30代の転職をうまく成功させるには資格が必要なの?
そんな思いが私の頭にふと浮かびました。別に転職したいわけではありませんよ(笑)ただ、最近同い年の友人が失業してしまいまして。好景気と言われていますが、不幸なことに、会社が倒産しちゃったんですって。
そんな話を聞いたものですから、私もいざという時に転職に役立つ資格を知っていても損はないだろうと。やっぱり30代ともなると20代の頃に比べて転職の難易度は一気に上がりますからね。
私自身も30歳の頃転職してかなり苦労しました。今思えば、あのとき資格を持っていればよかったな~なんて思います。ですが、ネット上では、「30代の転職は経験が重要。資格を取ってもほとんど意味なし」という声もチラホラ。実際のところどうなんでしょうか?
でも、私は、資格があると30代の転職でも有利になると思います。
じつは、何年か前、私の高校時代の先輩が30歳で失業したんです。前職は超絶ブラックな飲食店でした。毎日朝から晩まで、12~14時間くらいは働いたそうです。
ついに限界がきて逃げるように辞めたそうですが、その後が大変でした。先輩は心身共に衰弱し、まともに動けるようになるまで半年も療養したそうです。いざ、仕事を探そう!というとき、30歳という年齢や、半年の失業期間が影響し、なかなか思ったように転職が進みませんでした。


いつも不安感に襲われています。

それにしても、弱った弱った。。

ところで、先輩、資格なんてどうです?
転職に有利になるって言うじゃないですか!

前にハローワークで資格が取れる講座の案内を見たぞ・・・?
よし、やってみるか!ありがとう、木佐貫!
こうして先輩は、ハローワーク経由で“介護職員初任者研修”の資格を取ることに。すると、どうでしょう!あっという間に転職が決まったんだそうです。
需要が多い業界で、成長産業だったこともあり、今度は人材を大切にする会社に就職できました。いわゆる隠れホワイト企業で、「資格がなければここまでスムーズにいかなかったのでは」と先輩談。
こんな風に、実際のところ、30代の転職でも資格の有無がその後の結果を左右することがあるようです。
そこで、この記事では、私の先輩のように転職活動がうまくいかない30代の方や、転職を有利に進めたい方、資格を活かしてキャリアアップを図りたい方に向けて、30代の転職に役立つ資格情報をお届けします。
30代の転職に役立つ資格がわかる
30代が資格を活かして転職する戦略がわかる
この記事では、資格を活かした転職戦略について、「今までのキャリアを活かして転職したい方」と「まったくの異業種や未経験から転職したい方」の2つのケースからご紹介しています。
ご自身の当てはまる方をご覧になってください。それでは、どうぞ。
Contents
30代の転職に求められるもの

一部では、30代の転職で必要なのは資格ではなく実務経験だ、という声が聞かれます。これは確かにその通りで、私が30歳で転職したときも、お世話になった転職エージェントからそう言われました。
30代の転職では実務経験がまず第一。
では、資格は無意味なのでしょうか?いえ、そんなことはありません。私の先輩のように、転職の目標に合ったしかるべき資格を取ることで、転職を有利に進めることができます。
それでは、30代の転職に必要な資格とはいったいどんな資格なのでしょうか?
30代の転職に有利な資格とは?
結論から言うと、「これがあれば転職が安泰」という資格はありません。「ほら、やっぱりあまり役立ちそうにないじゃん」なんて、がっかりしないでください。
というのも、30代が転職で資格を有利に活かすには、ある条件が必要だからです。
その条件とは
積み重ねたスキルや経験に関連した資格であること
または、
人材不足の業界に必要とされる資格であること
この2点です。両方の条件が揃っているのが最強ですが、どちらか一方でもOK。
「積み重ねたスキルや経験に関連した資格」というのは、ステップアップを目指した転職で役に立つ資格です。
「30代の転職では経験が大事」なことはすでにお話しましたが、経験の深さや仕事で得たスキルの高さを証明する証として資格を取得しよう、という発想になります。
そのためには、あなたが経験を積んできた業界や職種に関わる資格でなければいけません。
極端な例ですが、あなたが事務職のエキスパートとしてのキャリアを活かして転職したいのであれば、「調理師」や「看護師」の資格を取っても何の役にも立たないことがわかるでしょう。あなたが取るべきは「日商簿記検定1級」や「MOS」といった事務スキルの証明になる資格です。
これには、今持っている資格の上位資格や、仕事の幅を広げる関連資格などが該当します。
一方、「人材不足の業界に必要とされる資格」を取るとは、読んで字のごとく、人手不足で転職を成功させやすい業界への就職を狙った場合に、その業界にアピール力が強い資格を取得することです。
ただでさえ受かりやすい業界です。さらにその業界に訴求力の高い資格を持っているとなれば、内定率も格段に上がるでしょう。
前者は、すでにその業界や職種である程度経験を積んでいて、キャリアアップのために転職を図るケースに有効な戦略です。後者は、まったくの異業種、もしくは、経験やスキルがない人が就職を有利にすすめる際に有効な戦略です。
いずれにしても、現実的には、ただやみくもに資格を取ったところで、お金と時間と労力のムダになってしまうことが多々あります。
30代が転職で資格を活かすには、戦略的に資格を取得することが何よりも大切です。
先ほどの先輩の例では、もうすでに人材の需給バランスが崩れ、これからますます人材需要が高まるであろう介護業界に目をつけました。実際、昨今の介護業界では、未経験でも正社員可の求人が多く、若い20代でなくても無資格でチャレンジできる事業所もゴロゴロあります。
このケースは、「人材不足の業界に必要とされる資格」を取得して転職を成功させた好例です。
では、それぞれの戦略を活かして転職活動を有利に進める具体的な方法と、30代の転職で有利な資格をご紹介します。
戦略1:積み重ねたスキルや経験に関連した資格を取る

ここでは、30代の方が転職でキャリアアップを図る際に、資格を有効に利用する方法と具体例をご紹介します。
30代が転職でキャリアアップしようと思ったら、今までの経験やスキルが活かせて、より好待遇の求人や成長機会が多そうな求人に応募するのが一番です。そうなると、転職先は必然的に同じ業界・職種になるでしょう。
このとき、資格の取得は、あなたの能力を証明する箔付けのような位置づけになります。
そこで、あなたが取るべき資格は大きく2つに分かれます。1つが、あなたが既に持っている資格や、その業界・職種でスタンダードな資格の上位版資格を取ることです。もう1つが、決してスタンダード資格ではないけれど、あなたの仕事の幅を広げるような関連資格を取ることです。
では、それぞれの戦略について具体的に見ていきましょう。
上級資格を取る

