入社して一度きりの人生を苦しいものにしないようにしましょう。
ブラック企業に入社しないためのチェックポイントをまとめてありますのでこちらの記事もご覧ください。




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