求人票でよく見る『年間休日数105日以上』『年間休日数120日』の文。これは一体、何の指標なのでしょうか。そもそも、年間休日数105日とは休日として多い方なのでしょうか、少ない方なのでしょうか。
働くのであれば、できれば休日の多い、余裕ある働き方をしたいものです。ここでは、
- 年間休日数105日の内訳
- 平均から見て年間休日数105日は少ないのか
- 少ないなら身の振り方をどうすべきか
について調べました。
Contents
年間休日数105日の内訳は?

年間休日数が約105日になる休日の振り分け方は、主に下記の二つです。
- 完全週休二日制、年末年始・夏季休暇・祝日なし
- 4週7休、年末年始・夏季休暇あり、祝日なし
なお、労働基準法で定められている、1日8時間(週40時間)を守ると、週に5日までしか働けないため、
365日-52×5日=105日
となり、やはり年間休日は105日になります。
年間休日数105日は少ないの?デメリットは?

平均年間休日数より少ない
105日は、平均よりかなり少ないです。厚生労働省の2018年度就労条件総合調査によると、1労働者あたり平均して、113.7日の年間休日をとっています。年間休日数105日は平均と比較して、9日近く少ないのです。
デメリット① 3連休以上を取るのがむずかしい
まとまった休みを取るには、有給を使わないといけなくなります。土日続けて休めればまだいいのですが、労働基準法などの法律は休日を土日に指定しているわけではないので、会社は年間休日を1週間の中にとびとびで配置することもできます。20代前半のうちはそれでも働けるかもしれませんが、加齢とともに連続の休みがないと体がきつくなってきます。
デメリット② 長期旅行・帰省がむずかしい

よくて2連休くらいしか取れないので、2泊3日で温泉に行ってリフレッシュ、などが有給を使わないとできなくなります。
労働基準法などの法律上は、最低で月に4回休みがあればよく、毎週休まなければいけないわけではありません。そのため、理論上は一月に20日くらい連続で働いて、後で連休を取るという休みのとり方ができるのですが、実際問題としては、仕事の進行的にも体力的にもむずかしいでしょう。
デメリット③ 友人と遊ぶ機会が減る
祝日や夏季休暇・年末年始が休みでないと、友人と休みを合わせて遊ぶのが難しくなります。ましてや、帰省して地元の友達と遊ぶ、というのは遠い夢になってしまいます。
デメリット④ 子供の学校行事や授業参観に参加しにくい

小学校や中学校は、祝日を狙って授業参観や運動会を行うことがあります。その場合、子供の様子を見に行くには有給を使わないといけなくなります。子供のためならそんなこと、と思うかもしれませんが、年間休日数が多い会社なら、有給を使う必要がないのだと考えると、少し悔しくはないでしょうか。
年間休日数105日で戦える?

同じ時間働くのだとしても、仕事の内容によって、疲れ具合は大きく変わってきます。年間休日数105日は、疲れを癒やすのに十分な休日数なのでしょうか。どんな仕事だと、年間休日数105日でやっていくのが難しくなるのでしょうか。
運動量が多い仕事だとつらいかも
デスクワークが主体の仕事ならともかく、立ち仕事や体力仕事だと体への負担が変わってきます。平均年間休日数が105日以下の業種は、2017年度の厚生労働省の調査によると
- 建設業(104.7日)
- 生活関連サービス業・娯楽業(101.7日)
- 運輸業・郵便業(99.3日)
- 宿泊業・飲食サービス業(97.7日)
の4つです。
このカテゴリー分けだと、建設業と運輸業以外がどんな職種か、いまひとつピンときませんが、その内訳を書くと
- 生活関連サービス業:クリーニング店、銭湯、理容師、葬儀場、家事代行など
- 娯楽業:映画館、サーカスなどの興行、競馬場、競輪場、スポーツ施設提供業など
- 宿泊業:民宿、ホテルなど
- 飲食サービス業:コンビニエンスストア、外食など
特に飲食サービス業は、業務形態的に、2日まとめて休みを取るのが難しいです。あなたは、とびとびの一日だけの休日で、十分に疲れが取れますか?
給料が高いなら選択肢としてはあり

日給制なら、年間休日数105日のほうが稼げます。日給制でなくても、事情があって、休みを投げ捨ててでも稼ぎたい人もいるでしょう。そんな人にとっては、年間休日数105日はむしろ願ったり叶ったりかもしれません。
けれど、一度心身を壊すと年単位で稼げなくなります。自己管理はしっかり、休みはゆったりを心がけるようにしましょう。
定時で帰れるならライフスタイルによってはあり
必ず決まった時間に早く帰れるなら、夕食を作る時間が取れますし、子供の面倒を見ることができますし、夜に自分の時間を取ることもできます。
また、現代だと、リアルで会うより、毎日ログインするネットゲームのチャットで話す友人の方が多い、なんて人もいます。そういう人にとっては、祝日休みより、毎日決まった時間が取れるほうが大切でしょう。
また、事情があって、あまり地元や親元に帰省したくない人もいます。『仕事がある』は色々なことを断れる便利な言葉なので、親や親戚にうるさく言われたくない人は、年間休日数105日の仕事の方が、意外と都合がいいかもしれません。
年間休日が多いところに転職するなら?