同じ業界・職種への転職で、最もアピール力が強いのは、上級とされている資格を取得することではないでしょうか。上級の資格とは、国家資格に代表されるような取得が難しく、その分野の高い専門性を証明するような資格や、最高峰とされるような資格のことです。
実際、ご紹介した先輩の施設にも、介護福祉士やケアマネージャーといった介護業界での上級資格を取って転職してくる人が多いそうです。
評判の良い企業にはおのずと優秀な人材が集まってくるのでしょうね。
以下では、事務系、IT系、不動産系、医療・福祉系の上級資格についてご紹介します。
事務系の上級資格
事務職で上級とされる資格には、例えば次のような資格があります。
日商簿記1級
日商簿記検定とは、日本商工会議所が実施する簿記に関する技能検定です。
簿記を学ぶことで、企業の経理事務に必要な会計知識や財務諸表を読む力、経営管理や分析力、コスト感覚などを身につけることができます。なかでも1級は簿記の最高峰資格とされていて、所持していると大企業の会計処理を行う能力があることの証明になります。
- 受験資格 特になし。誰でもチャレンジできる。
- 合格率 10%前後
- 試験日 例年6月、11月の年2回
- 受験費用 2,800円~7,710円 ※第152回
高度な経理の知識やスキルを証明する資格です。取得することで単なる会計処理だけでなく、財務諸表や企業会計の法規(ルール)を理解して経営分析や経営管理ができるようになるため、多くの企業で重宝される資格です。
なので、転職の選択肢も広がり、これからも事務職一本でやっていきたい場合は強力なアピールになります。
ただ、低い合格率からもわかるように難関な資格です。商業簿記と工業簿記の他、会計学や原価計算も勉強する必要があるため、3級、2級と比べて難易度は跳ね上がります。
より上位の資格に税理士資格や公認会計士資格があります。

参考:日商簿記検定試験
税理士
税理士資格は日商簿記検定1級のさらに上位の資格です。
医師や弁護士と同じく、「資格を持っている人だけがその仕事をできる」業務独占資格です。そのため、転職では経理の高い専門能力の証明になります。
会計事務所・税理士事務所や企業の経理部門、M&Aコンサルティング専門部門、金融機関など転職先の選択肢も豊富で、職に困ることはないでしょう。
税理士の主な業務は企業の会計処理や納税・節税対策、税務署に提出する申告書の作成などです。
- 受験資格
①法律学、経営学を学べる大学・専門学校を卒業している
②司法試験の合格者
③税理士・弁護士・公認会計士などの業務を補助する事務に2年以上従事している
④日商簿記検定1級の合格者、など。 - 合格率 12~17%程度
- 試験日 例年8月の年1回
- 受験費用 3,500円~7,500円
税理士は最低でも2年以上の勉強が必要と言われる超難関資格です。
でも、難しいだけのメリットがあるのも事実。なんといっても業務独占資格です。税務書類の作成、税務代理、税務相談など、税理士にしかできない仕事がたくさんあるため、どこの企業からも引く手あまたでしょう。
また、試験に合格し実務経験を2年以上積むことで、独立開業の資格も得られます。事実、約8割の税理士資格保持者が独立しているとか。独立開業のうま味といえば収入です。
自分の裁量次第で大幅な収入アップも狙えますよ。
勤務税理士 平均700万円 ※最低ラインが400~500万円

参考:
CareerGarden 税理士の仕事
STUDYing 税理士になるとどんなメリットがある?
税理士事務所.jp 税理士の年収・収入
AFP/CFP
ライフプランの設計をコンサルティングする専門家・ファイナンシャルプランナー。
なかでも上級資格とされているのが、AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)やCFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)です。
AFP以上の資格を保有していると、企業内FPとして、銀行や生命保険会社などの金融機関、不動産会社、ハウスメーカーなどでの顧客コンサルティング業務に従事したり、一般企業での総務・人事部門で活躍することができます。
- 受験資格 AFP認定研修の受講修了+※2級FP技能検定に合格
- 合格率 35%前後 ※AFP資格を得るための2級FP技能検定の合格率
- 試験日 例年9月、5月、1月の年3回(2級FP技能検定の試験日)
- 受験費用 AFP認定研修(基本過程):3万円~20万円 AFP認定研修(技能士過程):1万円~3万円
- 受験資格 AFP資格+CFPエントリー研修や一定の実務経験など
- 合格率
35~40%程度(全6科目中、各科目の平均的な合格率)
7%前後(6科目1括受験者の合格率) - 試験日 6月と11月の年2回
- 受験費用 5,400円~27,000円
AFP以上の資格を持つ事務職は、金融業界や不動産業界、一般企業の総務事務部門などで資格をアピールできます。とくにCFPは世界でも認められたFP資格の最高峰。その分難易度はググっと上がりますが、転職での評価も高くなること間違いなしです。
ちなみに、AFPを受けるには2級FP技能検定を取得している必要があります。2級FP技能検定を受けるには、3級FP技能検定合格もしくはFPとしての実務経験が必要になります。
FP資格の取り方の順番は、3級FP技能検定→2級FP技能検定→AFP→CFPという流れになります。

参考:
FP技能士3級・2級合格勉強会
日本FP協会HP FPの資格と検定の種類
LEC東京リーガルマインドHP ファイナンシャルプランナー 資格概要
資格取得Foresight ファイナンシャルプランナーの合格率・難易度は?
IT系の上級資格
IT系で評価される資格は次の資格です。
ITストラテジスト
ITストラテジストとはIT系の最難関資格と言われており、この資格を持っていると高度な技術者として、あるいはITコンサルタントとして転職に有利です。
ITストラテジスト資格では、IT技術を駆使した企業の経営戦略や経営計画、業務改善計画を策定する方法を学びます。高度なIT技術を持つだけでなく、経営層に情報技術を活用した提案ができる能力も証明する資格です。
- 受験資格 とくになし
- 合格率 14~15%程度
- 試験日 例年10月の年1回
- 受験費用 5,700円
受験資格はこれといって必要ではありません。ですが、IT系資格の難易度を表す資格レベル1~4のうち、最高レベル4の最難関資格です。生半可な知識や技術では合格は難しいと言わざるを得ないでしょう。
そのため、IT業界では非常にアピール力が強い資格です。技術者としてはもちろん、ITコンサルタントとしての道も開けてくるため、IT業界での経験があるならぜひともチャレンジしましょう。
ITストラテジスト資格取得者の平均年収は670万円です。ご参考までに。

