2019年4月より働き方改革関連方が施行されました。あなたの働き方に何か影響は感じていますか。
それどころか「真っ黒だ。ウチの会社はブラック企業だ。働き方改革するぐらいならもう逃げ出したい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
おや、見覚えのある人がやってきました。









以前から仕事の相談に来ていた後輩ですが、やってしまいましたね。
ブラック企業ならすぐ逃げたほうが自分のためと言えますが、たとえブラック企業だったとしても勢いで辞めてはいけません。退職後、あせりから別のブラック企業に入社してしまい無限ループになる可能性もあります。
あなたが会社を辞めたいのは、ただ辞められればいいわけではないですよね。
健康的で充実した毎日を送れる仕事に就きたい、その希望が叶えられていないから辞めたいと悩んでいるのではありませんか。
この記事では、やってはいけない辞め方と合わせてブラック企業退職のステップを解説します。
- ブラック企業にうっかり入社してしまったと思っている人
- 入社した会社がブラック企業かもしれないと悩んでる人
- 入社して半年以内だけど会社を辞めたいと悩んでいる人
Contents
やってはいけないブラック企業の辞め方

冒頭でも触れましたが、たとえブラック企業であってもやってはいけない辞め方が2つあります。それは勢いで辞めること、けんか別れで辞めることです。
勢いで辞める
勢いで辞めた場合、ブラック企業から逃げ出して安全を確保できるものの、リスクもあります。
- 生活資金で苦労する
- 次にやりたいと思える仕事が見つからない
- 転職理由をうまく答えられず面接に合格しない
お金の問題に直面
勢いで辞めると、必ず直面するのはお金の問題です。
自分で生計を立てている人は、生活していくための資金が必要ですよね。
「雇用保険で失業給付金だってもらえるんでしょ?貯金も少しあるし大丈夫でしょう」と安易に考えていると、痛い目に合うことがあります。
退職した後に必要なお金は生活資金だけではありません。会社が今まで給与から天引きで支払ってくれていた所得税や住民税、健康保険料、厚生年金など、勤めているときには目に見えなかった支払いがやってきます。
また、失業給付金は退職後ハローワークに申請することで受給は可能ですが、自己都合退職の場合は受給申請後に7日間の待機期間を経て、さらに3ヶ月間の給付制限期間を過ごす必要があります。
実質、失業給付金の支給まで約4ヶ月かかるということです。
その間アルバイトで収入を得ることもできますが、月に14日未満、週20時間未満が目安とされています。やりすぎると就職したと見なされて受給できません。貯金が少ないならなおのこと、現実的に見て生活は厳しくなります。
受給を待っているより次の職に早く就いた方が、ブランクを開けずにキャリアを築けるという見方もあります。
約半年分の生活費の蓄えがある、実家に頼ることができるなど、金銭的リスクを抑えるめどが経っているなら失業給付金をあてにしてもよいですが、お金の問題はシビアに考えておいたほうが得策でしょう。
雇用保険制度についての詳細は、ハローワークのページを参考にしてください。
次にやりたい仕事が見つからない
激務で考える体力も精神的余裕もなく、とりあえず退職してしまおうと考えることもがあるかもしれません。
「仕事がつらいので退職して、先のことはゆっくり考えたい。よし、勢いで辞めてしまおう。」
しかし気持ちにゆとりができたものの、いざ次にやりたい仕事が見つからないというのはノープラン退職者にはよくある失敗例です。
@blowryu 辞めちゃうとスッキリするもんですよ、時間も好きなように使えますしね。ただ復帰するのが困難だろうってのを承知するのと、ほんとに辞めちゃっていいタイミングかとか、色々見極めしないで勢いだけだとしくじったーって後悔するかもなんで、判断は慎重に。悩んだ末に辞めた身より。
— コタロウ (@MisoZZR600) August 27, 2010
あせりからこれならできそうと思った求人に片っ端から応募して、たまたま採用された会社に就職。その会社がまたブラックだったとなれば、目もあてられません。
転職理由をうまく答えられない
勤めている会社がブラック企業なら、自分の身を守るためにも退職を急ぐことに反対するつもりはありません。
しかし目の前の嫌なことから逃げる目的で転職を考え、勢いで退職してしまうと、将来どうなりたいのかという自分のビジョンがないことが多く、面接の際に転職理由を答えられない原因にもなります。
人間関係が原因で辞めました、残業が多いので辞めました、と嫌なことを転職理由に挙げてしまうと「また辞めてしまうのでは」「実はあなたにも問題があるのでは」と採用担当者にはマイナスに映ります。
けんか別れで辞める
上司とけんかして、もめた末に会社を辞めたという話を結構な頻度で耳にします。立つ鳥、跡を濁して退職する戦法ですね。
「辞めたいと相談しても上司が聞いてくれない。どうせ辞めたらもう関係ない、強行突破で辞めてやる。」というわけです。
具体的に行動で表現すると
- 職場放棄して蒸発(無断欠勤退職)
- 上司とけんかして、合わないことを理由に人事部へ直訴して一方的に退職
- 会社の名誉を害するような行いをはたらき懲戒解雇で辞める
などがあります。
これらのけんか別れ退職は、あなたにとってデメリットでしかありません。理由は簡単で、あなたの信用を失うからです。
けんか別れをして退職すれば、その会社には今後出入りは出来ませんし、関係者とは関わりづらくなりますよね。
自分が辞めるだけだから他の人には関係ないと思うかもしれませんが、あなたの辞め方がひどいと一緒に働いていた従業員からも信用をなくしますし、突然辞めた場合にはその会社の取引先からの信用度も下がります。
世の中は何が起こるかわからなくて、ひょんなことから過去の職場の人と再会したり、一緒に仕事をすることになったり、次の転職先で取引先になるといったことも考えられます。
また転職活動の際、応募先の企業が前職の会社へ退職理由を調査することもまれにあります。
そんなことをされたら不採用確実ですよね。
あなたが想像している以上に、人との関わりというのは今後どうつながっていくか予想ができないのです。それなのに信用を失ってまで辞めることにメリットはあるのか、よく考えてみてください。



