あなたがお勤めの会社は「ブラック企業」ですか。もしそうだったら、1日でも早く辞めた方がいいという人が多いですよね。おまけに、辞め方も色々なところで紹介されている。
でも、ちょっと待ってください。あなたがお勤めの会社は本当に「ブラック企業」ですか。そもそも「ブラック企業」って何ですか。
辞める前に、1日だけでいいので考えてみては如何でしょうか。
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「ブラック企業」とは
何をいまさら、とお思いかもしれません。私の勤めていた会社は月間100時間を超える残業なんてざらでしたし、サービス残業も当たり前に行っていました。でも、社員の誰もが、とは言いませんが少なくとも私の近くにいる同僚や同期の間で自分の勤務先が「ブラック企業」だと思っている人はいませんでした。どうしてでしょうか。
「ブラック企業」の定義
「ブラック企業」とは、一般に次のように考えられているといえます。
違法または悪質な労働条件で働かせる会社を指す。長時間労働やサービス残業を強いる「使い捨て型」、大量採用後に必要な人材以外は辞めさせる「選別型」、パワハラや退職強要を放置する「無秩序型」などがある。
引用:朝日新聞デジタル
こんな定義を持ち出すまでもなく、「ブラック企業」と言えば皆さんがイメージするものは大きな差はないと思います。
「ブラック」かどうかは主観的なもの
労働基準法に反する仕事を社員に課すような会社に勤めている人は、みな自分の会社を「ブラック」だと思っているのでしょうか。私の勤めていた会社では、残業代などは法律通りには支払われてはいませんでしたが、前に書いた通り「ブラック」だとは思っていない社員が多くいました。
これについては、会社が「ブラック」かどうかは社員の主観的なもの(参考:違法労働の発生要因と従業員の主観的ブラック企業認識)という研究結果もあります。「ブラック企業」が主観的なものであるとすれば、自分の勤めている会社が「ブラック企業」だと思っているあなた、1日だけ立ち止まって主観的に考えてみませんか。
「ブラック企業」=悪い企業ですか?

世間一般には「ブラック企業」とみなされている会社(客観的に「ブラック企業」)でも、あなたにとってはいい会社(主観的に「ブラック企業」ではない)かもしれません。このような例は少ないかもしれませんが、あなたがこの例に当てはまるならば慌てて退職することは勿体ないことです。また、転職先でも同じような考えから「ブラック企業」だと感じてしまうかもしれません。
「ブラック企業」かどうか主観的に考えよう
ここでは、本当にあなたにとって「ブラック企業」かどうかを考えるヒントをいくつか示したいと思います。こんなの例外で、実際にはあり得ないなんて思っているあなた、これは私自身、あるいは私の周辺のものが感じていたものですよ。第一、給料をもらってする仕事ですから、厳しいのは当たり前とも考えられませんか。
- 競争が厳しい会社には、右肩上がりで成長を続ける可能性のある企業もあるでしょう。このような会社は、ある意味「ブラック」かもしれませんが、会社の中は案外明るく活気があったりしませんか。
- 一流企業、有名企業は社内での競争が激しく、「ブラック」な側面も持ち合わせていると思います。
- 楽な会社は、ゆっくり沈みゆく船のようなものかもしれません。
- 優秀な人には仕事が集まります。忙しいのは優秀な証とも言えます。あなたが同僚に仕事を頼む場合、優秀な人に頼みたいでしょう。
- 働いているの、働かされているの?同じ仕事をしても、能動的に仕事をしていると思ってやるか、受動的に上司にやらされていると思ってやるかで精神的な重圧や疲労度が違ってくると思います。能動的に仕事をした方が、自分の成長も早いと思いますよ。
- 「ぼろくそにけなす」のは愛情の裏返しということはないでしょうか。今の時代、「褒めて育てる」ことが主流になっていますが、おじさんたちの中には叱咤されて育てられた人も多いでしょう。その中には、部下に同じようなことをする人がいるかもしれません。ぼろくそにけなされたら、そのような育てられ方をして、部下に同じようなことしかできないんだなと思ってあげる心の余裕は持てませんか。
- 「離職率高い」は本当にブラック企業ですか。リクルート社は仕事が厳しく社員の離職率も高い、ある意味「ブラック企業」として有名です。でも、転職先で成功する社員が多く、リクルート社も退職ではなく卒業と捉えています(参考:東洋経済オンライン)。
- 会社の問題ですか、あるいは社内のあなたが属している組織や上司の問題ですか。もしそれが会社全体の問題ではなく、組織や上司の問題ならば、労働組合(もしあればですが)に相談するのも解決の一つかもしれません。
社会的な問題
そもそも、どうして「ブラック企業」が生まれてきたのでしょうか。社会的観点からこの問題を取り上げるのは趣旨から離れていきますので、私たちの置かれている状況で関係のありそうなものだけいくつか挙げておきます。
- 日本人の労働時間よりもアメリカ人の労働時間の方が長いという統計がある(参考:主要先進国の労働時間)のをご存知ですか。私もアメリカの会社に勤めている人と関わった経験を持っていますが、彼ら(知的労働者と言えます)はよく働きます。単に会社にいる時間だけではなく、定時に帰って夕食は家族と共にしても、その後自宅で仕事します。また、朝も早くから働きます。彼らは自分を「ブラック企業」に勤めていると考えているでしょうか。
- そもそも、日本人の労働生産性は低い(参考:労働生産性の国際比較)ということは知られています。だから長時間労働をよしとするのではありません。私たちの労働生産性を上げていくことは、皆で考えなければいけませんね。
- 外国人やAIに駆逐されないためにはどうすればいいでしょうか。この4月から外国人労働者の受け入れが拡大されました。また、AIが世の中に浸透してきています。これらは、いずれも今の私たちの仕事の領域を侵すものですし、私たちの仕事自身も彼らと競争することでより厳しくなるのではないでしょうか。
それでも「ブラック企業」だとわかったら