参考:
働くエンジニアマガジン POTEPAN CAMP
資格の王道 ITストラテジスト(ST)
日本の資格検定 ITストラテジスト
JobQ ITストラテジストの年収は高いの?低いの?【調査しました】
不動産系の上級資格
不動産業界への転職では、次のような資格を持っていると有利です。
宅地建物取引主任者
不動産の取引に必要な国家資格です。法律上、宅地建物取引事業者の事務所には、社員5人うち最低1人は宅地建物取引主任者を置かなければならないことになっています。なので、需要は比較的高い資格です。
主な業務は、権利関係の調査や内容説明、契約締結などです。
- 受験資格 国家試験には珍しく受験資格なし
- 合格率 15~17%前後
- 試験日 毎年10月の年1回
- 受験費用 7,000円
合格率が低いため一見難関な資格に思えます。
ですが、資格の知名度がある上に必要な受験資格がなく、誰でも受けられるため「とりあえず受けてみる」という人や、不動産会社に入社間もない新入社員が受けさせられることなどがあり、合格率を下げているようです。
なので、実際はそこまで難しい資格ではありません。
不動産業界ではスタンダードな資格です。もしあなたに不動産業界の職歴があるなら、転職にも有利に働くでしょう。でも、意外と取得者も多いので、あくまで経験がメインで能力の証明を+する、といった程度のアピール力です。

参考:
スタディング宅建士講座
Career Garden 宅地建物取引主任者の仕事
宅建資格試験に独学合格!宅建なび 宅建の試験日日程・会場場所
マンション管理士
マンションの管理・運営業務を行えるマンション管理士の資格。難関な国家資格なので、業界での評価は高いようです。マンションに関する管理組合や住民からの相談対応、問題解決、マンション改修の計画作製などが主な業務です。
- 受験資格 とくになし
- 合格率 8~9%程度
- 試験日 例年11月の年1回
- 受験費用 9400円
宅地建物取引主任者と同じく受験資格の定めがない資格です。ですが、知名度はそこまで高くなく、誰もが気軽に受けようという資格ではないため、難易度はかなり高いようです。
資格の希少性から業界内での評判も高く、なかでもマンション管理会社やマンションの管理・賃貸・売買を行う不動産会社への転職に有利です。
年収については、就業する会社にもよりますが、20代で平均400万円程度。優秀なベテランともなると800万円程度になることもあります。宅地建物取引主任者、行政書士などの資格と合わせることで、独立開業も可能です。(ただし優良な顧客を見つけるのに苦労するようですが)

参考:
公益財団法人マンション管理センター
Career Garden マンション管理士の仕事
en転職HP マンション管理士の仕事内容って?資格取得の難易度は?
医療・福祉系の上級資格
医療・福祉系資格のスタンダードと言えば、「看護師」と「介護福祉士」です。
看護師
看護師資格には都道府県知事発行免許である「准看護師」と、国家資格である「看護師」の2種類があります。業務内容はほぼ同じですが、看護師の方が年収や昇進、転職の面で有利です。
- 受験資格
①4年制の看護大学や3年制の短期大学、高等学校5年一貫教育コースなどを卒業する
②准看護師が看護師学校に進学して受験資格を得る
③准看護師として7年間実務経験を積んだ後、2年間の通信制看護学校を修了して受験資格を得る、など。 - 合格率は毎年80%後半~90%程度
- 試験日 例年2月中旬~下旬
- 受験費用 5,400円
看護師試験の合格率はかなり高い値を推移していますが、決して簡単な資格試験ではありません。
看護師試験の受験生は学校卒業者が大半です。学校で長い勉強期間を経た人だけが受験するので合格率も高いのです。看護師養成校の学生生活は忙しいことで知られており、軽く見てかかると膨大な勉強量に挫折します。
看護師と准看護師の違い
看護師と准看護師は現場での仕事内容に大きな違いがありません。でも、待遇の面で圧倒的な差があるのです。その違いをご覧ください。
- 収入が有利
准看護師の平均年収は325万円です。一方、看護師の平均年収は419万円。月に約6.5~9万円、年間78~108万円もの差が開きます。 - 昇進が有利
看護師は管理職になれますが、准看護師はなれません。なぜかというと、法律上、看護師が准看護師に指示を与えることはできますが、その逆はできないのです。人の上に立っても指示できる相手がいないと仕事になりませんよね?つまり、准看護師は職務上、看護師の上に立てないので管理職にはなれないという理屈です。 - 転職が有利
看護師と准看護師では求人数に圧倒的な差があります。病院では看護師の求人が約20倍、診療所では約7.2倍多いというデータもあります(平成26年)
いかがでしょうか?
仕事がほとんど同じなのに、看護師の方がこれだけ優遇されるのです。准看護師を持っている人は看護師にならないと損ですよね。多少、学校や通信教育に投資しても十分元が取れるくらいの待遇差です。

参考:
厚生労働省
一般社団法人日本准看護師連絡協議会 准看護師になるため知っておきたいこと
看護医療進学ネット 看護師
公益社団法人日本看護協会 准看護師制度について
介護福祉士
介護職のスタンダード資格です。
そのため、この資格を取ることは介護職のキャリアアップに欠かせません。介護の仕事をはじめた人や、介護職員初任者研修の資格を取得した人がまず最初に目指す資格です。より上位の資格に「認定介護福祉士」や「ケアマネージャー」、「社会福祉士」があります。
- 受験資格
①福祉系の大学や専門学校を卒業→試験なしで資格取得 ※今後資格試験受験の義務付けを予定
②3年以上の実務経験+実務者研修を終了、など。 - 合格率 60~70%程度
- 試験日
筆記試験 例年1月下旬頃
実技試験 例年3月上旬頃 - 受験費用 15,300円 ※第31回
高齢者福祉の分野はこれからますます発展する業界です。需要に供給が追い付いていないため、人手不足が深刻な現場では多くの無資格者が働いています。そんななか、国家資格である介護福祉士保持者は、それだけで転職に有利です。
また、無資格者に比べて給料や賞与が高く設定されている事業所も多くあります。
受験資格に学歴や年齢は不問です。パートや嘱託でも、実務経験の要件さえ満たしていれば受験できます。国家資格の割には難易度もそれほど高くないため、しっかり勉強すれば十分合格を狙うことができるでしょう。
参考までに、介護職員の一般的な年収は250万~400万円程度です。でも、転職に有利な資格を保有していることで、400万以上の好待遇求人にチャレンジするチャンスが生まれることもあります。
必ずしも年収に直結する資格ではありませんが、ステップアップのチャンスをつかむ上で重要な資格です。

参考:
公益財団法人社会福祉振興・試験センター
Career Garden 介護福祉士の仕事
介護のお仕事研究所 介護福祉士の試験義務化が6年先送り
メディケアキャリア 介護福祉士は就職に有利なのか、またその理由とは
関連資格を取る