ブラック企業を辞めるための処方せん

勢いで辞めたり、けんか別れ退職はしてはいけない理由はおわかりいただけたと思います。
そうは言ってもブラック企業はイヤだ、今いる会社をすぐにでも辞めたいと感じているあなたへの処方箋をお出ししますね。
あなたの会社は本当にブラック企業?
まずはじめに、あなたの会社が本当にブラック企業なのか冷静に見つめ直すことからはじめてみてください。
新入社員の研修期間中にブラック企業だと感じている場合は、こちらの記事が参考になります。
本来、新入社員研修は社会人としてのふるまい方や、業務の基礎知識を身に着けてもらうことが目的です。そうではなく、社員を会社に定着させることしか考えていない研修をしている会社はブラックの可能性が高いです。
また、ブラック企業には社員を消耗品扱いしていると分かる特徴がいくつかあります。
- 36(サブロク)協定違反の可能性がある
(残業代が出ない/休日出勤を含め、残業時間が月間60時間を越える月が毎月のようにある) - 有給が取れない
- 親族や友達の冠婚葬祭に出席したくても休めない
- 従業員の入れ変わりが激しい
- 上司からのセクハラやパワハラが多い
- 会社を辞めたくても辞めさせてくれない
36協定(参考:労働条件に関する総合情報サイト)とは、企業が労働基準監督署に届け出なければならない協定です。
1日及び1週間の労働時間や休日日数には労働基準法で定められていますが、企業がこれを超えて社員に時間外労働や休日労働をさせる場合には、あらかじめ36協定を締結して労働基準監督署に届け出る義務があります。
詳しい説明は参考元サイトに譲りますが、36協定を結んでいても残業はタイムカード打刻後にするよう指示されたり、休日出勤しているのに出勤扱いにされないなど不当な扱いを受けている場合は労働基準法違反でブラック企業である可能性が高いです。
私の友人が飲食チェーン店で勤務していた時の話ですが、実際に労働基準監督署が調査に入ったことがありました。従業員不足でリーダークラスのアルバイト社員の残業がかさんだため、店長がタイムカードの退勤を打刻してから発注業務をするよう指示していたそうです。
労働基準監督署からは厳重注意で済みましたが、店長は本社から厳しい叱責を受け、1ヶ月の出勤停止処分がくだされました。別のヘルプ社員が配置されて、労働環境は改善されたそうです。
今思えば、アルバイト社員の誰かが労働基準監督署に相談したのかもしれないと友人が話していました。
こちらの記事では、ブラック企業の特徴について詳しく説明しています。
ブラックと感じるかどうかは主観的という見方もある
本当にブラック企業なのか、最初に見つめ直すようお伝えしたのには理由があります。
ブラック企業と感じるかどうかは主観的であり、辞めないほうがよい場合もあるからです。
下図は職場で起きている問題に対してブラックであると認識しているかどうかを調査し、指数で表したグラフです。