転職理由に「休みが少ない」は基本NG
転職では『(これまでの職歴で)何をしてきて、何ができるか?』を見られます。退職理由には、他のなるべくポジティブな理由を考えるほうがいいでしょう。「前職で休みが少ないのが嫌だった」というのは、深く掘られて質問されたら軽く触れる程度でいいでしょう。
知り合いが、現在働いている会社で中途採用の面接を受けた時、
「前職では研究職だったのですが、年数が経つうちに管理職の仕事も兼任することになったので、どちらの仕事も経験があります。しかし、研究と管理、計2人分の仕事をしなければならなかったので、オーバーワークすぎて、長く続けていけないと思ったのと、研究に関わる仕事に専念したいという気持ちがあり、御社に応募しました」
と話したそうなのですが、これはかなり危ういです。彼女は採用こそされましたが、前職で得たスキルと研究への熱意をアピールしていなかったら、まず通らなかったでしょう。
転職先の休日数は真実か?

あなたが現在の会社の年間休日数に我慢ができなくて、もっと年間休日が多いところに転職したいとしても、気をつけるべきことがあります。転職したい次の会社が、年間休日数を正直に語っているとは限らないためです。
求人票と雇用契約書は要チェック

求人票に年間休日120日とあっても、
- 有給休暇の計画的付与分(最大5日)を足して数えられている
- 有給と特別休暇を全部足して120日と注釈がついている
- 『土日祝日出勤あり』と休日出勤が常態化している
- どうとでも取れる曖昧な書き方をしている
など、抜け道の作り方がたくさんあります。雇用契約書にサインする前に、もう一度求人票と雇用契約書をよく見比べましょう。
求人票と雇用契約書の内容が違う場合、会社には書面での通知義務があります。それがない場合、単に会社の担当者がミスをしている可能性もあるため、一応は会社に問い合わせましょう。
しかしこの時に、相手から誠実な回答が得られないなら、その会社の内定は辞退したほうがいいでしょう。弁護士相談や労働基準監督署への相談もできますが、疲れるだけで実を結ばない場合が多いです。
また、求人票と雇用契約書に問題がなくても、雇用契約書と実際の労働状況があまりに違う場合は、労働局が相談窓口となります。
転職エージェントを使ってだまされるリスク軽減

転職エージェント経由の求人なら、求人票が雇用契約書と異なる内容になってしまう可能性は減ります。なぜなら、転職エージェントは求人票を出した会社の実際の労働状況まで把握できていることが多いからです。
少なくとも、ハローワークの求人票をそのまま信じるよりは騙されるリスクが減るのではないでしょうか。ハローワークは、無料で求人を出せるので、経営が苦しい会社が求人を出しがちです。また、少し古いデータになりますが、2013年ではハローワークの40%の求人内容に嘘が入っていたという報告もあります。
転職エージェントは、いくつか登録してみて自分にあったところを使うのがいいでしょう。代表的なものとしては、リクナビエージェント、doda、type転職エージェント、マイナビエージェント、ハタラクティブ、ミイダス、ウズキャリあたりでしょうか。
ただし、転職エージェントを使っても、積極的に自分から聞いていかないと労働環境の情報は得られません。受身の姿勢は禁物です。
ハローワークの職員を頼って情報収集

どうしてもハローワークで求人を探さざるを得ないなら、ハローワークの職員にどんどん質問して情報収集しましょう。
- ブラック企業の噂がある企業の求人か
- 頻繁に求人を出す起業か
- 大量すぎる求人を出す企業か
の三点をまず聞くといいです。頻繁に求人を出す・大量すぎる求人を出す会社ということは、離職率が高い会社である証拠です。
口コミサイトも情報源に
企業の評判の口コミサイトも1つの参考になります。カイシャの評判、転職会議、キャリコネ、Vorkersあたりが有名ですね。
あくまで一部の社員が書いているだけであり、会社にひどい目に遭わされた人ほど、たくさん口コミを書く動機があるため、多少は割り引いて考える必要はあります。しかし、複数の会社を比較して、真っ黒な会社とそうでもない会社を見分けるには、ある程度役に立つでしょう。
年間休日数はどれだけ少ないと違法?

年間休日数105日が少ない方なのは、これまで書いてきたとおりです。では、年間休日数が105日より少ない会社はどういう扱いなのでしょうか。年間休日数の最低ラインとは、どの低度なのでしょうか。
105日以下はブラックの可能性
105日以下だと、週に2日の休みすら削られてしまう計算になります。労働基準法では、労働者に最低月4日(年52日)の休みを与えることが必須です。これは105日より少ないため、年間休日数が105日より少ない会社でも、法律上は大丈夫です。
ただし、週に40時間を超えた分の労働には、会社は残業手当を払わないといけません。そのため、残業手当が出るなら、年間休日数が105日以下でも違法ではないのですが、週40時間以上働いているのに残業手当が出ていないなら、明らかに違法です。
詳しくは下の記事をご覧ください。
残業代・休日手当を取り返すための、労働基準監督署や弁護士への相談方法などについてもまとめてあります。
まとめ
今回は年間休日105日という部分にフォーカスしてお話しさせて頂きました。
- 年間休日105日の内訳は完全週休二日制の祝日・夏・年末年始休暇なし
- 年間休日105日の職種は体力的にハードなことが多い
- 年間休日120日の求人でも実態とかけ離れていることがある
- 年間休日を守るなら求人票と雇用契約書チェックは必須
- 転職エージェントや職安のスタッフに聞いてリスク軽減


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