業界や職種で上級とされる資格でなくても、持っていると自身の能力をアピールできる資格があります。
例えば、営業職の人が英検1級を持っていると、海外向けの営業や海外勤務がある企業への転職に有利だというのは想像に難くないのではないでしょうか。
ここでは、代表的な職種、営業職と事務職を例に、業務の幅を広げたり、能力のアピールになる資格をご紹介します。
営業職の転職に役立つ関連資格
営業職の関連資格には、英語力を証明するもの、お金の知識をアピールできるものなどさまざまです。どの業界でも商品やサービスを売り込む営業職は必要とされるため、転職に使える資格の幅が広い職種だと言えます。
TOEIC/実用英語検定(英検)
- 営業職に英語力は必須
- 求められるレベルは、TOEICスコア750以上、英検準1級以上
- どちらも通年、全国各地で実施されている
- 受験費用 TOEIC:4,320円 英検:2000円~9500円
海外との取引や、海外進出している企業の営業職にとって英語力は必須のスキルです。
最近は英語研修などで海外勤務人材の育成に力を入れる企業も多いと聞きます。もはや英語はビジネスマナーや読み書きそろばんと同じ、社会人が身に着けておくべき教養の一部と言っても過言ではありません。
営業職に求めらえる英語のレベルは、英文のメールを読み書きできるレベルから、直に英語で商談ができるレベルまで千差万別です。
ですが、最近は国内のみの取引実績しかない企業でも、ある程度の英語力が求められる風潮があります。営業職の求人では、TOEICや英検の成績を採用判断の基準に用いる企業もたくさんあります。
では、どれくらいの成績があれば転職に有利と言えるのでしょうか。
TOEICの2013年の調査によると、海外との取引がある企業が全社員に求めるTOEICスコアの最低基準は、600点という結果が出ています。これが5年以上前の調査であること、直接商談する機会が多い営業職であることを考えると、転職で評価されるスコアは600点が最低の最低だと思われます。
リクナビNEXTが転職エージェントに話を聞いた記事によると、
有形商材を扱う企業の場合は、英語力がないともはや厳しい状況です。多くの企業が海外にすでに進出し、これから本格的にシフトして海外売り上げ比率を高めようとしているため、営業職に求められる英語力は最低でもTOEIC750レベル。
引用:リクナビNEXT HPより 同じ会社、同じ仕事のビジネスパーソン3人をプロが比較 検証!「英語力」の差で、転職可能性はどう変わる?
とのことでした。
つまり、形のあるモノを扱うメーカーや商社の営業職には、少なくともTOEIC750点レベルのスコアが求められるということです。ということは、これから英語を勉強する方は、無形商材の営業を目指すならTOEIC600点を、有形商材の営業を目指すなら750点を目標にするのが良いでしょう。
↓は参考までに、TOEICスコアと英語力の目安です。
- 600~695点
簡単な仕事関連のメモ書きを理解できる。海外旅行をしても、道を尋ねたり、買い物や食べ物を注文することができる。 - 700~795点
最低限ビジネス英語を理解できる。会議の案内や社内文書、資料を理解できる。 - 800~895点
本格的に英語が使えるようになる。日常会話は完全に理解でき、意思疎通を図る上で支障を感じないレベル。グローバル部門への配属はこのレベルが目安。 - 900~990点
ほぼネイティブに近いレベル。ネイティブと流暢にやり取りできる。複雑なディスカッションや難解な専門書の読解もラクラク。
参考:Langland HP TOEICスコアの目安・日常生活やビジネスでできること
また、こちらの記事によると、TOEICと英検のスコア換算は、英検1級レベルでTOEICスコア955点、準1級で713点、2級で527点とありますから、英検を取得する場合、無形商材の営業職なら最低でも2級レベル、有形商材の営業職なら最低でも準1級レベルは必要ということです。
TOEICの受験資格に要件はなく、誰でも気軽に受けられます。1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月の年10回、全国約80の都市で実施されています。
また、英検も同様に誰でも受けられます。試験は一次試験と二次試験に分けられ、年3回(一時6月・二次7月、10月・11月、1月・2月)実施されています。
参考:
英検 検定料
TOEIC 2013年「上場企業における英語活用実態調査」報告書
トイグル TOEICと英検比較まとめ!レベル別スコア換算表つき
ELSclub 【2018年度英検日程まとめ】申し込み期間・試験日・解答速報・合格発表日

日商簿記検定2級
簿記を勉強すると、会計知識や財務諸表を読む力、経営管理や分析力、コスト感覚が身につきます。営業職にとって大事な力は提案力です。会計数字をきちんと理解しているか否かで、営業提案に大きな差が出ます。
また、簿記では財務諸表の読み方も学ぶので、顧客企業の経営分析にも役立ちます。転職活動で簿記検定をアピールするなら2級以上の取得が望ましいでしょう。
- 受験資格 とくになし
- 合格率 おおむね10%強~40%程度までさまざま。
- 試験日 例年6月、11月、2月の年3回
- 受験費用 4,630円
2級と名がつく検定ですが、とくに受験資格はないため、3級を飛ばしていきなり2級を受けることも可能です。多少勉強に自信のある人は、むしろそっちの方が効率的かもしれません。
難易度については、3級に比べて出題範囲が広く、問題も難しくなる傾向です。ですが、1級のように難関資格というほどでもないため、しっかり計画を立てて勉強することで、働きながらでも無理なく合格することができるでしょう。

参考:
商工会議所の検定試験
CAREERINDEXスクール 営業職で活かせる資格ランキング
Foresight 簿記検定の合格率・難易度は?
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)は、人生の様々な場面に関わるお金の知識に長けたライフプランのプロフェッショナルです。専門とする分野は【税金、年金、金融資産、保険、相続、不動産】の6つの分野に及びます。
そのため、金融機関や不動産会社、住宅メーカーなどの営業で重宝される資格です。
転職でアピールできる目安は、2級FP技能士以上のレベルです。
2級FP技能士は国家資格ですが、合格率が35%前後と決して難関とは言えない資格であるため、しっかり勉強することで合格を狙うことができます。
参考:生涯学習ユーキャンHPより 【FP】ファイナンシャルプランナーコラム
業界ごとの資格
そのほか、転職を目指す業界ごとの資格を持っていると有利に働きそうです。
例えば、不動産業界の営業職志望なら「宅地建物取引士」を、金融業界志望なら「証券外交員」や「ファイナンシャルプランナー」の資格があった方が有利です。また、営業職では「普通自動車免許」を持っていることが条件とされることが多いため、取得していた方が無難です。