どの問題もブラックであると認識している指数が2.5と高いですが、ブラックと認識していない指数値も1.5程度あります。
ブラックと認識していない指数部分もあわせて調査したデータによると、所得が高いほどブラック認識につながりにくい傾向にあるそうです。また、長時間労働であるほど勤務先をブラックと認識しやすいそうです。

あなたが今の会社に入社した理由は何でしょうか。たまたま採用された、やりたいことがあった、自分が成長できると感じたなど、入社動機を今一度振り返ってみてください。
今ブラックだと感じていることが主観に寄り過ぎていないか、冷静に見つめてください。
一時的なもので目の前のイヤなことだけを解決したくてブラックだと思っていませんか。仮に転職できたとして、給料が今より下がってでも転職したいと感じていますか。
会社のイヤな部分しか見ていないだけで、入社してよかったと思えたことはありませんでしたか。今直面している困難なことを乗り越えたら、成長できる可能性はないでしょうか。
退職すれば、職歴として経歴に記すことになります。後で辞めなければよかったと後悔しないでしょうか。
いくら自分に問いかけても明らかに不当な扱いを受けている、ブラックであると自分で判断したなら退職に向けて動き出しましょう。
どんなかたちであれ円満退職をしよう
あなたが勤める会社がブラック企業であると改めて認識できたら、退職について一言だけいわせてください。
どんなかたちであれ、円満退職の一択で会社を辞めましょう。

上司がムカつく!つぶしてやりたい!
会社に一矢報いたい!
そんな思いが内心あったとしても、退職する理由として伝えないことです。けんかをして辞めないことでもお話しましたが、自分の信用度を、未練もない会社のせいで減らす必要はないですよね。
どんなに理不尽な状況であったとしても、ここは大人になって「私が辞めたいので辞めます。今までお世話になりました。」の言葉だけを伝えましょう。
ほとんどのケースは、この一言で円満退職可能です。
あなたが感謝の気持ちを添えて退職の意思を示しすことで、ムカつくと思っていた上司とも、もめることなく有給消化できるかもしれません。目には目をと力でぶつかろうとすると退職までの手続きもこじらせることになるので、円満退職を目指しましょう。
円満退職できないときは
会社も上司も全く取り合ってくれない。
退職届を提出しても拒否される。
円満退職できそうにない。そんな場合にできることを紹介します。
- メールもしくは内容証明郵便で、人事部長などの責任者あてに退職届を送る
→退職の意思表示をしたことの証跡を残す - NPO法人へ相談する
→労働基準監督署や弁護士に相談するよりは気軽 - 退職代行サービスや弁護士相談の利用を検討
→費用が発生する - 労働基準監督署に申告して、会社へ指導してもらう
→ハードルがやや高い
1の証跡を残す行為は、2以降の相談を利用する場合にも非常に有効です。人事責任者に退職届を送るだけで、会社が受理して解決することもありますので、円満退職できずにもめた場合は、まず退職の意思を証拠として残しましょう。
内容証明郵便とは、「誰が、誰あてに、いつ、どんな内容の書面を送ったか」ということを郵便局が公的に証明する郵便です。
4の労働基準監督署への相談は、違反を犯している悪質な会社と認定しないと動いてくれないことが多いので、できる限りのことをしても退職出来なかった時の最後の手段としてとっておきましょう。
入社して半年以内だけど辞めたい