1日立ち止まって考えてみて、やっぱり私にとって「ブラック企業」だとわかったら、どうすればいいでしょうか。その「ブラック企業」を「ホワイト」にする、あるいは駆逐するために立ち上がる、なんてことはできれば理想的かもしれませんが、現実問題として一人の力では無理でしょう。とすれば、その「ブラック企業」から逃げ出す、すなわち転職することが現実的な解決になります。
この方法については、多くの記事がありますのでそれらに譲って、ここでは皆さまの安心のために概要だけを書いておきます。
「ブラック企業」の辞め方
通常の円満退職のように、辞める数か月から周囲に話して引継もちゃんと行って、なんて手順を踏んでられないのが「ブラック企業」の退職です。退職届を内容証明郵便で会社に送付する、なんて方法もあります。それでも不安だという方、安心してください、自分は会社にコンタクトせずに辞めることができるサービスもあります。
転職先の探し方
転職先探しも、無料でサービスを行ってくれる多くの仲介会社があります。これらの会社は本人に代わって候補となりそうな会社を紹介してくれますので、仕事をしながらでも利用することはできます。
但し、転職先候補との面接は自分が行う必要があります。「ブラック企業」に勤めている場合、平日昼間に面接時間をとることが困難なことが考えられます。このため、面接は休日か平日夜間に行ってもらうことになります。サービス業などでこれが通常の勤務時間内であれば別ですが、一般の月金昼間勤務の会社であれば、この時間に面接をやってもらえるということは「ブラック企業」である可能性があるということも考えておかなければいけませんね。
転職先に何を求めるか
転職先を探す上で、何を求めるかは整理しておく必要があります。自分のキャリアや能力が生かせることはもちろんですが、勤務条件が厳しくない「楽な会社」は、上で言ったようにゆっくり沈みゆく船かもしれないということも考えておいてください。成長過程にある「楽な会社」は転職を望むライバルとの競争が厳しいということを十分覚悟しておいてください。また、今はオンリーワンで競争がいないため「楽な会社」ですが、数年後にライバル会社が現れて急に厳しくなるということもあり得ます。
逆に自分に自信があれば、時間的なことも含めて仕事が厳しいことを覚悟して一流企業や有名企業を狙うなんて手もアリかもしれません。
最後に、なぜ自分が「ブラック企業」に入ってしまったのかを整理しておくことをお勧めします。募集要領や会社案内、面接官の説明などのどこかを見誤った、あるいは見過ごしたことも考えられます。同じ陥穽に落ちないためにも、よく考えておいてください。
まとめ
「明るく、朗らか、前向き」これは以前私が関係していた結婚相談所が、結婚に至る会員が備えている資質として多くの会員に勧めていたことです。これらは単に結婚だけでなく、人生を楽しく過ごすためにも大切です。この中でも特に「前向き」は重要な資質であり、誰でも心掛け一つで到達できるものであると思います。
物事には二面性があり、前向き(前の言葉では能動的)に捉えるか後ろ向き(同じく受動的)に捉えるかで見え方が違ってきます。「ブラック企業」かどうかも、前向きにとらえるかどうかで見え方が違ってきませんか。上司の厳しい言葉も、期待するが故の叱咤激励と考えられませんか。
「ブラック企業」に勤めていて辞めたいと思っているあなた、あなたの勤め先が「ブラック企業」かどうかを上で言ってきたことを参考にもう一度考えてみてください。そのとき、前向きに考えることを忘れないようにお願いします。


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