事務職の転職に役立つ関連資格
事務の能力をアピールできる資格には、会計に関するものやパソコンスキルに関するもの、接遇に関するものなどがあります。ここでご紹介する資格以外にもたくさんの資格がありますので、興味のあるものを探してみるのも良いかもしれませんね。
日商簿記検定
この記事でもたびたび登場する日商簿記検定。事務職、とくに経理部門は、会社のお金の流れを記録したり保管するのが主な業務です。
簿記で学べる知識はそのまま仕事に直結する内容のため、自身の専門性を保証するためにも、ぜひ取っておきたい資格です。できれば財務諸表の読み方や活用の仕方が身につく2級以上を取得している方がアピールになるでしょう。
MOS
MOSとはマイクロソフト オフィス スペシャリスト マスターの略で、Microsoft Officeソフトを使った事務処理能力の証明になる資格です。
事務職の求人ではWordやExcel必須な職場が多く、パソコンスキルがあることが最低条件になるでしょう。もちろん、資格がなくてもOfficeソフトを扱うことはできますが、能力の証明や箔付けとして持っておいて損はありませんよ。
- 受験資格 とくになし
- 合格率 不明 ※公式に合格率は発表されていません。
- 試験日 全国一斉試験は毎月1~2回、日曜日に実施
- 受験費用 9,800円~11,800円
MOSの試験は毎月1~2回、全国の指定パソコン教室や専門学校で行われています。実施頻度が高く場所も全国区なので非常に受験しやすい資格です。
難易度については合格率が公式未発表のためなんとも言えません。
ですが、パソコンが苦手な方と、普段から触り慣れている方では全然違ってくるでしょう。私なんて、ほんの数年前までパソコンをほとんど触ったことがなく、「超初心者向け Microsoftofficeの使い方」みたいな本を読んでも「Microsoftofficeってなんやねん!日本語で書けよ!!」と思うレベルでした。
とくにパソコン関係の入門者向けテキストを読んでも用語の意味が分からないレベルの方は、独学よりパソコン教室に通って対策する方が合格する可能性が高まると思います。
また、より専門的知識が求められる上級レベルのMOSエキスパートやMicrosoftoffice複数製品のスキルを証明するMOSマスター資格もあります。難易度は、MOS→エキスパート→マスターの順に高くなります。腕に覚えのある方は上級資格の取得にチャレンジしてみてください。

参考:
キュリオステーション
Microsoft社HPより 試験全般に関するよくあるご質問
秘書検定
秘書検定は人に「感じの良さ」を与えるための態度や言葉遣い、所作、マナーを学ぶ検定です。これを持っていると、社会人としてのマナーが身についている証明になります。
事務職では、他社の役員や重役の電話を取り次いだり、来客対応を行う機会もよくあるでしょう。そんなとき、秘書検定で学んだ技術や知識が活かされます。
転職で評価されるのは、2級以上とされています。準1級レベルになると中堅の秘書に求めれるようなマナーや対応力が、1級レベルになると役員や重役をサポートする上級秘書レベルの力が身につきます。
- 受験資格 とくになし
- 合格率 2級が55.6%、準1級が40.5%、1級が22.1%(平成30年11月の試験)
- 試験日 例年6月、11月、2月の年3回
- 受験費用 2,800円~9,400円
合格率を見ると最上級の1級でも決して難関というレベルではありません。ですが、準1級と1級では記述試験に加え面接試験があるため、実務経験がある方が有利でしょう。

参考:
ビジネス系検定 秘書検定とは
Mayonez 秘書検定の合格率・級別難易度の違い・各級の違いとは
シネマトゥデイ 秘書にしたい女性有名人ランキング発表!1位は眞鍋かをり
転職の目的に合った資格を取ることが大事
以上、上級資格および関連資格のご紹介でした。
どの例でも、経験がある業界・職種をメイン軸にして、能力をアピールしたり、転職の幅を広げる資格をご紹介しました。ステップアップのための転職は経験ありきです。前にもお伝えしましたが、転職の目的に合わせたしかるべき資格を最短で目指すのがベストです。
忙しいビジネスマンには時間がないんです。ついでに、お金がない人もいるんです。
どの資格にしようかな~、なんて、あっちこっちフラフラしているともったいない!
ですので、転職のために資格を取るときは、どんな業界に転職するのか、どんな特徴の企業に転職するのか、企業のどの部門を狙っているのかなど、目的を明確にして、それに近づくために最も役立つと思う資格を取得するするようにしましょう。
戦略2:人材不足の業界に必要とされる資格を取る

さて、今までは既にある程度経験を積んだ人がステップアップのために転職する際に、有利になる資格を紹介してきました。これからは、まったくの異業種へ転職する場合や、そもそも正社員未経験な人が就職するときに使える資格やその選び方をお教えします。
まったくの異業種や未経験への転職は、30代転職のセオリー「経験・スキルが活かせる転職」を踏襲(とうしゅう)できません。
そのため、転職を成功させるには、①資格取得を目指すと同時に経験も積んでしまう方法と、②経験不問の業界に有利な資格を取って飛び込む方法の2パターンがあります。それぞれ、具体的にみていきましょう。
経験を積みながら資格を取る