新卒で入社したけれど研修からブラック企業だった、中途入社して半年たっていないけれどブラック企業だったので退職したいとお悩みの方には、前章の処方せんとあわせてこちらも参考にしてみてください。
転職で不利になることは覚悟する
ブラック企業だとわかっていて、仕事を継続することが自分のためにならないと判断したのなら、半年以内でも退職しましょう。
心も身体もボロボロになる前に、ブラック企業を見限って次の未来に向けて行動することは逃げではありません。
ただし転職では少なからず不利になることは覚悟しましょう。これは予想できますね。履歴書・職務経歴書にも半年以内で退職した経歴が記載しなければなりませんし、面接に進めたとしても「前職を半年で辞めた理由は何ですか」とほぼ聞かれると思ってください。
パワハラを受けていた、ブラック企業だったという理由では通用しませんが、退職理由を嘘偽りなく、何が違法だったかを端的に書類上でも面接でも説明できれば、「それじゃ辞めたくもなるよね」と理解を示してくれる企業も中にはあります。
私も半年で辞めてしまった会社があり、その次の会社が決まるまでに2年かかりました。
それまでも転職が多かったため(キャリアアップのための自己都合ではありますが、履歴書上ではそう読み取ってもらえるとは限らない)、かなり苦労しました。書類応募での通過率は3割弱でしたね。面接では半数ぐらいは「なぜ短期で辞めたか」聞かれましたが、基本的には正直に「合わなかった」「転職後急に業績が悪化して想定していた環境と違った」と答えました。
ただ、「自分は本来どういう職場・仕事を希望していたか」「その職場はなぜ自分に合わないと判断したか」も補足しました。
ちなみに、人材紹介会社からは「聞かれないうちは自分からわざわざ触れるな」と言われましたけどね。面接に呼ばれるということは、「短期の退職云々はそれほど気にしない(理由次第)」ということだろうと思います。
上記の説明でその先の面接まで進んだところもありましたし、途中で不採用の結果が出ても、理由はもっと違うところ(経験・能力不足)だったろうと思います。(必ずしも正直な理由を言われているとは限らないが)(以下略)
引用:Yahoo!知恵袋
また、新卒で入社した会社を半年以内で辞める場合、第二新卒枠として転職が成功すると紹介している記事を見かけますが、鵜呑みにしないほうがよいでしょう。
学校を卒業して就職後、約3年以内に転職を希望する人のこと。年齢的に若く行動力があり、教育コストがかからない人材として主に人手不足の業界から需要がある。
第二新卒枠で転職できるのは同じ職種への転職の場合だけで、しかも職歴が第二新卒の上限の3年に近い人が圧倒的に有利です。企業側から見て半年では経験が少なく、即戦力になるとも言いがたいので採用されるのが難しいのです。
なかなか次の仕事が決まらないと、「未経験OK」をうたった企業に目がいきやすくなり、再びブラック企業を選んでしまう懸念があります。
仕事を通して成しとげたいことは何かを考える
半年以内で退職し、次の転職を成功させるには、どうしてそうなったのかを自分自身で分析して採用担当者に伝えられるかにかかっています。
- 改めて、転職するしか選択がないのか確認する。本来転職は避けるべきだけれど、今の会社を辞めざるをえない理由を明確にしておく。
- 半年で転職しても、その後同じ失敗をしないという理由を考える。自分は何がしたくて、今の会社でそれができない理由を具体的にしておく。
- 退職する前から転職活動をはじめておく。転職エージェントを利用するなどして、客観的な意見を得ながら自己分析するのも効果的。
あなたが仕事を通して成しとげたいこと、やりたいことは何でしょうか。
退職理由がブラック企業であるからだったとしても、あなたが本来どうしたいと考えているのか、応募した企業でなぜそれを実現できると感じたのかをアピールできれば、半年以内の退職という不利な立場でも転職できる可能性があります。
自分で考えてもまとまらないという時には、転職エージェントを利用しましょう。すぐに退職したいのであればなおさら、在職中に活動をはじめておくことが大切です。
客観的意見をもらえますし、半年以内退職という不利な経歴をどう書類に表現したらよいかアドバイスもしてもらえます。面接対策もあるのでなるべく早く、合理的に次の職場を決定したいのであれば利用をおすすめします。
こちらの記事では転職エージェント比較をしていますので、参考にしてみてください。
まとめ


ブラック企業にうっかり入社してしまったと思ったら、逃げ出したくなります。繰り返しになりますが、衝動的に退職するのはやってはいけない辞め方です。
時には「なぜこの会社を選んでしまったんだろう」と、自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
そんなとき、こうは考えられませんか。
会社とは人との出会いに似ていて、つきあってみなければわからないことも多いもの。ブラック企業に入ってしまったことも一つの経験として、自分の糧にしていく。
あらためて「自分はどんな働き方を望んでいるのか、振り返る機会をもらった」と思えるようになっていれば、あなたが転職を選択しても、今の仕事を続けることを選択しても、あなた自身のキャリアアップにつながると信じています。
- ブラック企業に入ってしまったとしても、勢いで辞めたりけんか別れ退職はNG
- ブラック企業であるかどうかは、ある意味主観的なもの。本当にブラック企業かどうか、客観的に見つめ直してみることも必要
- ブラック企業なら半年以内で退職してもOK。ただし違法性があったことと、今後自分がどうしていきたいかを端的に説明できることが転職成功のポイント
- 自分は仕事を通して何がやりたいのか、なぜ今の会社でそれができなかったのかを自己分析する
- 合理的に転職活動するなら転職エージェントを利用する


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