世の中には、需要に供給が追い付かず、人材難な業界がたくさんあります。そんな業界では、たとえ有資格者が主役であっても、人手が足りないために無資格者を積極的に採用して、あとで資格を取らせようと考える企業も多いものです。
また、求職者側としても、いずれは資格を取るつもりなら、実際に現場に飛び込んでみて、実地のスキルや経験、知識を積む方が資格取得に有利になることも少なくありません。
私の嫁は昔介護の仕事をしていました。あるとき、嫁の職場にパートとして40代くらいの女性が入ってきたそうです。その女性はまったくの未経験者で、介護の「か」の字も知らないような初心者でした。
女性はずっと主婦をされてきたそうで、皿洗いや掃除、洗濯は大の得意でした。
お年寄りを直接介護する仕事は正社員である嫁たちの仕事でしたが、それ以外の細々とした業務はその女性を含め、パートさん達にお願いしていました。右も左もわからないながらも真面目に仕事をする女性は、いつしか嫁の職場にとってかけがえのない戦力になっていました。
ですが、半年も経った頃、その女性が突然退職の意を伝えてきたそうです。
聞けば、「私は今、女手一つで子どもを2人育てている。この先お金もたくさんかかる。先日、もっと自給が高いパートに採用された。だから、生活のためにもそちらで働きたい」とのことでした。
「女性に辞められたら困る」という思いがあった嫁や嫁の同僚は、会社に対して、女性を正社員にするよう掛け合ったそうです。
会社としても現場からそこまで信頼の厚い人物なら手放すのは惜しいと考えたのでしょう。女性を正式に介護職員として採用するために、ヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)の資格を支援して取らせました。そして、女性は、晴れて正社員として迎えられたそうです。
このように、まったくの未経験者でも、やる気や能力さえあれば、業務に必要な資格取得を促して、正社員雇用につなげる取り組みをしている企業もあります。
まったくの未経験の場合、正社員として採用されるのは一筋縄ではいかないでしょう。ですが、女性のように採用のハードルが低い非正規社員として働き、経験と資格でしっかり身を固めてから、その会社もしくは他の会社に正社員として応募する、という方法はかなり効果的だと思います。
たしかに非正規で働くことにリスクは伴います。
「もし資格が取れなかったら」「取れたとしても、仕事が自分に向いてなく働き口が見つからなかったら」
そんな心配もあるでしょう。ですが、この方法で成功する人の話はよく聞きますし、私の身近にもそんな実例がありました。
これだけを聞くとハイリスクハイリターンな方法と言わざるを得ませんが、きちんと志望する業界を吟味することで、リスクを限りなく小さくすることも可能です。なかでも、将来性があり、人材不足の業界なら、少なくとも採用されないというリスクは減らせるでしょう。
ここでは、介護、保育、飲食、の3分野で、働きながら就職に有利な資格を取る方法をお教えします。
介護の資格を取る
ますます社会の高齢化が進むなか、介護業界は需要に供給が追い付いていません。介護サービスの有効求人倍率は3.61です(平成31年1月) 。これは、求職者1人に対して介護の求人が3.7もあるということ。
まさに売り手市場、かなり有利です。ぶっちゃけ、いきなり正社員を狙ってもいいくらいだと思います。
ですが、30代未経験ともなると転職が上手くいくとも限りません。非正規社員なら、30代といえども就職できる可能性はぐんと上がります。その上で、経験を積み、資格を取得し、熱意をアピールしましょう。まず狙うべき資格は、最初のステップとしてふさわしい資格です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識が学べる研修です。かつてのヘルパー2級に相当し、介護業界を志す人がまず最初に取るべき資格です。
- 資格の取り方
介護職員初任者研修講座を開講しているスクールに通って、130時間10項目のカリキュラムを終了後、筆記試験に合格 - 資格取得までの期間 通信講座で最短1ヶ月
- 費用 スクールによってさまざま
介護職員初任者研修は所定の講座を受けることで誰でも簡単に取ることができます。資格はスクールや通信講座を受講することになりますが、受講ペースも平日コースや土日コースなど開講コースにより違ってきます。
それに伴い、取得までの期間や費用も変わります。
通信講座を利用することで最短1ヶ月程度で取ることもできますが、「受講時間130時間のうち通信による学習時間が上限40.5時間」という決まりがあるため、最低でも89.5時間以上(15~17日程度)はスクールで学ぶ必要があります。
費用については、↓の表をご覧ください。スクールによってさまざま、ときには割引キャンペーンが適用になることもあるそうです。
申し込みの際には、キャンペーン中かどうかも確認しないといけませんね。
また、私の先輩のように、ハローワークの求職者制度を利用することで、受講料無料で資格を取ることもできます。求職者支援制度を受けるには、条件を満たしている必要がありますので、詳しくはこちらの厚生労働省HPをご確認ください。

保育の資格を取る
保育士資格も実務経験を満たせば受験できることをご存知でしたか?
最近は少子化の影響もあって保育士需要が減っていると思われるでしょうが、実はその逆です。両親の共働き世帯の増加によって、長時間保育園に子どもを預ける親が増えました。地域によっては待機児童が増えており、保育所の新設や施設拡充を図る事業所もあるんです。
でも、「保育士の実務経験って素人でも積めるものなの?」と、思った人もいるでしょう。じつは、保育補助というお仕事をすることで実務経験を得ることができるんです。
保育補助とは、保育士のサポートをするお仕事です。文字通り補助的な仕事がメインで、具体的には登園、降園の対応や電話対応、食事介助の補助、室内活動の制作や後片付け、散歩の引率など、保育士の指示を受けて行います。
まさか、無資格の人が保育園で働けるなんて!私も妻から聞いたときはびっくりしました。
たしかに、今思えば娘を預けていた保育園にも、若い保育士の先生から指示を受けて動く年配の先生がいたことを覚えています。その方たちが保育補助の人だったかはわかりませんが、そういう仕事も需要が高いそうです。
保育補助の勤務形態はパートやアルバイトになります。保育士を目指す学生アルバイトや、子育てがひと段落した主婦の方を雇うことが多いみたいですね。
保育士
保育士になるためには、保育士要請学校を卒業するか、保育士試験を受けて合格する必要があります。
保育士試験を受ける要件のひとつに、児童福祉施設5つのうちどこかで、2年以上かつ総勤務時間が2,880時間以上(1日6時間以上、1ヶ月20日以上)勤務すれば、保育士試験を受験する資格が得られるというものがあります。
保育園もこの児童福祉施設の1つなので、そこで一定期間以上パートやアルバイトとして働けば、保育士試験を受ける資格が得られます。
- 資格の取り方
受験資格を満たした上で、通信講座もしくは独学にて学習、試験合格を目指す - 合格率 10~20%
- 試験日
筆記試験:毎年8月上旬2日間
実技試験:10月中旬・日曜日 - 受験費用 12,950円
保育業界も人手不足が深刻です。無資格の職員を募集している保育園もたくさんあるので、まずはそこに応募してみるのが良いでしょう。保育園で働きながらだと、資格試験に有利な情報を教えてもらったり、日々の業務で知識やスキルを学ぶことができます。
また、保育補助から保育士資格を取得すると、保育園側としてもよく見知った人に働いてほしいと思うので、そのまま正職員として雇ってもらえることがよくあります。
保育士試験は合格率も低く、比較的難易度の高い試験です。合格する可能性が高いのは、通信講座を受けることでしょう。ですが、その分費用はかかります。パートやアルバイトで学習費用を捻出できればいいですが、それも難しいと独学になるでしょう。
ですが、独学でも十分合格を狙えます。保育士試験対策の良質な参考書はたくさん販売されているので、評判が良く自分に合った参考書を探しましょう。
それに、保育補助として働いているなら、周りに優秀な先生がたくさんいます。上司や先輩は保育のプロです。なにかわからないことがあれば思い切って相談してみることで、きっと試験合格に役立つ有意義なアドバイスをもらえるでしょう。

参考:
保育士の資格・仕事ガイド
保育士バンク 保育士の需要と将来性は?
タウンワークHP 保育士の資格なしでも保育園で働ける「保育補助」の仕事とは?
保育R+ 無資格でも諦めないで!!保育園で働きながら保育士資格の取得を目指そう♪
保育士.net 社会人・主婦から保育士になるには?
生涯学習ユーキャン 保育士試験の難易度・合格率は? 専門学校・通信教育・独学どれがいい?
飲食の資格を取る
飲食業も人手不足が深刻な業界です。有効求人倍率は調理の仕事が3.09、接客・給仕の仕事が2.96と、いずれも1人に対して約3件の求人がある割合です。
最近、嫁のママ友のシングルの方が、介護施設の給食のパートを経て調理師免許を取得し、そのまま正社員として採用された話を聞きました。やはり“手に職系”の資格は強いということでしょうか。
以下では、アルバイトやパート務めでも取得でき、飲食業界の転職に有利な資格をご紹介します。
調理師
嫁のママ友が取ったのも調理師です。調理師免許は国家資格で、これを持っていないと調理師を名乗ることができません。
ですが、調理師の資格を取るのになにも専門学校に通う必要はありません。学校に通う余裕のない方は、飲食店や給食施設でパートやアルバイトとして働き、受験資格を満たす方法があります。
- 受験資格
①調理師過程のある学校を卒業する
②飲食店や給食施設で2年以上実務経験を積む - 合格率 60%~65%程度
- 試験日・場所 都道府県によりけり ※都道府県の担当課にご確認ください。
- 受験費用 【実技試験】18,800円 【学科試験】3,700円
調理師試験受験のために必要な実務経験を積もうと思ったら、飲食店や給食施設で「週4日以上かつ1日6時間以上」または、「週に5日以上、1日5時間以上」の調理業務に2年間従事しなければなりません。しかし、なにも1つの職場にずっと務める必要はなく、通算でもいいんです。
職を転々としていても、飲食店もしくは給食施設での勤務期間は合算することが可能です。
例えば、A店で1年半の勤務経験が、B店で半年の勤務経験があれば通算して2年以上になるので、受験資格を得られます。
ただし、1点注意があります。それは、受験には、調理業務に従事していた証「調理業務従事証明書」が必要だということです。これには店舗や施設の責任者の実印を押してもらわなければならないので、もし辞める場合は忘れずにもらうようにしましょう。

参考:
公益社団法人 料理技術技能センター
生涯学習ユーキャン 調理師 こんな方におすすめ
Career Garden 調理師の仕事
グルメdeまとめ キッチンバイトでも調理師資格を取れる!
ソムリエ
飲食業のサービス部門で評価されやすい資格の一つがソムリエです。ソムリエとしての求人数は決して多いわけではありませんが、ワインを供する飲食店への就職なら、持っていて強力なアピールになる資格です。
ソムリエの資格には日本ソムリエ協会が認定するソムリエ資格試験と、全日本ソムリエ連盟(ANSA)が認定するソムリエ・ワインコーディネーターの2つがあります。
このうち、転職でアピールできるのは、日本ソムリエ協会が認定するソムリエ資格です。
- 受験資格
①ワイン及びアルコール飲料を提供する飲食店で3年以上のサービス経験があり、一次試験当日もサービス業務に従事している
②日本ソムリエ協会会員に登録して2年以上、かつ飲食店でのサービス経験も2年以上 - 合格率 40%程度
- 一次試験は7月下~8月下旬、二次試験は10月中~下旬、三次試験は11月上旬に開催(年1回)
- 受験費用 【一般】25,440円 【会員】17,210円
ソムリエの受験資格を得るには正社員でなくてもよく、
過去の経歴も含め正社員以外の従事を経験年数に加算する場合は、社員と同様の勤務体系で従事しその収入において生計を立てていて、就労時間週30 時間以上(月120 時間以上)勤務している事が条件となります。その場合、給与明細のコピー又は従事証明書をご提出いただきます。
となっています。つまりアルバイトや契約社員でも就労時間週30 時間以上(月120 時間以上)勤務していれば受験資格は得られるということです。
ただ、注意したいのが、実務経験の証明として、給与明細のコピー又は従事証明書がいるという点です。同じ職場に勤め続けていれば証明書を発行してもらえますが、辞めてしまった場合は前の職場に頼みにくいことがあるので、給与明細は必ず保管しておきましょう。
試験には筆記試験とテイスティング試験、サービスの実技試験の3つがあり、参考書や過去問を解くだけでなく、日頃からワインを飲み比べしたり、サービス技術を磨いておく必要があります。
合格率は決して低くありませんが、あなどらずに練習するようにしましょう。

参考:
ワインコラーニング
Career Garden ソムリエへの転職
favy飲食店サポート ソムリエ資格は2種類ある!?飲食店の方のためのワインの資格まとめ
一般社団法人日本ソムリエ協会
人手不足の業界への転職に有利な資格を取る

さて、最後の30代異業種・未経験への転職戦略は、そもそも人手不足で参入しやすい業界を狙って、評価される資格を取得して転職する、という方法です。世の中には需要が増えて今後ますます景気が良くなるであろう業界があります。
そんな業界では、需要に供給が追い付かず、いつも人手不足です。
そうであれば、そんな業界への転職自体、ハードルが低いのではないでしょうか?ましてや、その業界で評価される資格持ちとくれば、たとえ未経験でも本気度を評価されて転職成功確率もアップするハズです。
ここでは、そんな人手不足の業界への転職に有利な資格をご紹介します。どれも難関というほど資格取得の難易度は高くないので、働きながらでも十分に取ることができますよ。
土木・建設業界で評価される資格
今、建設・土木業界は空前の好景気に見舞われています。
震災復興需要や東京五輪・パラリンピック需要が要因とも言われていますが、人材不足が深刻すぎて建設業者の人手不足倒産も相次いでいると言います。
そんな建設・採掘の職業の有効求人倍率はなんと5.49!求職者1人あたり5件も求人があることに。そんな穴場業界を見逃す手はないでしょう。体力に自信あり!な30代の方は、ぜひ応募してみてください。
玉掛作業者

土木・建設業界では、聞いたこともないような資格がズラッとあります。玉掛作業者資格もそんな資格の一つです。クレーンのフックに荷物をかけたりはずしたりすることを「玉掛け」というそうで、その作業を行うときに必要なのがこの資格です。
大きく重い荷物をかけることも多く、玉掛作業は一歩間違えると人の命に係わる危険な作業です。
建設現場では、玉掛作業が必要な場合が多く、需要は常にある資格です。なので、この資格があれば、転職に有利に働くでしょう。資格は「玉掛技能講習」を終了すれば取ることができます。保有する建設関係の資格によって受講時間は変わりますが、講習内容は学科と実技です。
受講資格に制限はありません。講習は各都道府県の定められた期間で受けることができます。日程や場所はあらかじめ検索してご確認ください。

参考:資格の王道 玉掛作業者
ガス溶接技能者
建設現場では、プロパンやアセチレンなど可燃性ガスを使用したガス溶接を行うことがあります。危険を伴う作業なので、求人も多く、就職や転職にも有利な資格です。
受講資格は18歳以上であることのみ。
学科講習と実技講習を2日間に渡って行います。こちらも玉掛作業者同様、講習修了のみで取れるので、難易度はとてもやさしい資格です。
各都道府県の登録機関にて実施されているので、事前に調べてから申し込んでください。

車両系建設機械運転者
ブルドーザーやパワーショベルなど、3トン以上の建設機械を運転・操作するために必要な国家資格です。
あの国民的アイドルグループ「TOKIO」のリーダー・城島茂さんが取得したことでも知られています。城島さんが資格を取得したのは30代前半の頃でした。
以来、番組内で建設機械の見事な操縦技術を披露し、「ユンボ城島」「ブルドーザー城島」と呼ばれることもしばしば。ちなみに、城島さんは「クレーン運転士」の資格も持っているようです。
話がそれましたが、車両系建設機械運転者免許は、対象となる建設機械によって講習内容が異なります。ブルドーザーやトラクターショベルなどの運搬用機械を運転するための講習もあれば、採掘用機械の講習、解体用機械の講習もあります。
受験資格は18歳以上であることだけ。
講習は各都道府県の指定期間で行われており、学科と実技の講習を終了し、実技に合格すれば取得できます。業務独占資格、つまり免許を持っていないと運転できないため、どの現場からも重宝される資格です。

参考:
資格の王道 車両系建設機械運転技能者
コベルコ教習所 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
運輸・物流業界で評価される資格
Amazonをはじめネットやアプリで手軽に買い物ができるようになった昨今、モノを消費者の元へ届ける運輸・物流業界ではトラック運転手の人手不足が深刻です。建設業と同様、人手不足倒産も増えているという業界。有効求人倍率は3.64にものぼります。
ドローンや自動運転技術の活用が検討されている同業界ですが、事業化はまだまだ先。転職を狙うなら今がチャンスの業界です。
参考:Lnews 人手不足による倒産/道路貨物運送業、前年比2.3倍に急増
第一種自動車運転免許
ドライバーになるには車の運転ができなければ話になりません。中型免許や大型免許など、より大きな貨物輸送車の免許を取るにも、普通免許が起点になります。
普通自動車免許を取るには、教習所に通って講習を受けるか、免許合宿に参加する必要があります。その上で、学科試験・実技試験に合格し、晴れてドライバーデビューを果たせるのです。費用はMT車で約30万円ほど、AT車で約24万円ほどかかるとされています。
私もたしか30万円ほどかかったと記憶しています。これからプロのドライバーになろうという方は、少なくとも普通免許を所持している方が望ましいでしょう。

中型自動車運転免許
4tトラックを運転するために必要な資格です。
これから免許を取得しようとする人は、普通免許を取得してから通算2年以上の運転歴があることが必須条件です。
取得方法は、指定の自動車講習所に通い、学科講習や技能講習を受け卒業検定に合格する必要があります。
中型免許にも第一種免許と第二種免許があり、第二種免許は旅客運搬の際に必要になる免許です。費用は自動車学校やあらかじめ持っている普通免許の種類によって変わりますが、相場は17~20万円以上する場合もあります。

参考:ドライバータイムズ トラック免許取得にかかる費用相場・安くする方法・支払い方法
フォークリフト運転技能者

よく工場や倉庫で見かける、あの荷物を運ぶ車をフォークリフトと言います。普通の車と違い、フォークリフトは敷地内の運転でも資格が必要になります。各地の指定教習機関で学科と実技の講習を受け、修了試験に合格することで取得できます。
フォークリフトの講習を受講するにも、やはり普通免許以上の運転免許が必要です。
受講料は2万円台~と自動車免許と比べてかなり格安なのでお財布には優しい資格です。取得すると、運送会社や倉庫業を営む会社、鉄鋼業、製造業などへの転職が有利になります。

自動車運転業界で評価される資格
いわゆるドライバーのお仕事です。自動車運転の職業の有効求人倍率は3.23。なかでも、タクシー業界は運転手の高齢化や訪日外国人観光客の増加に伴い深刻な人手不足に見舞われています。
ここ10年で法人タクシー事業者は10%減少、運転者の数も38万人から30万人にまで落ち込んでいます。そんなタクシー業界だからこそ、転職のチャンスです。日頃から運転に慣れている方や運転が好きな方なら、楽しめる仕事ではないでしょうか。
普通自動車第二種運転免許
タクシー運転手になるには、普通自動車第二種運転免許が必要です。第二種免許は、お客さんを乗せて運ぶために必要な免許です。
資格取得には、第一種免許の取得から3年以上経っていることが絶対条件です。免許取得には2通りの方法があり、一つは直接試験場に赴き学科試験と技能試験を受ける方法。もう一つは自動車教習所に通って講習を受けて免許を取得する方法です。
直接試験を受ける方法は一発で合格すれば費用が抑えられる反面、審査が厳しく難易度が高いようです。1回あたりの試験費用は4万円程度するので、何度も落ち続けていると結局高くついてしまいます。
教習所に通う方法は、基礎からしっかりと学べるため、合格する可能性は高くなるでしょう。費用は大体20万円弱くらい見ておいた方が良いでしょう。

参考:
Career Garden タクシー運転手の仕事
BOWGL タクシー業界の人手不足|業界の現状と原因について解説【事例付き】
日本合宿免許予約センター お客様を運ぶには「二種免許」が必要!その取得方法をお伝えします!
※各有効求人倍率の数値については以下参照
参照:厚生労働省「職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート))(平成31年1月分)」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ひとくちに30代の転職で有利な資格と言っても、転職の目的や今までの職歴によって取るべき資格や戦略が変わってくることを理解していただけたかと思います。



そう、転職では資格ばかりに目を奪われていてはいけません。資格を活かすための戦略を考えなければ、せっかくお金と時間と労力をつぎ込んで資格を取っても台無しです。
30代が資格を活かして転職するには、
- 今までのキャリアを活かして、積み重ねたスキルや経験に関連した資格を取る方法
- キャリアが0または少ない場合は、人材不足の業界に必要とされる資格を取る方法
の2パターンがありました。
また、それぞれを細かく見ていくと、
上級資格を取る
関連資格を取る
経験と資格を同時に取る
人材不足の業界で必要とされる資格を先に取ってしまう
という4つの方法がありました。
ここでご紹介した資格は数ある資格の中のほんの一部にすぎません。まずは、あなたが転職する目的や戦略を明確にし、それに合った資格を探してみてくださいね。
また、30代の転職を有利に進める戦略は資格取得だけではありません。そもそも自分がどんな業界へ転職すべきなのか、どんな仕事を始めるべきなのかがわからなければ、アピールできる資格を選ぶことすらできないでしょう。
私が30歳で転職を始めたときもずいぶんと悩みました。それに、失敗もたくさん経験しました。そんな私は、転職エージェントの力を借りることで異業種への転職を成功させました。
転職エージェントを利用することで、転職の目的や戦略が明確になります。ぜひ、資格取得と合わせて実践してみてください。きっと良い職場に巡り逢えますから!詳しくは↓の記事もご参照ください。
30代の転職は大変ですが、正しい方法で動けば必ず成功します。私はそれを身をもって実感しました。
この記事が少しでもあなたの転職に役立てたら幸いです。転職活動、応援しています!


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いっこうに決まりゃしない。これじゃあ妻も子どもも露頭に迷わせちまう・・・。
俺はいったいどうしたらいいんだー!